夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

瀧登鯉 石井百畝筆 その1

2018-04-09 00:01:00 | 掛け軸
成長してきた息子の頭・・、いえサイズですが、新たなヘルメットは新幹線「はやぶさ」。五月の連休の帰省は「はやぶさ」にて盛岡経由での帰路の予定。息子は「はやぶさ」の乗車するのを楽しみにしています。



端午の節句にむけて展示室の飾りを準備していますが、鯉、鐘馗様がメインになるのでしょう。

鯉の作品の中でまだ本ブログで紹介していない作品がいくつかありますが、下記の作品もそのひとつです。わが郷里の画家ですが、もはや地元でも忘れ去られた画家と言えるのでしょう。

瀧登鯉 石井百畝筆
絹本着色軸装箱入 
全体サイズ:横642*縦2025 画サイズ:横517*縦1291



描かれた画題や構図は多くの画家が描いているものと変わりありませんが、よく描かれています。胡粉の名手と言われていたのがよく解る作品ですね。

 

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石井百畝:明治36年2月16日生まれ、昭和18年10月2日没。秋田県能代市出身。比内町扇田で死去。本名岩太郎、晩年の号は柏峰。父母とともに20歳から扇田の市川に住み独学で画筆をふるった。花鳥、山水、仏画と画域が広く、扇田、大館市、鷹巣町、二ツ井町などに多くの作品が残っている。



胡粉の使用がうまく、福田豊四郎に比肩しうるものと評価されている。



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よく見かける鯉の滝登りの構図の作品ですが、よく見かける構図の作品こそ、良い作品、地元に縁のある作品という飾る意義のある作品を見出すことが良いでしょう。



端午の節句には鯉の滝登り、鐘馗様という作品のひとつやふたつは手元に欲しいものです。



本作品は地元新聞で出版された「北秋(北秋田)の画家」の画集に掲載されています。晩年の作と思われ「柏峰」の号が使われています。



残存している石井百畝の佳作のひとつと言えるのでしょう。秋田出身の画家の中で忘れ去られた画家の中で、藤盛江岸、舘岡栗山とともに再評価されるべき画家の一人といえるのでしょう。



ほかに「雪中帰家之図」という作品があると小生のリストに記録がありますが、さてどこにしまったかな?

今までに扱った掛け軸は優に1000作品を超え、陶磁器、漆器もそれと同数くらいありますが、そのほぼ全数がどこに収納されているかは覚えています。「どこにしまったかな?」とは記述していますが、だいたい見当はついています。作品がどこに収納されているか解らないようでは蒐集する者として失格です。きちんとして整理場所を持つことが必要です。

 

本作品は箱書き(書家の友人によるもの)、栞は小生が作ったものです。後世のものがよくわかるようにしておくことも必要です。

掛け軸などで大家の作品に夢中になると真贋の森を彷徨うことになりかねません。大枚をはたいていいなら信頼できる骨董店で購入すればいいでしょうが、それよりも地元の画家の作品を蒐集することをお勧めします。マイナーが画家にはまず贋作はありませんので、地元の画家の佳作を中心に蒐集するのが掛け軸の一番良い楽しみ方だと思います。




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