夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

栗 僧百拙画賛

2011-01-29 07:05:01 | 掛け軸
栗 僧百拙画賛
紙本水墨画賛軸装箱入 画サイズ:横245*縦228

旧制中学校時代から含めて、県大会の決勝までいきながら、甲子園とは縁がなかった、わが雪国の母校、大館鳳鳴高校が念願の甲子園、おめでとう!!!
 


本作品は栗の図に賛をかいたもの。

表具にて折れに対する補強をかなり念入りに行われており大切にされてきた作品であることが窺えます。最近の表具はここまでやってくれなくなった、というよりやれなくなったということも聞いています。




保存状態は年月が経ており、完全とはいえないが味がでていて丁度良いです。

天地の裏は改装し、箱は合わせを調達しておきました。くたびれた表具をすぐに改装するのは考えものなので時代感を大切にしました。
なるべく既存の古さを残すのがよいと思っています。
巻き止めに所蔵印のようなものがあるますが、残念ながら作品が自宅にあり、写真は手元にありません。

茶掛けなどには最適な掛軸でしょうね。

落款は「海雲百拙」を記している。「海雲」とは京都洛西に海雲山法蔵寺を創建したことによります。

印章は「百拙道人」の白方印と「元養之印」の朱方印、また遊白印として「釣雪印」を用いています。

   


賛は「棘逢(棘があり、乱れている様子)即楊岐(即ちいたずらに善より悪に染まり)旨枝葉(概ねとどのつまりは)是沈約却(これ賢人を欺くことである)」とあります。大意は「雑然とではなく、慎重に物事を運び、行動するように」という教えと解釈しています。




印章は残念ながら手元資料では確認できていませんが、真作であろうと判断しています。

僧百拙:寛文7年生まれ、寛延2年没(1667年~1749年)、享年83歳。

名は義、字は法諱元養、道号百拙、釣雪、葦庵と号した。また、元椿とも号した。

俗姓原田氏。黄檗山の僧であり、後に京都法蔵寺の初代となる。高泉性潡、大隨道亀に師事した。画風一格をなし、また書を能くした。詩歌、茶の湯に造詣が深い。

近衛家煕(このえいえひろ)の知遇を受け、その岡崎の別荘守りとなった。蘭の図を多く描いた。「釣雪間稿」、「葦庵文集」、「西山晩草」等の著作がある。


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