夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

貴重な作品 源内焼 三彩唐草文手持付三連鉢 その2

2021-06-18 00:01:00 | 陶磁器
最近、家内が展示室に飾られた先日本ブログで紹介した源内焼の大きめの鉢を観ながら「源内焼は初めてみた頃はなんだこの焼き物は・・・と思ったけど、源内焼は見慣れてくるといいわね~。」とつぶやいていました。当方のつぶやきは「すでに100作品は超えているのに今さら・・」です。

源内焼は個人所蔵の作品が多く、一般公開される展覧会も少ないので、源内焼に関心のある方はなかなか増えないようですが、それでも徐々にファンが多くなるように思っています。



源内焼の作品の中でも本日紹介する「手持付三連鉢」という作品はもともと数が少なく、また胎土の柔らかい源内焼において複雑な形をしたこの「手持付三連鉢」は破損しやすく、保存状態の良い作品はさらに稀有だと思われます。



本日の作品はその「手持付三連鉢」の2作品目の紹介です。複数の図集などにも1作品ずつくらいしか紹介されておらず、本作品と同じ型の作品は掲載されていません。

源内焼 三彩唐草文手持付三連鉢 その2
幅274*奥行205*高さ138 誂箱



実用性なのか鑑賞用なのか、なぜこのような形の作品が生まれたのかは定かではありませんが、源内焼で2個の鉢が繋がった形状の手付の器はよくあり、また1個の器に小碗が付いた手付もよくあります。ただし、本作品のように2個の鉢の連鉢に小碗が付き、さらに手持ちの付いた作品は非常に珍しく、資料で確認できるものは一作品のみで、型の抜けのよい出来のよい作品はなかなかありません。



実際このような器を作ってみると解るのですが、非常に難しいものです。



実用性もあるのでしょうが、飾って置くための意図もあるのでしょう。



源内焼は型からの抜けがよい文様が命です。この文様が不鮮明であったり、擦れの多い作品は価値が殆どないと言っても過言ではありません。



多少の金繕いは源内焼では許容範囲といっていいでしょう。



どこか西洋の味わいのある文様、源内焼の真骨頂です。



本作品は随所にみられる「型からの抜け良い」文様です。



各々違う手持ち部分を含めて三連の鉢の文様。



実際に使ってみたくなる器でもあります。ただしこのような器を手持ちだけを持って使うのは礼儀違反です。必ず両手で扱い、片手で持ちながら、もう一方で片手で支えるのがマナーですね。



上の小さな鉢に薬味やソースやドレッシング、両側に食材など・・・。



さて以前に紹介した同型の作品は下記の作品です。

源内焼 その76 三彩唐草文手持付三連鉢 その1
幅287*奥行185*高さ125 合箱



どんどんいい状態の作品は数が少なくなっていますので、源内焼に興味にある方は廉価で入手できる今がチャンスかもしれません。



ただしネットオークションには、数多くある明治期に再興された出来の悪い源内焼や派生した三彩の他の窯の作品に惑わされないように気を付けましょう。また型の抜けの悪い作品、擦れの多い作品は価値が大幅に下がりますので入手しないほうがいいでしょう。



源内焼は製作期間が短いわりに思いのほか種類が多いように思います。



文様の違う同じような作品を並べてみると趣がありますね。



幾つかの種類を並べて展示しようかと思っています。




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