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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

豌花小禽図 平福百穂筆 明治末頃

2020-05-08 00:01:00 | 掛け軸
テレビドラマの「70才、初めて産みますセブンティウイザン。」ほどではありませんが、当方は還暦を過ぎてからの初めての息子です。老化する人間に対して、すさまじい勢いで成長しく人間はまぶしくて、なおかつたくましいものです。

時が経つのは早く、今年小学校に入学した息子ですが、入学式のみであとは休校・・、在宅勤務の小生を放っておくはずもなく遊びの相手をせがまれています。そこで押し入れのプラレールなどの玩具をひっぱりだしてきて「一緒に遊ぼう!」、どうせなら「こちらも楽しんでやれ!」と覚悟を決めて食堂中に街をつくりました。



やがて息子が「ヘリポートが欲しい!」と言い出して、ヘリコプターの発着場所を作ると今度は「パトカーが入るところがない!」と言い出し、さらに「たくさんパトカーの入るやつ」と要求・・。よく聞いてみると「ヘリポート付の警察署」を作って欲しかったらしい。

ちょうど骨董の作品が届いた段ボールで要望通りのものを作ると、「ヘリコプターの運転手はどうやって屋上から降りるの?」ということになり、タラップを作る羽目になりました。「お~い、串の棒を持ってこい、それと爪楊枝!!」と息子とワイワイ・・。

またたくまに半日が潰れます。子供の体力と好奇心は実に旺盛です。次から次への要求をこなすと息子は「パパは天才だね!!」だと・・・。これを見て息子も自らいろいろなことを考えるようになっていくようです。

さすがに疲れた~、ところがさらにこの遊びは続き、この日のうちにレールは延長され食堂から居間まで広がることになります。最後は体力と根負けし、子どもは一人で遊んでします。さすがに小生の息子、遊び好きは遺伝らしい。



さて本日は若い頃に平福百穂が描いた作品の紹介です。門下の島田柏樹の鑑定箱ですが、島田柏樹もまだ若い頃の鑑定箱書のようです。いつもながら平福百穂のこのような作品において真贋の判断は非常に難しいですね。

豌花小禽図 平福百穂筆 明治末頃
紙本水墨着色 軸先象牙 島田柏樹鑑定箱
全体サイズ:横483*縦1465 画サイズ:横352*横463

 

本作品は落款の書体から明治年間の作と推定されます。ひと目見た感じは「贋作?」というイメージですが、よく見ていくに従い若い頃の作品と判断しました。

  

島田柏樹:日本画家。東京生。平福百穂の門人。花鳥画を能くする。帝展・文展・日展入選。昭和33年(1958)歿、66才。



描かれている小禽はおそらく雀でしょう。当方の所蔵作品である「梅花二雀」は最晩年の昭和年間の作であり、描かれている「雀」を比較すると面白いですね。

梅花ニ雀 平福百穂筆 昭和5年(1930年)頃
絖本水墨淡彩 共箱二重箱 軸先本象牙
小畑家(小畑勇二郎:元秋田県知事旧蔵)
全体サイズ:縦2270*横498 画サイズ:縦1328*横361



やはり晩年に描かれた「雀」はうまい・・・。省筆で描かれた「雀」は竹内栖鳳の「雀」の劣らないものがあります。



なおこの作品は共箱ですが、共箱の印章と本作品の印章が同一の印章と判断されます。平福百穂の印章は多くあり、贋作も精巧な印章もあり、さらには工芸品も紛らわしい印章の作品があり、最終的な真贋の判断は素人には無理がありますね。

 

描いている花は鑑定の題に「豌花」とあり、エンドウの花でしょう。

豌:えんどう マメ科の二年草。ヨーロッパ原産。茎は高さ1~3メートルほどに伸び、先端に巻きひげのある羽状複葉を互生。花は腋生(えきせい)で、赤紫色または白色の蝶形花。豆果は長楕円体で数個の種子がある。蜜豆に入れるアカエンドウやサヤエンドウ・グリーンピースなど、いくつかの系統がある。野良豆。 [季] 夏。



我が郷里の画家、ますます勉強の余地がありそうです。

PS.「おもちゃを片づけろ! 多すぎるぞ!!」という小生に対して、息子曰く「パパのおもちゃはたくさんあるね~」



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