
天井の改装を終えた廊下の展示です。

その一角に本日紹介する作品を展示しています。

子供の頃から縁のあった木村武山の作品ですので、ちょっと良さそうな作品があるとついつい入手していくことになります・・。

日蓮上人之図 木村武山筆
絹本水墨金彩 誂タトウ+黄袋
額サイズ:縦928*横594 画サイズ:縦605*横415

軸装ではなく額の作品となります。どうも日蓮上人を描いた作品のようです。

日蓮上人の説明をしだすときりがない・・・、簡単な概略は下記のとおり。
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日蓮(にちれん):承久4年(1222年)2月16日~弘安5年(1282年)10月13日
鎌倉時代の仏教の僧。鎌倉仏教のひとつである日蓮宗(法華宗)の宗祖。
鎌倉での宗教活動を理由に、得宗北条時宗によって佐渡に流罪にされる。流罪を赦免後、胃腸系の病により入滅。滅後に皇室から日蓮大菩薩(後光厳天皇、1358年)と立正大師(大正天皇、1922年)の諡号を追贈された。日蓮聖人や日蓮大聖人等と敬称される。
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度重なる苦難を乗り切った人物・・。

どんな弾圧にも屈せず、権力者に迎合することなく、最後まで民衆の側に身を置いた日蓮は日本の宗教史上、稀な人物であったとされます。

日蓮宗では「南無妙法蓮華経」を繰り返し唱えることを最も重要な修行・信仰だとしています。曹洞宗や臨済宗に関連する主著でも、法華経の内容が多く引用されており、仏教界にも多大な影響を与えている経典です。
日蓮は、この法華経の教えを独自に解釈し、飢えや争乱で苦しむ人々を救うため、各地で説法を繰り返しています。伊豆や佐渡に島流しされていますし、まさに処刑されようとする直前に不思議なことが起こり刑が中止となったという伝説も伝わっています。

本作品では日蓮上人が左向きに描かれ、手には「三鈷杵」を携えています。
五鈷杵:チベット仏教や日本の真言宗、天台宗、禅宗などで用いられる金剛杵と言われる法具の一種で、煩悩を滅するために使われる両側が五つに分かれた宗教用具のことです。両側の鉾の部分が一つの場合には独鈷杵、三つの場合には三鈷杵と言います。本作品は三鈷杵のようです。

本作品の落款と印章は下記の写真のとおりです。

本作品には右向きの作品(下記写真)もあるようです。こちらの作品では宝珠を持っている作品です。

対で入手できなかったのはちょっと残絵かな?