まず、何度も言うが、セット版のみサントラ付きという売り方が許せない。
絶対許せない。
クラニンアンケート及びスクエニアンケート両方にネチネチネチネチ書いておいたが、
果たして営業に伝わることはあるんだろうか。
あんな売り方を平気でする連中が聞き耳を持ってるわけないかな……。
ふぅ。で、ゲームについて。
前作「チョコボと魔法の絵本」から丁度2年。
前作は大きく値崩れを起こしたものの、内容は高い評価を受けていた。
俺もDS購入と同時に入手し(値崩れしていた)、大いに楽しませてもらった。
「DSの機能を使ったミニゲーム集」。
企画としては非常に安易で、誰でも考えつくものだと思う。
だが、出来上がったミニゲームの数々は、決して誰でも作れるものではなかった。
DSを活かす多彩なアイデアと、絶妙な難度のバランス。
正直、スクエニがこんなに楽しいゲームを作れるとは予想外だった。
幾つかのミニゲームには本当に癖になる面白さがあり、
クリア後もたまにソフトを起動してプレーしていた。
……ちなみに、そんな珠玉のミニゲーム集の中に、
もうどうしようもないほど糞なものが一つだけ入っている。
「マジックポットのツボ」だ。
詳細は書かんが、なんで他と比べてあそこまで酷いものが
一つだけ入っていたのか不思議でならない。
開発室を通りかかった偉いサンが思い付きで喋ったアイデアを
無理矢理ぶち込んだかのようだ。ありゃ一体何だったんだろう。
まいいか。過去のことだ(?)。
で、新作「チョコボと魔法の絵本 魔女と少女と5人の勇者」である。
俺がこのゲームをやるのは、ほぼミニゲームが目当てだからである。
前作のミニゲームが良作揃いだったことは、プレーした人なら分かるだろう。
あの楽しさよもう一度、が今作への俺の期待である。
で、その期待は……甘めに言って、半分だけ満たされたてとこかな。
うーん。
明らかにおかしいと思うのが、前作からの使い回しミニゲームが多すぎることだ。
まぁ、何本かは流用があると事前に予想していた。
思った通り使い回しゲームが登場した時は「やっぱりな」とニヤリとしたものだ。
しかしゲームを進めていくと、どんどん見た事あるミニゲームが増える。
クリア直前には「おいおいおい!」と叫びたくなるほどだった。
そりゃ、前作からの流用だから、つまらないわけではない。
だがこれはどうなのか。幾らなんでも手抜きではないのか。
前作とのセット版まで売っているのだから、尚更である。
単純に手抜きなのか、新作のアイデアが出なかったのかは分からんが、
俺が新作に期待したのはこんなものではなかった。
それに加え、今作で追加された新ミニゲーム(それが当然なのだと思うが)が、
個人的には質が前作より劣っていると思う。
前作並の質を持つミニゲームを新たに作るのは大変だとは
思うが、にしても……うーん。
まぁ酷い出来でもないので、必ずしも期待外れではない。
しかし質が前作に及ばないのなら、せめて使い回しを控え、新作を多く用意してもらいたかった。
結局、手抜きの方向性だったのかなぁと思わざるを得ない。
ちなみに、プレー開始前に自分ルール
「ミニゲームに出会ったら、プラチナ獲得まで先に進めてはいけない」
を設定した。
今作のミニゲームは、得点によってシルバー、ゴールド、プラチナの評価が出る。
ゲームを進めるだけならシルバーでいいのだが、
それ以上の評価を得れば追加でアイテム等が貰える。何より自尊心が満たされる。
前作でも全てのミニゲームでゴールド(前作での最高評価)を
獲得したし、今回もその気だった。
そしたら、やっぱり大変だった。
概ね誰でも時間かければやれるレベルの難度だし、実際やれたんだが、
ずーっとそれ一本をやっていると、手詰まりを感じて気分転換したくなることが多かった。
だが集中してやれば好結果が出やすいのも事実。よって、頑張りました。
別に プラチナ=究極 ではないが、取り敢えず製作者の
挑戦を受けて立ったとは言えると思う。満足である。
前作と変わらず、絶妙な難度調整は見事だった。
最初は「プラチナなんぞ絶対無理!」と思うが、何回もやってれば、可能になる。
それも大抵、数十分程度だ。さして時間はかからないし、苦痛でもない。
壁と挑戦心を同時に感じられる、見事な調整ぶりであった。
あと、多くのミニゲームに言えるのが、運の要素が非常に大きいこと。
ゲームに用意される条件にランダム性のあるものが多く、
その結果如何によって難度はガラリと変わる。
運良く楽な配置に当たれば、プラチナも楽に取れる。
そして運が悪ければ、プラチナはほぼ不可能なレベルにもなる。
俺は普段、こういうランダム性に強く左右される難度は嫌う傾向がある。
基本的にゲームは理路整然と、実力で解きたいと思っている。
だがこのゲームにおいては、それを感じない。
寧ろこのランダム性をもゲームの面白さとして受け入れられている。
それは、このゲームが、あくまで気楽なミニゲーム集だからであろう。
決してガチで挑む極悪アクションゲームではない。
もちろんそういうガチゲームもありだし、俺は大好きだが、
このゲームはそうではないのだ。気楽に、のほほんと楽しむべきなのだ。
まぁ全プラチナを目指すとなると気楽気楽とも言ってられないが、
たまには機械の機嫌に振り回される難しさも悪くない。
ゲーム、だもんな。
ただ、プラチナ獲得の褒美が全てプラチナコイン一個ってのはガッカリした。
こんなのそんなに使わないし、もう少し役に立つ物をくれてもいいのに。
ゲームは基本ミニゲームを中心に進むが、要所要所のボス戦では
「プルバックデュエル」という別ルールのミニゲームをすることになる。
前作でのボス戦用ゲーム「ポップアップデュエル」も用意されているが、
こちらはシナリオとは無関係の独立したゲームになっている。
で、ポップアップデュエルはよく考えられて良質カードゲームだが、
プルバックデュエルは、それに比べるとイマイチである。
さほど思考もテクニックも要らず、
コインで技を強化していれば、殆どの戦いで楽勝できる。
また、爽快感があまりない。
もっとこう、ガツンとぶつかる感じを表現してほしかった。
プルバックデュエルの難度は低いと書いたが、何故かゲーム序盤、
絵本の1巻においてだけは妙に難しい。
どう考えても終盤に置くべき難しさだと思う。うーむ。
あと、絵本3巻、ラグナロクでのバトルは非常につまらない。
ラスボス戦があっさりし過ぎているのには拍子抜けした。
全体的に、プルバックデュエルは調整不足と言うしかない。
ポップアップデュエルはwi-fi対戦が出来るので、
これからチョコチョコやっていこうと思う。
このモードは「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮DS」とも
対戦できるのが最大の売りだ。相手に困る事はないと思う。
まぁのんびりやっていこう。
物語。
前作もそうだったが、今作でもかなり凝っている。
「絵本」を題材に現実を絡め、適度に重く、しかしハッピーエンド。
ゲームの世界設定に合った展開が楽しめる。
絵本が舞台ということでグラフィックが大事なのだが、
これも非常に世界にマッチしている。見事だ。
最後の纏め方も上手かったと思う。
寧ろFFシリーズよりもいいかも知れない。
あまり風呂敷を広げず、狭いフィールドで
描かれた世界だからなのかもしれないな。
絵本なのにクリア後に全部読み返すことが出来ないのは大いに不満。
せっかく丁寧に作ってあるのに、
なんで出来るようにしなかったのか理解に苦しむ。
絵本の色んな場所にアイテムが隠されているのも不要だと思った。
あんなの探しても誰も楽しいとは思わないだろう。
音楽。これは最高と言っていいかもしれない。
基本はFFシリーズから選んだ曲のアレンジで、オリジナルもある。
そのどちらも質が上々で、文句なしだ。
……特典のサントラ、欲しかったなぁ。
ボス戦で「ビッグブリッヂの死闘」「J-E-N-O-V-A」
といった熱い曲が流れれば、盛り上がること必至である。
ただ、ここも前作からの使い回しは多い。
頻繁に聴くアイテムゲットのテーマ(FFの戦闘勝利のテーマ)
くらいは作り直してほしかった。
キャラクター。
チョコボやシロマやシドなど前作と共通するキャラが多いが、
世界は繋がっておらず、まぁパラレルワールドってやつだと思う。
優しい世界設定に外れず、キャラもほのぼのとしたタッチで描かれていて
少なくとも嫌われるキャラは一人もいないと思う。
特に主人公・チョコボの「可愛さ」の描写には相当神経を使っているようで、
絵柄も泣き声も、極めてキュートである。
ヒロイン・シロマもなかなかの萌えキャラだ。
声は平野綾で、アヤスタイルもバッチリだ。
ちなみに、FFは「3」の時点で導師(白魔道士の上級職)に
猫耳を装着した、猫耳萌えの偉大なる始祖であると俺は認識している。
3の発売は90年だぞ? 今から19年前だぞ?
先見の明があり過ぎて怖い。
そもそも初代の時点で、白魔道士だけは明らかに女っぽかった。
初代はキャラの性別はハッキリ表現されていなかったが、
セーラ姫の台詞や他職の外見を考えると、明らかに男である。
そんな中、一種異様な白魔道士。女装男子とか?
先見の明あり過ぎである。知らんけど。
そんなこんなで、期待通りとはいかなかったが
期待外れでもなく、無難に熱く気楽にプレーする事ができたのであった。
で、クリア後、2ちゃんのスレを覗いてみると……
初週売り上げ:約8000本
な、何と言う……酷い、酷すぎる。
正確な数字ではないだろうが、それにしても少なすぎる。
前作は値崩れしたが、ゲームの評判はとても良かった。
だからこそ、俺のような即買い組も多くいると思っていたのに……。
それとも、前作と同じく今作も値崩れすると読んでいる人が多いのだろうか?
残念ながらその読みは当たっており、昨日ソフマップに行ったら、
見事にワゴンで2980円になっていた。
そのうちもう1000円は落ちると思われる。
はぁ……。
俺の評価は芳しくないが、それは前作を絡めての話であり、
今作が初挑戦なら、最高のミニゲーム集と言えるはずだ。
世界設定も親しみやすく、敬遠する要素はあまりないと思う。
なんでこんなに売れないんだろう。
売り方には怒ったが、売れない方がいいと思っていたわけではない。
一ファンとして、このゲームが市場に全く受け入れて貰えなかった
ことは非常に残念である……。
思うに、チョコボが間違いなんじゃないかなぁ。
スクエニはどうしてもチョコボを癒しキャラとして売りたいようだが、
俺にはそもそもそこが間違っているように思うのだ。
確かにこのシリーズのチョコボは、実に可愛く描かれていると思う。
でもそういう市場にアピールするには力不足であることは間違いない。
例えば、チョコボのキャラグッズがあったとして、買う人がいるか?
幾らFFシリーズで知名度があるとは言え、チョコボはそこまでのキャラではないのだ。
ディズニーやポケモン等、この手の市場は萌え市場より遥かに難しいと思う。
なのにスクエニは執拗に、チョコボを売ろうとしている。
もしかすると初代「チョコボと不思議なダンジョン」の
100万本が未だに忘れられないのだろうか?
あれはゲームの出来やチョコボのキャラより、
スクエニ&PSバブルの賜物だと思うがなぁ。
このシリーズに限らず、PS時代からチョコボゲームは
それなりに出ている。が、芳しい成功はどれも収めていないと思う。
そろそろチョコボというキャラを見限ってはどうだろうか。
別に貶しているわけではない。主役を張るキャラではないと言っているのだ。
こんな売り上げじゃ、癒しキャラどころか俺が慰めたくなってしまう。
それじゃあまりにも惨めというものであろう……。
なんだかしんみりしてしまった。
不満は述べたが、貶したくなるほど酷いゲームではない。
流用は多いが、作りは丁寧だ。製作者の愛は篭っていると思う。
売れなかったことがつくづく残念だ。
ゲームが祝福される時期、年末商戦に発売され、
昨年末に俺が購入した唯一の新作ソフトだったのになぁ。
はぁ。
超人気シリーズ恒例の有名キャラであっても、独立して成功するとは限らない。
今はゲームバブルなんて完全に崩壊してるし、
そもそも名のあるシリーズだから売れるという法則すら成り立ち難い。
チョコボの名が足枷にはなっていないが、売りにもなっていなかったのだろう。
「内容が良ければ口コミで売れる」という事例も確かにあるが、
内容が良くても埋もれていくゲームもまた幾らでもある。
残念ながら、このシリーズはまさに後者になってしまったようだ。
これだけ売れなかったんだから、これ以上の続編はもう望めないだろう。
特性がDSに特化してるから、Wiiでの新作も期待できない。
さよならチョコボ、になるのかなぁ。
まぁスクエニが懲りずにまた作ってくれることを願っておこう。
Wiiリモコンを活用したWii版を個人的には期待する。
DSより遥かに作るのが難しいと思うが……。
「きゅぴぃ?」
絵本の中のチョコボは可愛いらしく首を傾げた。
しかし現実は、この上なく非情なのであった。
拍手を送る
絶対許せない。
クラニンアンケート及びスクエニアンケート両方にネチネチネチネチ書いておいたが、
果たして営業に伝わることはあるんだろうか。
あんな売り方を平気でする連中が聞き耳を持ってるわけないかな……。
ふぅ。で、ゲームについて。
前作「チョコボと魔法の絵本」から丁度2年。
前作は大きく値崩れを起こしたものの、内容は高い評価を受けていた。
俺もDS購入と同時に入手し(値崩れしていた)、大いに楽しませてもらった。
「DSの機能を使ったミニゲーム集」。
企画としては非常に安易で、誰でも考えつくものだと思う。
だが、出来上がったミニゲームの数々は、決して誰でも作れるものではなかった。
DSを活かす多彩なアイデアと、絶妙な難度のバランス。
正直、スクエニがこんなに楽しいゲームを作れるとは予想外だった。
幾つかのミニゲームには本当に癖になる面白さがあり、
クリア後もたまにソフトを起動してプレーしていた。
……ちなみに、そんな珠玉のミニゲーム集の中に、
もうどうしようもないほど糞なものが一つだけ入っている。
「マジックポットのツボ」だ。
詳細は書かんが、なんで他と比べてあそこまで酷いものが
一つだけ入っていたのか不思議でならない。
開発室を通りかかった偉いサンが思い付きで喋ったアイデアを
無理矢理ぶち込んだかのようだ。ありゃ一体何だったんだろう。
まいいか。過去のことだ(?)。
で、新作「チョコボと魔法の絵本 魔女と少女と5人の勇者」である。
俺がこのゲームをやるのは、ほぼミニゲームが目当てだからである。
前作のミニゲームが良作揃いだったことは、プレーした人なら分かるだろう。
あの楽しさよもう一度、が今作への俺の期待である。
で、その期待は……甘めに言って、半分だけ満たされたてとこかな。
うーん。
明らかにおかしいと思うのが、前作からの使い回しミニゲームが多すぎることだ。
まぁ、何本かは流用があると事前に予想していた。
思った通り使い回しゲームが登場した時は「やっぱりな」とニヤリとしたものだ。
しかしゲームを進めていくと、どんどん見た事あるミニゲームが増える。
クリア直前には「おいおいおい!」と叫びたくなるほどだった。
そりゃ、前作からの流用だから、つまらないわけではない。
だがこれはどうなのか。幾らなんでも手抜きではないのか。
前作とのセット版まで売っているのだから、尚更である。
単純に手抜きなのか、新作のアイデアが出なかったのかは分からんが、
俺が新作に期待したのはこんなものではなかった。
それに加え、今作で追加された新ミニゲーム(それが当然なのだと思うが)が、
個人的には質が前作より劣っていると思う。
前作並の質を持つミニゲームを新たに作るのは大変だとは
思うが、にしても……うーん。
まぁ酷い出来でもないので、必ずしも期待外れではない。
しかし質が前作に及ばないのなら、せめて使い回しを控え、新作を多く用意してもらいたかった。
結局、手抜きの方向性だったのかなぁと思わざるを得ない。
ちなみに、プレー開始前に自分ルール
「ミニゲームに出会ったら、プラチナ獲得まで先に進めてはいけない」
を設定した。
今作のミニゲームは、得点によってシルバー、ゴールド、プラチナの評価が出る。
ゲームを進めるだけならシルバーでいいのだが、
それ以上の評価を得れば追加でアイテム等が貰える。何より自尊心が満たされる。
前作でも全てのミニゲームでゴールド(前作での最高評価)を
獲得したし、今回もその気だった。
そしたら、やっぱり大変だった。
概ね誰でも時間かければやれるレベルの難度だし、実際やれたんだが、
ずーっとそれ一本をやっていると、手詰まりを感じて気分転換したくなることが多かった。
だが集中してやれば好結果が出やすいのも事実。よって、頑張りました。
別に プラチナ=究極 ではないが、取り敢えず製作者の
挑戦を受けて立ったとは言えると思う。満足である。
前作と変わらず、絶妙な難度調整は見事だった。
最初は「プラチナなんぞ絶対無理!」と思うが、何回もやってれば、可能になる。
それも大抵、数十分程度だ。さして時間はかからないし、苦痛でもない。
壁と挑戦心を同時に感じられる、見事な調整ぶりであった。
あと、多くのミニゲームに言えるのが、運の要素が非常に大きいこと。
ゲームに用意される条件にランダム性のあるものが多く、
その結果如何によって難度はガラリと変わる。
運良く楽な配置に当たれば、プラチナも楽に取れる。
そして運が悪ければ、プラチナはほぼ不可能なレベルにもなる。
俺は普段、こういうランダム性に強く左右される難度は嫌う傾向がある。
基本的にゲームは理路整然と、実力で解きたいと思っている。
だがこのゲームにおいては、それを感じない。
寧ろこのランダム性をもゲームの面白さとして受け入れられている。
それは、このゲームが、あくまで気楽なミニゲーム集だからであろう。
決してガチで挑む極悪アクションゲームではない。
もちろんそういうガチゲームもありだし、俺は大好きだが、
このゲームはそうではないのだ。気楽に、のほほんと楽しむべきなのだ。
まぁ全プラチナを目指すとなると気楽気楽とも言ってられないが、
たまには機械の機嫌に振り回される難しさも悪くない。
ゲーム、だもんな。
ただ、プラチナ獲得の褒美が全てプラチナコイン一個ってのはガッカリした。
こんなのそんなに使わないし、もう少し役に立つ物をくれてもいいのに。
ゲームは基本ミニゲームを中心に進むが、要所要所のボス戦では
「プルバックデュエル」という別ルールのミニゲームをすることになる。
前作でのボス戦用ゲーム「ポップアップデュエル」も用意されているが、
こちらはシナリオとは無関係の独立したゲームになっている。
で、ポップアップデュエルはよく考えられて良質カードゲームだが、
プルバックデュエルは、それに比べるとイマイチである。
さほど思考もテクニックも要らず、
コインで技を強化していれば、殆どの戦いで楽勝できる。
また、爽快感があまりない。
もっとこう、ガツンとぶつかる感じを表現してほしかった。
プルバックデュエルの難度は低いと書いたが、何故かゲーム序盤、
絵本の1巻においてだけは妙に難しい。
どう考えても終盤に置くべき難しさだと思う。うーむ。
あと、絵本3巻、ラグナロクでのバトルは非常につまらない。
ラスボス戦があっさりし過ぎているのには拍子抜けした。
全体的に、プルバックデュエルは調整不足と言うしかない。
ポップアップデュエルはwi-fi対戦が出来るので、
これからチョコチョコやっていこうと思う。
このモードは「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮DS」とも
対戦できるのが最大の売りだ。相手に困る事はないと思う。
まぁのんびりやっていこう。
物語。
前作もそうだったが、今作でもかなり凝っている。
「絵本」を題材に現実を絡め、適度に重く、しかしハッピーエンド。
ゲームの世界設定に合った展開が楽しめる。
絵本が舞台ということでグラフィックが大事なのだが、
これも非常に世界にマッチしている。見事だ。
最後の纏め方も上手かったと思う。
寧ろFFシリーズよりもいいかも知れない。
あまり風呂敷を広げず、狭いフィールドで
描かれた世界だからなのかもしれないな。
絵本なのにクリア後に全部読み返すことが出来ないのは大いに不満。
せっかく丁寧に作ってあるのに、
なんで出来るようにしなかったのか理解に苦しむ。
絵本の色んな場所にアイテムが隠されているのも不要だと思った。
あんなの探しても誰も楽しいとは思わないだろう。
音楽。これは最高と言っていいかもしれない。
基本はFFシリーズから選んだ曲のアレンジで、オリジナルもある。
そのどちらも質が上々で、文句なしだ。
……特典のサントラ、欲しかったなぁ。
ボス戦で「ビッグブリッヂの死闘」「J-E-N-O-V-A」
といった熱い曲が流れれば、盛り上がること必至である。
ただ、ここも前作からの使い回しは多い。
頻繁に聴くアイテムゲットのテーマ(FFの戦闘勝利のテーマ)
くらいは作り直してほしかった。
キャラクター。
チョコボやシロマやシドなど前作と共通するキャラが多いが、
世界は繋がっておらず、まぁパラレルワールドってやつだと思う。
優しい世界設定に外れず、キャラもほのぼのとしたタッチで描かれていて
少なくとも嫌われるキャラは一人もいないと思う。
特に主人公・チョコボの「可愛さ」の描写には相当神経を使っているようで、
絵柄も泣き声も、極めてキュートである。
ヒロイン・シロマもなかなかの萌えキャラだ。
声は平野綾で、アヤスタイルもバッチリだ。
ちなみに、FFは「3」の時点で導師(白魔道士の上級職)に
猫耳を装着した、猫耳萌えの偉大なる始祖であると俺は認識している。
3の発売は90年だぞ? 今から19年前だぞ?
先見の明があり過ぎて怖い。
そもそも初代の時点で、白魔道士だけは明らかに女っぽかった。
初代はキャラの性別はハッキリ表現されていなかったが、
セーラ姫の台詞や他職の外見を考えると、明らかに男である。
そんな中、一種異様な白魔道士。女装男子とか?
先見の明あり過ぎである。知らんけど。
そんなこんなで、期待通りとはいかなかったが
期待外れでもなく、無難に熱く気楽にプレーする事ができたのであった。
で、クリア後、2ちゃんのスレを覗いてみると……
初週売り上げ:約8000本
な、何と言う……酷い、酷すぎる。
正確な数字ではないだろうが、それにしても少なすぎる。
前作は値崩れしたが、ゲームの評判はとても良かった。
だからこそ、俺のような即買い組も多くいると思っていたのに……。
それとも、前作と同じく今作も値崩れすると読んでいる人が多いのだろうか?
残念ながらその読みは当たっており、昨日ソフマップに行ったら、
見事にワゴンで2980円になっていた。
そのうちもう1000円は落ちると思われる。
はぁ……。
俺の評価は芳しくないが、それは前作を絡めての話であり、
今作が初挑戦なら、最高のミニゲーム集と言えるはずだ。
世界設定も親しみやすく、敬遠する要素はあまりないと思う。
なんでこんなに売れないんだろう。
売り方には怒ったが、売れない方がいいと思っていたわけではない。
一ファンとして、このゲームが市場に全く受け入れて貰えなかった
ことは非常に残念である……。
思うに、チョコボが間違いなんじゃないかなぁ。
スクエニはどうしてもチョコボを癒しキャラとして売りたいようだが、
俺にはそもそもそこが間違っているように思うのだ。
確かにこのシリーズのチョコボは、実に可愛く描かれていると思う。
でもそういう市場にアピールするには力不足であることは間違いない。
例えば、チョコボのキャラグッズがあったとして、買う人がいるか?
幾らFFシリーズで知名度があるとは言え、チョコボはそこまでのキャラではないのだ。
ディズニーやポケモン等、この手の市場は萌え市場より遥かに難しいと思う。
なのにスクエニは執拗に、チョコボを売ろうとしている。
もしかすると初代「チョコボと不思議なダンジョン」の
100万本が未だに忘れられないのだろうか?
あれはゲームの出来やチョコボのキャラより、
スクエニ&PSバブルの賜物だと思うがなぁ。
このシリーズに限らず、PS時代からチョコボゲームは
それなりに出ている。が、芳しい成功はどれも収めていないと思う。
そろそろチョコボというキャラを見限ってはどうだろうか。
別に貶しているわけではない。主役を張るキャラではないと言っているのだ。
こんな売り上げじゃ、癒しキャラどころか俺が慰めたくなってしまう。
それじゃあまりにも惨めというものであろう……。
なんだかしんみりしてしまった。
不満は述べたが、貶したくなるほど酷いゲームではない。
流用は多いが、作りは丁寧だ。製作者の愛は篭っていると思う。
売れなかったことがつくづく残念だ。
ゲームが祝福される時期、年末商戦に発売され、
昨年末に俺が購入した唯一の新作ソフトだったのになぁ。
はぁ。
超人気シリーズ恒例の有名キャラであっても、独立して成功するとは限らない。
今はゲームバブルなんて完全に崩壊してるし、
そもそも名のあるシリーズだから売れるという法則すら成り立ち難い。
チョコボの名が足枷にはなっていないが、売りにもなっていなかったのだろう。
「内容が良ければ口コミで売れる」という事例も確かにあるが、
内容が良くても埋もれていくゲームもまた幾らでもある。
残念ながら、このシリーズはまさに後者になってしまったようだ。
これだけ売れなかったんだから、これ以上の続編はもう望めないだろう。
特性がDSに特化してるから、Wiiでの新作も期待できない。
さよならチョコボ、になるのかなぁ。
まぁスクエニが懲りずにまた作ってくれることを願っておこう。
Wiiリモコンを活用したWii版を個人的には期待する。
DSより遥かに作るのが難しいと思うが……。
「きゅぴぃ?」
絵本の中のチョコボは可愛いらしく首を傾げた。
しかし現実は、この上なく非情なのであった。
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