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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

氏素性の解らぬ作品 猫 伝藤田嗣治筆

2021-05-28 00:01:00 | 日本画
「美術品の購入金額は30万円を目途にする。」という記事を最近読みましたが、本日の作品は購入金額は25万円ほどです。あまり安いといい加減な判断で購入することが多くなり、ガラクタばかりになる傾向があり、あまり高いと資金的に苦境になるということからのようです。どちらも耳の痛い話です。この作品がその値段で高いか安いかは別として、「なにはともあれ、えいや」と購入した作品です。



氏素性の解らぬ作品 猫 伝藤田嗣治筆
M10号(小) 紙本水墨淡彩額装 共板内蔵額装 黄袋+タトウ
額サイズ:縦695*横545 作品サイズ:縦490*横335 東郷青児鑑定シール



猫の絵は藤田嗣治の真骨頂の画題ですが、水彩画とはいえ3匹を表現豊かに描いた作品は見どころが満杯のようですね。



藤田嗣治の描く独特の猫の表情があり、あっという間に描いた作品でしょう。



その筆致と水墨の使い方のうまさは他の追随を許さぬうまさがあります。



額の裏には共板が内蔵されており、元々は掛け軸であったように推察されます。



その共板も貴重です。

 

東郷青児の鑑定シール付きです。

 

タトウも古そうですが、いまにも壊れそうな塗の木製の保管箱です。



藤田嗣治は贋作が多くのですが、「猫」を描いた真作が「なんでも鑑定団」に出品されていました。

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参考作品
デッサン 猫
なんでも鑑定団出品作
2020年3月24日放送



鑑定人 杉本清一氏講評:凄く内容の良い作品。猫はフジタにとって分身のような、とても重要なモチーフ。この構図は何パターンかあり、描き慣れた構図であり、おそらくものの数分で描いている。墨の濃淡だけで毛色を描ききっているところなど、フジタらしい速い筆遣いで、いかにデッサン力に長けていたかが十分伝わってくる。

評価金額:400万円

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我が家には古くから下記の作品を所蔵しています。平野政吉旧蔵というkとですが、当方の友人であった故平野庫太郎氏の本家は平野家であり、縁は作品を通していろいろと繋がるものです。

提灯と虫 藤田嗣治筆
紙本水墨淡彩 唐文様額装
色彩サイズ 東郷青児鑑定 平野政吉旧蔵(平野政吉は藤田嗣治の後援者)



こちらは藤田嗣治が秋田市に在住の頃の作と推定され、入手経緯から間違いなく支援者であった平野政吉旧蔵の作品です。



ちなみにこちらの作品は真作に相違なしと判断しています。

 

この作品にも本日の作品と同じく東郷青児の鑑定シール(下記写真:左)があります。本作品のシール(下記写真:右)と比べてみました。シールの凸部も同じようです。

 

比べるとよくわかりますね。

ただし本日の作品の入手の判断は、資料を比べてから入手に踏み切ったのではなく、この作品の作風からのジャッジです。いろんなことを当初から頭に叩き込んでおいてから判断するのが骨董蒐集の醍醐味です。資料を脇に抱えて、「印章が違う。」、「落款が違う。」と言うのは愚の骨頂であり、美術品の入手には多少のリスクが伴うのが常ですが、贋作を恐れるあまり躊躇している御仁にはいい作品の蒐集は無理だと思っています。



他には当方には下記の作品を所蔵しています。これも筆致から直感で入手した作品です。

エビと魚図 藤田嗣治筆
紙本水墨額装
全画サイズ:縦265*横195



贋作がごろごろしており、なかなか入手できない藤田嗣治の真作・・・、これらは直感での入手。さてはたして真贋は如何・・・??


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