夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

改装完了 松下瀧鯉登り図 大幅 蓑虫山人筆 その14(整理番号) 

2018-03-28 00:01:00 | 掛け軸
箱のない陶磁器は毀れないように保管のために新規に箱を誂えますが、箱だけを製作してもらい、真田紐は自前で気に入ったものを使います。



ひとつひとつ調べた内容にて資料を作成し、添付資料として箱に同封します。最終的に箱の中身がひと目で解るように写真を外側に貼っておきます。そうすることで、整理棚からいちいち箱を開けて中身を確認する必要をなくしておきます。ひとつに作品を整理するのにひと月かかることもあります。



傷んだ部分のある掛け軸は修理に出します。費用がかかりますので陶磁器も掛け軸も漆器も修理する価値や必要性を吟味した作品ばかりとなります。



さて本日の作品もまた修理した作品で、昨年12月に郷里の骨董店より購入し、痛みがひどいためこのたび改装が完了した作品です。箱、タトウも新調しております。

改装完了 松下瀧鯉登り図 大幅 蓑虫山人筆  その14(整理番号)
紙本淡彩軸装 合箱 
全体サイズ:横1095*縦2218 画サイズ:横952*縦1760



改装する前は掛けるのもやっとの状態でした。どうやって保存していたのでしょうか? 箱のない状態では掛け軸は長持ちしません。これは額装でも同じですね。



作品を維持していくことも骨董蒐集する者の務めでしょう。

西郷隆盛を入水自殺から救ったという逸話にある蓑虫山人、NHKの日曜日美術館でも取りあげられl進行者から絶賛された画家、そして我が郷里とゆかりの深い人物・・、出来の良い作品は遺していくべき作品だと考えております。



ただ蒐集したら陶磁器は箱に収納したまま、掛け軸は箪笥や押し入れに押し込めておくことばかりでは骨董蒐集する素養は皆無と言わざる得ませんね。



ところで大きな掛け軸はとくに扱いには注意が必要です。箱も大きいので蓋を開けるときにも両手で慎重に行います。扱ったことのある方は解ると思いますが、大きな掛け軸ほど扱いは慎重にしないとよれたり、シワができたり、落としたりというトラブルになります。改装に大枚をはたいて、一瞬で無駄になりかねません。

本日の作品は蓑虫山人の作品の中でもとくに大作で、出来も良い作品です。



掛け軸を巻くときには原則は床に置いて巻きます。床に掛け軸を扱うスペースのない骨董店はそれ自体で失格です。骨董店の掛け軸の扱い方ひとつで氏素性が解るものです。立ったままで掛け軸を広げるなど無下に扱う骨董店は、価値を金額に重点を置く金の亡者が多いようですので、近寄らないほうがいいでしょう。東京本郷にある骨董店などはその最たるもので、きちんとした骨董店と付き合うことがいいでしょう。ともかく店の中に掛け軸を広げるスペースのないお店は出入りしないことです。


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