鈴木松年は上村松園の最初の師としても知られていますが、上村松園は父親ほども歳の差のある妻子もちの師、鈴木松年と恋仲になり、最初の子どもを身ごもったことはあまり知られていません。人知れず、生まれた子どもは女の子で、すぐに里子に出さましたが流行の病で早世しています。このときの松園の嘆き、苦しみ、後悔はいかばかりであったでしょうか。鈴木松年に内緒で子どもを生み、そして亡くした松園は、新たに師をみつけ入門しますが、ことごとく罵倒され居心地は悪く死ぬほどつらかったようで、入水しかけますが亡き女の子の泣き声で思いとどまったそうです。
鈴木松年とまたよりが戻り、長男松篁(しょうこう)を出産しました。上村松園は未婚の母の道を選び、世間の冷たい視線に耐えながら育て上げ、松篁も長じて日本画家になり文化勲章を受章しています。上村松園の生涯はすごいですね、今の女性は少し見習ったほうがいいようです。
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