前回のエントリーでご紹介したコラム(こちら)は、郷原信郎氏(桐蔭横浜大学法科大学院教授)が書かれたものである。検事経験者でもある。
氏が指摘している問題点は、
1、 組織内の人間はこの制度はダメだと言えない
2、 市民感覚の判断が必ずしも妥当でない事件が対象になっている
3、 制度の広報に毎年16億円費やされている
4、 「就業予定期間」の的確な予測は至難の技
と、おおむねこの4点かなとみた。同感である。
最後に氏も、「裁判員の守秘義務と裁判報道制約の問題などもある」と指摘されていたが、私が裁判員制度の勉強会でビデオを見たり、裁判を傍聴したりして、いちばん問題じゃないかと思っていることは、
「裁判員の守秘義務」と、強制的に審理に参加させられ死刑か無期かという職業裁判官にすら堪え難い「心理的重圧」、このふたつを課せられる一国民の心理状態に対して、いったいどうケアするのだろうかということである。
重圧に耐えきれなくなっても、誰にもしゃべってはいけないのだ、ブログに書いたりするのは御法度。それも生涯にわたって。
守秘義務が課せられるのは、「評議」と呼ばれる裁判員と裁判官が一緒に被告人が有罪か無罪かどのような刑かを議論し決定する場での事柄である。ひとの命に関わる重大な決断をせまられ、心が苦しくなったとき、
たとえばもっと時間がほしいのにもう言えない雰囲気だった、
ほんとうはこう言いたかったけれど、他の裁判員がみな違う意見で言えなかった
など、心を開くためにカウンセラーにさえしゃべってはいけないことになってしまう。
裁判員制度は、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ定めると法の第1条の規定されている。
司法に対する理解の増進と信頼の向上のために、なぜこのような苦しみを強制的に受けねばならないのか。国民が望んでいることなのか?私は望んだ覚えは無い。
そして、正当な理由の無い裁判員候補者の不出頭等には10万円以下の過料が処せられ(法第112条)、守秘義務違反には6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる(法第108条)。
この法律を予定通り施行しなかった場合、どのような不具合があるのか、教えてほしい。「法律で定められているから」だけが理由ならば、その法律を凍結する法案を提出して延期してほしい。始まって混乱することがわかっているのなら。
裁判員制度の勉強会で、裁判所で配っているクリアーファイル、ボールペン、紙袋、
ムダボの棚卸し俎上にぜひ乗せてください。ほんとうに必要かどうか。
裁判員制度については、今後も書いていきます。
氏が指摘している問題点は、
1、 組織内の人間はこの制度はダメだと言えない
2、 市民感覚の判断が必ずしも妥当でない事件が対象になっている
3、 制度の広報に毎年16億円費やされている
4、 「就業予定期間」の的確な予測は至難の技
と、おおむねこの4点かなとみた。同感である。
最後に氏も、「裁判員の守秘義務と裁判報道制約の問題などもある」と指摘されていたが、私が裁判員制度の勉強会でビデオを見たり、裁判を傍聴したりして、いちばん問題じゃないかと思っていることは、
「裁判員の守秘義務」と、強制的に審理に参加させられ死刑か無期かという職業裁判官にすら堪え難い「心理的重圧」、このふたつを課せられる一国民の心理状態に対して、いったいどうケアするのだろうかということである。
重圧に耐えきれなくなっても、誰にもしゃべってはいけないのだ、ブログに書いたりするのは御法度。それも生涯にわたって。
守秘義務が課せられるのは、「評議」と呼ばれる裁判員と裁判官が一緒に被告人が有罪か無罪かどのような刑かを議論し決定する場での事柄である。ひとの命に関わる重大な決断をせまられ、心が苦しくなったとき、
たとえばもっと時間がほしいのにもう言えない雰囲気だった、
ほんとうはこう言いたかったけれど、他の裁判員がみな違う意見で言えなかった
など、心を開くためにカウンセラーにさえしゃべってはいけないことになってしまう。
裁判員制度は、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ定めると法の第1条の規定されている。
司法に対する理解の増進と信頼の向上のために、なぜこのような苦しみを強制的に受けねばならないのか。国民が望んでいることなのか?私は望んだ覚えは無い。
そして、正当な理由の無い裁判員候補者の不出頭等には10万円以下の過料が処せられ(法第112条)、守秘義務違反には6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる(法第108条)。
この法律を予定通り施行しなかった場合、どのような不具合があるのか、教えてほしい。「法律で定められているから」だけが理由ならば、その法律を凍結する法案を提出して延期してほしい。始まって混乱することがわかっているのなら。
裁判員制度の勉強会で、裁判所で配っているクリアーファイル、ボールペン、紙袋、
ムダボの棚卸し俎上にぜひ乗せてください。ほんとうに必要かどうか。
裁判員制度については、今後も書いていきます。