goo blog サービス終了のお知らせ 

腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

バイオハザード コード:ベロニカ完全版(DC)

2008年11月07日 01時55分52秒 | ドリームキャストゲーム感想文
順調に見えてちょっと危うい感じで作品を重ねてきた、
比類なきホラーゲーム「バイオハザード」シリーズ。
その4作目にして、初のPS以外でのタイトル。
だがこの作品は、大いにユーザーに迷惑をかけたタイトルでもあった。
つってももう一般的には忘れられてる気がするが……俺は忘れられない。

「コード:ベロニカはDC以外に移植しません」。

カプコンはハッキリとこう宣言した。
今も毎日GKが涙目になったり妊娠が死亡したりしてるゲーム業界では、
昔から「コアなハードファン」が多く存在していた。
いや、セガハードが健在であった当時は、寧ろ今よりずっとハード、
要するにセガハードをこよなく愛する層が厚かったと思う
(ただし、今ほど口汚く罵り合っていたとは思わん)。
そんな層を意識したのかしないのか、カプコンのこの宣言。
当時まだまだブランドタイトルであったバイオの最新作を
セガ渾身のハード・DCに持ってくるだけでも嬉しいのに、
独占タイトルの約束までしてくれた。
そりゃもう、拍手喝采だったよ。
え? PSを持つ従来のファン? 知るかそんなもん。
……俺は当時まだDC持っていなかったが、サターン好きだったので、
心情的にはやっぱセガを贔屓していたのである。あくまで当時、ね。

なのに、1年後。
『「コード:ベロニカ完全版」をDCとPS2で発売します』
ズコー。
そりゃないよ。
まぁ、嘘は吐いていないのである。
PS2にも出す事になったのは、あくまで「完全版」。
無印、悪意を込めて言えば「不完全版」のDC独占は破っていない。
だからカプコンは何ら批難されることはない。
そう言いたいのだろう。知らんけど。

当然ながら、この発表はセガファンだけでなく、ゲームファンの
怒りと失望を大いに買うことになった。
1年後に完全版を出すだけでも腹立たしいのに、
普通に考えて約束破棄としか思えないPS2との同時発売。
さすがにカプコンも雑誌で謝罪めいたコメントを出していた。
また、DC版の値段をPS2版より1000円下げることで、
一応の誠意を見せていた。知らんけど。
ちなみに後にGCにも移植されたけど、
その時はもう誰も何も言ってなったのは少々寂しかった。


とまぁ、盛大に迷走したベロニカだが、
数年後、カプコンは「4」でこれを上回る一大迷走劇を
見せてくれることになる。
ったく、ベロニカの時に懲りてろってんだ……。


で、そんな迷走タイトル・ベロニカだが、
まず何と言っても難しい。間違いなくシリーズで一番難しい。
一気にラジコン操作シリーズをやり切ったら、それが顕著に実感できた。

その一方で、面白い。
雰囲気・物語性・ボリュームなど、シリーズ随一だと思う。
特にボリュームの大きさがこれまた顕著で、かなり遣り甲斐がある。
ラジコン操作の最終作(多分)は「0」になるが、
シリーズ集大成は間違いなくベロニカである。


とにかく難しい。
敵は多く、そのエリアの敵を倒しても、次に通ると復活する場面が多い。
もちろん弾薬・回復薬は不足気味になり、ますますゲームが難しくなる。
しかしそれより明らかなのが、謎解きの難しさ。
3までは概ね「誰でも解ける」レベルの謎解きばかりだったと思うが、
今作では謎でハマリに陥った人はかなり多いと思う。
単純に難しいと言うより、一つのイベントアイテムを入手するのに
複数の部品アイテムが必要なことが多く、要するに煩雑なのだ。
よってアイテムの管理もまた難しく、ウロウロとボックスを行き来
しているとまた敵と戦うことになり、ますます苦しくなる。
今作では持ち物を多く持てるようになるサイドバッグが
かなり早く入手できるが、あれは救済策でも何でもなかった。必須なのだ。
いやはや、なかなかやってくれる。
バイオ2辺りからベロニカやった人は、その落差に驚かされることになるだろうな。

でもまぁ、前述のように、その難しさが見事に面白さに繋がっている。
マンネリを感じたプレーヤーに緊張感を持たせるには適切な難度と
言えるかもしれない。
あと、プレーヤーキャラの体力も多目に設定されていると思う。
ゾンビに噛まれた程度ではそう簡単に死なない。
なんだかんだで、見事なバランスなのかもしれない。

ただ、個人的にどうしても納得できないのが、
終盤のボス・感染スティーブだ。
たった2撃で殺されるという脅威の攻撃力を持ち、
しかも移動速度も超速く、更に攻撃範囲は超広く、
一度武器を振られたらまずかわすことは不可能。
そして何より酷いのが、倒せないということだ。
つまり不死ボスなのである。
一定地点まで逃げることでイベントが発生し、シーンクリアとなる。

でも、これはないだろう。

普通、不死ボスは「倒せない」ことをプレーヤーに理解させるよう、
しばらく攻撃をしなかったり、攻撃が通じないことを示すエフェクトが
表示されるといった配慮があるものだ。
その上でプレーヤーは「ああ、コイツは倒せないんだな」と理解し、
別の手段を考えるようになる。或いは、敗北で物語が進む。
しかし感染スティーブにはそういう配慮は一切無い。
戦闘開始後、一瞬で近寄ってきて、体力半分減らされる。
反撃しても通じず、次の攻撃で殺される。
2度3度挑んでも、恐らく同じことになるだろう。
更に厄介なのが、コイツ、倒す事はできないけど、
上手く攻撃を与えると、「怯む」ポーズは取るのだ。
ゲーム的にはその間に逃げるのが正解だが、
こんなポーズを取られたら、プレーヤーは「倒せるんだ」と
思うに決まっているだろう。何考えてるんだ。

結局、コイツは回復アイテムを多目に用意し、
攻撃を食らったらすぐ回復しつつ逃げるのが一番の攻略法となる。
タイミングよく攻撃して怯ませれば無傷で抜けることも可能だが、
操作ミスの可能性を考えれば余計なことはしない方がいい。

「難しい」は大いに結構だが、「理不尽」は我慢できん。
いつもゲームについて思ってることだが、ベロニカでは
この感染スティーブだけは理不尽で仕方なかった。
数年前の初プレー時だが、どうしても倒し方が分からず、
結局攻略サイトを頼ってしまった。あの時は一気にやる気が萎えた。
嫌な思い出である。




物語面は、何ら進行しなかった3とは比べ物にならないくらい熱い。
今作の敵となるアシュフォード兄妹はどっちもタイプの違う狂人。
今回はキチガイの恐怖を描こうとしたのだろうか。別に怖くはなかったが。

主人公はクリス・クレアのこちらも兄妹。元々クレアはクリスを探して
戦いに身を投じたわけで、やっと目的を達成できたと言える。
つーか、今作では特殊工作員も真っ青の逃走劇を繰り広げてくれるよ。
もちろん本編での活躍も凄まじい。彼女は19歳の女子大生。
はぁ。
クリスもきちんとクレアを救出し、ラスボスも倒すので威厳はあるが、
クレアが一般人として凄すぎるのでちょっと霞んでる気がしないでもない。

そしてクリスの宿敵・ウェスカーが復活登場。
1で死んだはずなのに、何か超スゲーウイルスを投与してて助かったらしい。
それ使うと人間を超えた身体能力を獲得できて、尚且つ精神もまともでいられるらしい。
ふざけんな。
そんな便利なもんがあるなら、TもGもベロニカも要らんだろうが。
もう少し設定を考えてくれと言いたくなる。
クリスvsウェスカーのムービー対決は見所あるが、
さすがに相手が反則使ってるので、まともな勝負にならないのは仕方ないか。
コイツはキャラが立ってる悪役だから、続編でも活躍があるだろうな。

今作のゲストキャラ、スティーブ。
不完全版ではかのレオナルド・ディカプリオに似すぎてたので、
完全版では髪型にかなり修正が入ってた。
だったら最初からあんな露骨なことすんなっての。
唯一のゲストキャラだが、使用する期間はごく短い。
更にクレアに対してビンビンに欲情しやがるので、
プレーヤーとしては気に入らないキャラである。
まぁクレアは全く相手にしていないのが幸いか。
ちなみにクレアはクリス兄さん大好きで、抱きつくシーンはあるし、
ED後の一枚絵では腕組んで街を歩くシーンすらある。
素晴らしい。これからも仲良くやって下さい。
スティーブザマミロ。
前述のように非常に理不尽なボスキャラになることも好感度を下げている。
死体をウェスカーが回収したとわざわざ説明されるので、
続編で再登場することは恐らく間違いない。
そこまでシリーズが続けば、だけどな。

ちなみに今作で一番悲惨なのは、何も悪いことしてないのに
悪の象徴みたいなイメージを植えつけられた
アシュフォード家初代当主・ベロニカさんだと思う。
寧ろ名門家を興した立派な人だったのに。
今作で悪いのは、あくまでアレクシアら子孫な。
尤も、あの兄妹はベロニカのクローンらしいが。
そういやなんで数百年前の人間のDNAが残ってたんだ?
またもや考え無しの設定か。


物語としては、アンブレラの半壊滅だろうか。
ウィリアムが死に、アレクシアも死に、ウェスカーは裏切った。
もう人材がロクにいないことが分かる。
4の導入部でアンブレラ壊滅が語られているが、
その兆候を見せたのがベロニカだった。
本来ならクリスらの活躍で壊滅させる作品も作りたかったのだろうが、
そこは思い切ってバッサリ切り、4に繋げたのだろう。
なんにせよ、4が楽しみだ。


システムは普通のラジコンバイオ。
5作も一気に駆け抜けたが、とうとうラジコン操作には慣れませんでした。
俺はゲームが下手である。感覚が掴めない。
あと今作は画面が異様に暗く、オブジェクトの認識が今まで以上に大変だった。
演出として暗くしてるのは分かるが、いくらなんでも暗すぎると思った。

ああそうそう、今作の大きな特徴として、フルポリゴンがある。
「一枚絵の中をポリキャラが動く」をずっと貫いてきたバイオシリーズが、
ベロニカで初めて、背景をもポリゴンで描いたのだ。
ドリームキャストの偉大な性能があってこその変化である。
これは格上のGC版ですらやってないことであり、ラジコンバイオでは唯一だ。
もちろん成果もちゃんと出ており、今までなら絵を変えるしかなかった
画面の切り替えが、カメラを追う形で出来るようになっていた。
これにより「おっ」と思えるシーンが幾つかあった。
まぁ今見れば大したことではないが、当時はそこそこ画期的だったと思う。
さすがドリームキャスト。と言っておきたい。

システムはいいのだが、かなり困惑したのが操作法。
何故かPSのそれとボタン配置を変えてあり、操作ミスが多発した。
一応コンフィグはあるが、3パターンの固定で、自由には決められない。
なんでこんな重要なとこでこんな不親切なんだ?
ゲームの完成度からは考えられない不出来さだった。
……この欠点はPS2版では直ってんだろうなぁ。チッ。



難しかったけど、再プレーだったんで何とかなった。
3ではマンネリを感じたが、ベロニカは基本は何も変わらないものの
面白さとボリュームで見事にシリーズを一旦締めくくった。
見事な作品だと思う。
ハードのゴタゴタと感染スティーブ、あと操作性さえ違っていればなぁ。
例によって今や虚しき。

ベロニカの正当ハード・DCでプレーしたことは誇りに思う(アホ)。
PS2版とかやる奴はバイオファンじゃない。ただの出川。
チッ、過去ゲーやるとたまにワルだった頃に戻っちまうぜ。
あん頃は良かったなぁ。ホントよかった。


てぇわけで、次はいよいよ現段階での最新作・4だ。
所持していないので、Wii版を購入する。
三上氏の血の味がするくらい面白いと期待している。
バイオハザー道、あと少しだ。




拍手を送る



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バイオハザード3  LAST ESCAPE | トップ | ミステリートPORTABLE 八十... »

コメントを投稿

ドリームキャストゲーム感想文」カテゴリの最新記事