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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

南京赤絵 花籠文盤 「雅」銘入

2013-10-30 05:15:47 | 陶磁器
トルコの海峡トンネルの開通は快挙といえます。難工事に携わった方々に敬意を表します。ものをつくる人間は難関と思える仕事に挑戦し続けなくていけません。

小生も大型ドームやワールドカップスタジアム、楽天球場、ビルの新しい解体工法などの技術開発に関与しましたが、難しい仕事をやり遂げた喜びは何にも変えがたいものがあります。

難しいことに新しいやり方で挑戦するには思いのほか抵抗勢力というものがあります。ものをつくる技術的な面よりもっと面倒な調整局面が生まれます。生みの苦しみというものです。

今も商社で新しいことに挑もうとすると思いもかけない抵抗勢力に驚きます。これは長年にわたって染み付いた錆のようなものです。錆を落とそうという努力がないと前には進めないものです。

この抵抗勢力に背を向けてはいけません。この抵抗勢力をいかに納得させるかが成否の鍵だからです。抵抗勢力の意見が正しければこちらが修正しなくてはいけませんし、努力と覚悟を決めなくてはいけません。そういう経緯を経てメンバーのモチベーションが高まるのです。トップのカリスマ性やトップダウンのみでは新しいこと、難工事は成し遂げられません。

さて本日は古いもの・・、錆ついたもの・・・。

南京赤絵 花籠文盤 「雅」銘入
 合箱
口径170*高台径104*高さ32



高台内は車輪高台(高台内を削った鉋の跡が残っている状態)です。



二重の円内に「雅」という珍しい銘が入っています。



宋時代(赤絵)ということで売っていましたが、これは明末から清朝のかけての南京赤絵と思われます。根拠は高台の砂付高台と車輪高台に二点です。



虫喰いと呼ばれる釉薬の剥がれはあるかないかは金繕いによって補修された部分があり、確認できません。赤絵は丁寧に描かれています。



彩色が剥がれているのは当時の製品にはよくある現象ですが、残念ながらちょっとかなり剥がれている度合いがひどく花籠の紋様がはっきりしませんね。



雑器として作られた要素が強いので、ゆがみもあります。



揃いで二十客や三十客をまとめて作られたようで、重ねて運搬したりして色絵が剥がれたかもしれません?? 実際に使っていたのでしょうね。色絵も摺れて落ちかけているのが見方をかえると渋くていい感じになっています




こういうものを美しいと思うのは今では新しいことなのです。




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