夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

お気に入りの作品 鉄絵白化粧山里図大皿 バーナード・リーチ作

2020-12-07 00:01:00 | 陶磁器
バーナードリーチは1909年(22歳の時)以来から13回来日しています。とくに制作が旺盛だったのは1953年から1954年にわたり日本に滞在した時で各地で作品を制作しています。

その概略は下記のとおりです。

1953年(66歳)
2月―米国を経て来日。上野松坂屋で個展。翌年まで日本に滞在する。
5月―布志名と湯町で制作。
7月―益子の濱田窯で制作。
8月―柳、濱田、河井寛次郎と信州に滞在し、琳派の研究を開始。
10月―九谷で制作。
11月―大阪で河井、濱田と三人展を開催。

1954年(67歳)
2月―柳と房州に滞在。
4月―河井、濱田と小鹿田を訪れ制作。神戸で河井、濱田と三人展、東京で富本憲吉を加えて四人展を開催。夏は松本に滞在する。
9月―三越で「滞日作品展」を開催
11月―英国帰国途中に、イスラエルの「バハイ教世界センター」を訪問。



本日紹介する作品は以前に紹介した作品ですが、当方では同図の作品が1954年に益子に製作している図録掲載の鉄釉の作品があり、その作品と同時期に益子で制作されていると推定している作品です。

鉄絵白化粧山里図大皿 バーナード・リーチ作
口径480*高台径*高さ90



この図柄の作品は数多く遺っています。



代表的な作品の例は上述の益子で製作された下記の作品です。

1997年 バーナードリーチ展 図録より
鉄絵山里図大皿
口径415*高さ105



本作品「鉄絵白化粧山里図大皿」と同図で同時期に製作されて作品と推定されますが、「鉄絵山里図大皿」のほうが少し小さ目です。



他にも同図を描いた作品は数多くあります。

鉄絵色差山水文陶板(日本民藝館蔵) セント・アイヴス 1952年 幅9.9cm 



上記作品はイギリスのセント・アイヴスで制作されてもののようです。よくわかりませんが、セント・アイヴスで制作された作品には印がセント・アイヴス印とBL印の両方、日本で制作された作品にはBL印のみが押印されているのでしょうか?

九谷で再作された作品にも同図の作品があります。

色絵山水文角皿 (日本民芸館蔵) 1954年(九谷?富本憲吉?)



こちらは日本で制作された作品でしょう。



上下の口縁にあるのは太陽と月・・?? 明末の赤絵のような感じですね。



高台の作行など大皿の作りはいいようです。胎土は白いので小鹿田焼とは違うでしょう。



当方には小鹿田にて製作された感のある作品もあります。

白化粧彫絵山猫文大皿 バーナードリーチ作
口径445*高台径*高さ75



*後ろは「妙悟界(釈迦三尊像) 伝棟方志功画」(紙本彩色額装 誂布タトウ+黄袋 全体サイズ:縦660*横540 作品サイズ:縦455*横340)の作品です。



珍しく掻き絵になっています。



表にはBL銘もあります。



見込みに太陽か月か??



釉薬は小鹿田焼? この作品は小鹿田で制作されたものに相違ないでしょう。



胎土は黒っぽく、大きさは「鉄絵白化粧山里図大皿」より少し小さめです。



釉薬は勢いよく掛けられています。



轆轤成型はバーナードリーチ自身がやったかどうかは不明ですが、造りをみると同じですので自分で制作したのでしょう。



両作品の印銘は「BL印」のみです。刻印での真贋の判断はなかなか判断は難しいでしょうね。

 

どこに飾るにしても大皿は重宝します。




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