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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

花 色紙 水彩 林武筆 その2

2024-09-20 00:01:00 | 日本画
雨などもあり、縁側のガラスの汚れも目立ってきたの先週の3連休でガラス拭き・・・、ともかく暑かったのでちょっと大変でした。



茶室前の縁側のガラスを拭いて、床にワックスがけしました。年に数回はこのような手入れをすることが肝要・・・。



3連休の最後は敬老の日ということもあり、簡単にですが3時のお茶会となりました。



さて本日の作品の紹介です。

林武は大正末期から画家として活動を始め、戦後には原色を多用し絵具を盛り上げた手法で女性や花、風景などを描き人気を得た画家です。


人気の画家ですが、1953年に風景に題材を求めて十和田に滞在し、「十和田湖」の5点の連作を描いており、当方の郷里とは縁のある画家でもあります。



花 色紙 水彩 林武筆 その2
色紙 タトウ
額サイズ:横405:縦482 画サイズ:横242*縦272



林武は、女性画が巧い作家として有名です。とくに坂上星女をモデルにした作品が有名ですが、モデルの坂上の経歴等は判明していないようです。



戦後の1940年代後半から60年代にかけて、少女像、十和田湖、浅間山、富士山などの風景画によって一時代を劃した画家です。


 
人気ゆえに入手が難しいのですが、本作品のように花を描いた色紙程度の作品は手頃なお値段で入手可能のようです。



本作品は構図を徹底的に突き詰めた林らしい絶妙なバランス感があります。それから色彩、背景はシックな和紙のような素材に対して花は、スケッチ跡の鉛筆に湿潤下筆で白、朱色、黄色、紫色の配色。この極端な対比によって花の生命力がより強調され、画家の気迫や執念が感じとれます。
 


林武は時代ごとに作風が全く違うようです。花瓶や背景のグレーは非常にマットな色を置き、花の形態も計算されていて、右側は筆を置いていますが、左側の花は筆を滑らせて抑揚をつけています。一方で林の大きな特徴は補色。この頃の作品はまだ完成しきっていないようですが、例えば黄色と紫は真逆の色とされていて、真ん中に黄色の花を置いて、右の白い花のところと上部に紫をあえて置くことで、生命感を描こうと試みているようです。

作品中のサインと印章は下記の写真のとおりです。



額装を新たにして、展示室に展示しています。



林武は絵を本当に愛するがゆえに、絵を捨てようとまで思い詰め、絵具や筆などいっさいを捨ててしまいます。道具一切を捨てたときには、幻覚を見たり幻聴を聞いたりしていたようで、自分がどうかしてしまったと思ったようです。

*タトウ類も誂えておきました。


苦労をかけた妻・幹子を林武は本当に心の底から愛していたそうで、亡くなるまで女神とまで崇めていたようです。実際には幹子は武が画家になるために自分が苦労することは何とも思っていなかったようで、林武は日本一の画家になると信じていたそうです。もちろん幹子をモデルにした作品も遺しているのは言うまでもありません。

















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