今週の酒処、押上文庫は6月30、7月1日は通常通り17時より24時まで営業いたします。
昼間の押上猫庫も通常通り13時から16時まで営業いたします。
東京都墨田区押上3-10-9
03-3617-7471
よろしくお願いいたします。
先日の萩焼の器十客揃えの続きもかねて。
末田さんの酒器は基本の形が決まっているので何回かの個展で10客揃えたものです。
いろんな作家さんに伺っても酒器揃えの注文は受けたことが無いようです。
10客入るための共箱も作って頂きました。
酒席にはやはり皆同じ酒器で飲むのが良いと思います。
お茶席の5客それプラス1客の6客、
後は10客単位などが望ましいと思います。
近代骨董の影響か1客1客のほうが高く売れるので
例えば古志野、織部、唐津などの酒器(昔は珍味入れ、向付としてつくられたもの)
が5客ずつ集められて箱に入っていたものがばらばらにされてしまいました。
ある作家さんも食器として揃えを作ったはずなのに
バラバラにされて鉢として箱書きを頼んでくると嘆いておりました。
骨董、お茶の世界では食器の類、数揃いは評価が低いのですが
お茶席、酒席でちゃんと皆同じ物が使える数揃いの物の評価はもっと高くなるべきです。
自分たち提供する者たちが評価を高め提案すべきだと思います。
末田さんの器は硬質なボディを持っております。
上の風の森、三光正宗のような硬めの質感を持ったお酒に合います。
しかしまだ形がお酒の質に合っていないので
お酒と器を作る人たちの間に入って提案することが
自分たち提供する人間の役目だと思っております。
よく最近は食べ物とお酒のマリアージュ(意味は結婚)
と言いますが、
まずはお酒と器のマリアージュというものが大切ではないかと思います。
(器の形、質感によって味は変わります。)
お気に入りの盃
13代坂田泥華造 萩酒吞
萩焼と言っても萩市内で焼かれている
松本萩と長門湯本で焼かれている深川焼
(昔の箱書きを見てみると松本焼、深川焼となっている物が多いです。)
がありますが、
有名作家さん窯元の多い松本萩よりも
長門湯本でやっておられる
坂倉新兵衛、坂田泥華、田原陶兵衛の3つの窯作品の方が好みです。
土の造りも目の前の川の水車で目を細かくしており
作品も非常に引き締まった感じがします。
古い器が魅力的なのは
このような土の仕事をきちんとしてあったからではないかと
思います。