![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/e6/5dd97b42365c5f70d77bb575d19bf3d3.jpg)
展示室のかなめの場所・・。ここの最上部には開閉式の換気口、その下にはエアコン、そして採光と通風のためのジャロジー式の窓。エアコンが露出では興覚めですので、欄間額にて隠しています。作品を展示する場所には小さくともいろんな考慮が必要なものですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/72/3e512d07aa99f26b38762599d9980782.jpg)
さて本日の作品紹介は当方ではお手上げ状態に近い釧雲泉の作品です。
真贋の判断の難しい釧雲泉の作品ですが、遅まきながら少しずつ当方では判断がつくようになってきた? 南画においては巨匠でも今では数万円で入手できる画家の作品ですので、判断が可能ならいい作品を廉価で購入できるようになっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/ed/e2d220126703e6784ed068c1633d089c.jpg)
掛け軸を鑑賞する機会が大幅に減少した現代の状況では南画において金銭的にはこれからも評価は高くならないでしょう。興味があったら、あくまでも好きならば掛け軸の作品の購入のチャンスですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/57/b0d6fea7427080657c3a9b080863aa49.jpg)
戊辰桃月 浅絳山水図 釧雲泉筆 文化5年(1808年)
水墨淡彩紙本軸装 軸先木製 杉古合箱
全体サイズ:縦1200*横750 画サイズ:縦420*横620
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/ed/923ebebc05bafe7f36eaf4ca57506ae5.jpg)
落款の字体や印章、絵の出来・画風から雲泉の真筆であろうと判断していますが如何? 1806年に江戸から大窪詩仏と共に越後に出かけた時期で、恐らくその年の秋には新潟に到着したと思われます。その後ながらく北陸に居た頃に描いた作品と思われます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/95/d763eff7c17a1f2a084a468eec99c8c3.jpg)
文化8年(1811年)、53歳にて新潟県の出雲崎で客死し、出雲崎浄邦寺山に埋葬されていますので、描いた時期の区分としては文化時代の晩年の作とされます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/ea/5eebb9d6691867412925b97dbd3edaa4.jpg)
1806年中秋の落款の作品には新潟県三条市に於いて描かれたと記載があるなど、この頃には年期の記載のある作品が多くあるようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/a4/e2f1f8b8bd8ba310667138830b77f333.jpg)
この前の越後行きから江戸に戻ったあとに三津という妻を娶り、その後の越後行きの際にはこの妻と共に越後に向かったと記録にあります。ただその際に、先の越後行きのに現地に女を作っていたという事がわかり、妻は江戸に戻ったのでは、という推測がなされております。男というのはいつの時代も性がないものですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/45/09ec9874684a78d5fa64a2891fb7d337.jpg)
印は「六石居士」で、同一と思われる印は、本作品の前年1807年に書かれた「小景山水」という遺墨集に収録されている作品にも押されているようであり、印の「六石居士」はこの時期に使われた印と思われます。この絵の題名は「江山肅雨(しゅくう)」で、この遺墨集の作品よりさらに前年(1806年)に描かれた同題名の掛軸(構図は異なります)が当方の所蔵作品として本ブログに投稿されています。同じく印に同一印の「六石居士」が使用されています。なおこの作品も真作と判断していますが・・・。
江山肅雨 釧雲泉筆 文化3年(1806年)7月
水墨紙本緞子軸装 軸先竹製 合箱
全体サイズ:縦1980*横637 画サイズ:縦1305*横530
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/bb/f4f6d176f86e2f27dc194d1cfb8c97e9.jpg)
また本作品と同年である文化5年(1808年)に描かれた4幅対の作品のひとつに「寒江獨釣」という作品があります。ちなみにこの作品は同じく4幅対のひとつの「秋渓覚句」(落款は「六石居士」)とともに複数の模写?が存在するようで、当方にも2作品あります。この4幅の作品は「大正7年10月 東京美術倶楽部主宰 高田氏及び某家所蔵品入札作品」として掲載されています。いずれにしても真作の同図、同じ賛の作品があったのでしょう。
寒江獨釣 その2 伝釧雲泉筆 文化5年(1808年)5~6月
水墨淡彩紙本軸装 軸先 合箱
全体サイズ:縦1870*横565 画サイズ:縦1190*横420
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/62/2e16eb63f2109ed3396d77739ca0f41b.jpg)
「寒江獨釣」と「秋渓覚句」を対で展示した写真です。当方では鑑賞のために戊辰四幅のうち秋冬双幅仕立てとしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/6f/47c405a1e55fe2355e856fad26c21f4c.jpg)
なかなか見ごたえのある作品となっていますが、模写としておくのが無難でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/b5/bd97d573a7008a17c416d26019dcba89.jpg)
さて本日の作品ですが、表具の状態も良く保管状態のよい作品となっていますが、表具などは当時のままの可能性があります。
下記の作品は表具が痛んできておりましたが、古い表具を尊重して遺すことも考慮し、天地交換のみの処置にしておきました。
享和壬戌之 秋山水図 釧雲泉筆 享和2年(1802年)
紙本水墨軸装 軸先木製 誂箱
全体サイズ:縦2058*横655 画サイズ:縦1083*横548
*天地交換・上箱・紙タトウの誂えが必要
2021年12月:天地交換 10000円
上箱+多当紙新調 3000円
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/7c/64dabb0e6b4a0a7a61170c0703b35c84.jpg)
天地交換はとくに痛んだ天の部分が新しくなることで、掛け軸が巻きやすいくなります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/be/31951a2a72940f2d77be9db58e44c95e.jpg)
前述の「寒江獨釣」と「秋渓覚句」については模写が多く、真贋はあてになりませんが、他の作品は良さそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/72/3e512d07aa99f26b38762599d9980782.jpg)
さて本日の作品紹介は当方ではお手上げ状態に近い釧雲泉の作品です。
真贋の判断の難しい釧雲泉の作品ですが、遅まきながら少しずつ当方では判断がつくようになってきた? 南画においては巨匠でも今では数万円で入手できる画家の作品ですので、判断が可能ならいい作品を廉価で購入できるようになっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/ed/e2d220126703e6784ed068c1633d089c.jpg)
掛け軸を鑑賞する機会が大幅に減少した現代の状況では南画において金銭的にはこれからも評価は高くならないでしょう。興味があったら、あくまでも好きならば掛け軸の作品の購入のチャンスですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/57/b0d6fea7427080657c3a9b080863aa49.jpg)
戊辰桃月 浅絳山水図 釧雲泉筆 文化5年(1808年)
水墨淡彩紙本軸装 軸先木製 杉古合箱
全体サイズ:縦1200*横750 画サイズ:縦420*横620
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/ed/923ebebc05bafe7f36eaf4ca57506ae5.jpg)
落款の字体や印章、絵の出来・画風から雲泉の真筆であろうと判断していますが如何? 1806年に江戸から大窪詩仏と共に越後に出かけた時期で、恐らくその年の秋には新潟に到着したと思われます。その後ながらく北陸に居た頃に描いた作品と思われます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/95/d763eff7c17a1f2a084a468eec99c8c3.jpg)
文化8年(1811年)、53歳にて新潟県の出雲崎で客死し、出雲崎浄邦寺山に埋葬されていますので、描いた時期の区分としては文化時代の晩年の作とされます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/ea/5eebb9d6691867412925b97dbd3edaa4.jpg)
1806年中秋の落款の作品には新潟県三条市に於いて描かれたと記載があるなど、この頃には年期の記載のある作品が多くあるようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/a4/e2f1f8b8bd8ba310667138830b77f333.jpg)
この前の越後行きから江戸に戻ったあとに三津という妻を娶り、その後の越後行きの際にはこの妻と共に越後に向かったと記録にあります。ただその際に、先の越後行きのに現地に女を作っていたという事がわかり、妻は江戸に戻ったのでは、という推測がなされております。男というのはいつの時代も性がないものですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/fb/b6bd0d82c2d4481846f5326da1c36962.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/45/09ec9874684a78d5fa64a2891fb7d337.jpg)
印は「六石居士」で、同一と思われる印は、本作品の前年1807年に書かれた「小景山水」という遺墨集に収録されている作品にも押されているようであり、印の「六石居士」はこの時期に使われた印と思われます。この絵の題名は「江山肅雨(しゅくう)」で、この遺墨集の作品よりさらに前年(1806年)に描かれた同題名の掛軸(構図は異なります)が当方の所蔵作品として本ブログに投稿されています。同じく印に同一印の「六石居士」が使用されています。なおこの作品も真作と判断していますが・・・。
江山肅雨 釧雲泉筆 文化3年(1806年)7月
水墨紙本緞子軸装 軸先竹製 合箱
全体サイズ:縦1980*横637 画サイズ:縦1305*横530
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/95/c6b5cc4ecb72086bdccc0a67de4a0db4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/bb/f4f6d176f86e2f27dc194d1cfb8c97e9.jpg)
また本作品と同年である文化5年(1808年)に描かれた4幅対の作品のひとつに「寒江獨釣」という作品があります。ちなみにこの作品は同じく4幅対のひとつの「秋渓覚句」(落款は「六石居士」)とともに複数の模写?が存在するようで、当方にも2作品あります。この4幅の作品は「大正7年10月 東京美術倶楽部主宰 高田氏及び某家所蔵品入札作品」として掲載されています。いずれにしても真作の同図、同じ賛の作品があったのでしょう。
寒江獨釣 その2 伝釧雲泉筆 文化5年(1808年)5~6月
水墨淡彩紙本軸装 軸先 合箱
全体サイズ:縦1870*横565 画サイズ:縦1190*横420
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/49/b86679aac166331d117e1a8398dd10b9.jpg)
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「寒江獨釣」と「秋渓覚句」を対で展示した写真です。当方では鑑賞のために戊辰四幅のうち秋冬双幅仕立てとしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/6f/47c405a1e55fe2355e856fad26c21f4c.jpg)
なかなか見ごたえのある作品となっていますが、模写としておくのが無難でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/b5/bd97d573a7008a17c416d26019dcba89.jpg)
さて本日の作品ですが、表具の状態も良く保管状態のよい作品となっていますが、表具などは当時のままの可能性があります。
下記の作品は表具が痛んできておりましたが、古い表具を尊重して遺すことも考慮し、天地交換のみの処置にしておきました。
享和壬戌之 秋山水図 釧雲泉筆 享和2年(1802年)
紙本水墨軸装 軸先木製 誂箱
全体サイズ:縦2058*横655 画サイズ:縦1083*横548
*天地交換・上箱・紙タトウの誂えが必要
2021年12月:天地交換 10000円
上箱+多当紙新調 3000円
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/7c/64dabb0e6b4a0a7a61170c0703b35c84.jpg)
天地交換はとくに痛んだ天の部分が新しくなることで、掛け軸が巻きやすいくなります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/be/31951a2a72940f2d77be9db58e44c95e.jpg)
前述の「寒江獨釣」と「秋渓覚句」については模写が多く、真贋はあてになりませんが、他の作品は良さそうです。