夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

忘れ去られた画家 朝陽 田中以知庵筆

2020-03-20 00:01:00 | 掛け軸
整理していた食器棚から下記の作品を見つけました。本ブログでおなじみの同郷の画家であり、父母と友人のように付き合っていた福田豊四郎氏の描いた薔薇を原画にした中皿です。

薔薇絵皿
汚れあり 誂箱
口径162*高台径98*高さ18



原画は落款から昭和40年前後の最晩年の作と推定されます。



虹のターミナル 新宿ステーションビルデイング:1964年(昭和39年)にオープン。山手線、中央線、総武線、西武線、地下鉄、小田急、京王線-新宿ステーションビルは、七つの線が集まる「虹のターミナル」と称され、北原健二、舟木一夫らの歌謡曲も出されています。絵皿としては「虹のターミナル 新宿ステーションビルデイング」と裏面に記された作品は桂ゆきの猫の絵皿が存在しています。



この皿はどこかの骨董市で買いだしてきた記憶があります。普段台所で石鹸置きに使っていたので多少汚れがあります

さて本日は本ブログでおなじみの田中以知庵の作品の紹介です。とはいえ田中以知庵の作品はひさかたぶりの投稿のように思います。



*手前は古備前の壺です。

忘れ去られた画家 朝陽 田中以知庵筆
紙本着色軸装 軸先象牙 共箱二重箱
全体サイズ:縦1820*横905 画サイズ:縦615*横725



横大幅の作品ですね。

  

本作品と関連するのは田中以知庵が描いた昭和15年の文展で高い評価を得た大作「淨光」の風景画のようです。この作品は墨色を基調とした山肌を重厚な筆使いで表現し、稜線に現れたばかりの太陽とその柔らかな日差しのみに淡い色を使っていて、見るものに静謐な感動を与えてくれる作品です。



本作品は「淨光」と同じく、平原の池塘群での日の出を描いた作品です。朝陽の激しいまでの色合いが印象的です。



どこの池塘群でしょうか? 昭和21年に号を以知庵と改めていますので、昭和15年に描かれた「淨光」よりかなり後の作品でしょう。



昭和23年には第4回日展に「冬の陽」という作品が出品されています。

  

大幅で立派な共箱二重箱に収められています。展覧会か個展に出品された作品であることをうかがえます。

本ブログには田中以知庵の下記の作品らを紹介しています。興味のある方は検索してみてください。

雨蛙之図 田中以知庵筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1020*横380 画サイズ:縦255*横230



閑日 田中以知庵筆 その5
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 共箱
全体サイズ:縦1690*横450 画サイズ:縦800*横300



露朝 田中以知庵筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1500*横630 画サイズ:縦470*横480



水郷図 田中以知庵筆
紙本淡彩軸装軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1260*横530 画サイズ:縦330*横400



この他にも作品がありますが、田中以知庵の作品には心温まる作品が多いですね。それほど著名な画家ではなく「忘れ去られた画家」として本ブログでは紹介しましたが、田中以知庵のファンは意外に多いのではないでしょうか?



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