ohanaブログ

地方自治、趣味の音楽やジョギング、そして日々感じるあれこれを思いつくままに綴っています。

裁判員制度について2 ~ 誰が裁判員の心のケアをするのか?

2008-08-23 12:10:47 | 裁判員制度
前回のエントリーでご紹介したコラム(こちら)は、郷原信郎氏(桐蔭横浜大学法科大学院教授)が書かれたものである。検事経験者でもある。
氏が指摘している問題点は、

1、 組織内の人間はこの制度はダメだと言えない
2、 市民感覚の判断が必ずしも妥当でない事件が対象になっている
3、 制度の広報に毎年16億円費やされている
4、 「就業予定期間」の的確な予測は至難の技

と、おおむねこの4点かなとみた。同感である。

最後に氏も、「裁判員の守秘義務と裁判報道制約の問題などもある」と指摘されていたが、私が裁判員制度の勉強会でビデオを見たり、裁判を傍聴したりして、いちばん問題じゃないかと思っていることは、
「裁判員の守秘義務」と、強制的に審理に参加させられ死刑か無期かという職業裁判官にすら堪え難い「心理的重圧」、このふたつを課せられる一国民の心理状態に対して、いったいどうケアするのだろうかということである。
重圧に耐えきれなくなっても、誰にもしゃべってはいけないのだ、ブログに書いたりするのは御法度。それも生涯にわたって。

守秘義務が課せられるのは、「評議」と呼ばれる裁判員と裁判官が一緒に被告人が有罪か無罪かどのような刑かを議論し決定する場での事柄である。ひとの命に関わる重大な決断をせまられ、心が苦しくなったとき、
たとえばもっと時間がほしいのにもう言えない雰囲気だった、
ほんとうはこう言いたかったけれど、他の裁判員がみな違う意見で言えなかった
など、心を開くためにカウンセラーにさえしゃべってはいけないことになってしまう。

裁判員制度は、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ定めると法の第1条の規定されている。
司法に対する理解の増進と信頼の向上のために、なぜこのような苦しみを強制的に受けねばならないのか。国民が望んでいることなのか?私は望んだ覚えは無い。
そして、正当な理由の無い裁判員候補者の不出頭等には10万円以下の過料が処せられ(法第112条)、守秘義務違反には6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる(法第108条)。

この法律を予定通り施行しなかった場合、どのような不具合があるのか、教えてほしい。「法律で定められているから」だけが理由ならば、その法律を凍結する法案を提出して延期してほしい。始まって混乱することがわかっているのなら。

裁判員制度の勉強会で、裁判所で配っているクリアーファイル、ボールペン、紙袋、
ムダボの棚卸し俎上にぜひ乗せてください。ほんとうに必要かどうか。

裁判員制度については、今後も書いていきます。


裁判員制度について1 ~これって後期高齢者医療制度に似ている!?

2008-08-22 15:36:55 | 裁判員制度
裁判員制度が来年5月21日から始まる事をご存知ですか?
相当の理由がないと拒めない、国民の義務であることを知っていますか?

以前からこの件について書こうかな、と思ってはいたのだけれど、
なんだか筆?キー?がすすまない。
書こうかなと思ったきっかけは、7月9日に裁判員制度の勉強会で、横浜地裁小田原支部へ行ったときのこと。
ここではじめて、ヘーっ、裁判員制度ってそうなんだ、と、これはたいへんなことになりはしないか?と思ってしまったことがきっかけである。
ああ、なぜそう思ったのか。
まずはじめに、
後期高齢者医療制度に似ている!と思ったからだ。
どこが?
後期高齢者医療制度は、年金から保険料を天引きされて、そこではじめて、国民が声を上げ始めた。それにマスコミが便乗?した。
しかし、後期高齢者医療制度については、地方議会で幾度も議論されていたことだった。
もちろん大磯町議会でも。
しかし、いくら見直しが必要であっても、
とにかく発進しないといけない、
法律で決まったから、
もし大磯町だけがこんなのやりたくないと言ったらどうなるか、
やります(広域連合へ加入します)というまで採決する、というのだから。

構図が似ているんだな。
法律で決まったから、とにかく不備だらけだけれど、やってみるってところと、
国民は始まるまで関心が薄くて、いざ始まったらこんなの聞いていない!というところが。

その後、色々なところで裁判員制度に対する是非の議論を読んでみた。が、私のモヤモヤしたものをスパッと晴らしてくれるような論が見つからなかった。
書こうかなと思いつつ書けなかったのは、この制度は憲法違反だ論や司法制度改革はいかにあるべきか論が、うまく咀嚼できなかったからかもしれない。私が書きたいのはそういうことじゃないという気がしていたんだと思う。

今日、ひとつ、完全ではないけれど、私のモヤモヤ感をズバリ言い当ててくれているなーと、見つけたのが、こちら。(会員登録しないと全文読めないのですが)
ほとんど私が言いたいことを書いてくださっているのですが、ここに書いてくださっていない部分について、次回書きたいと思います。

前置きが長くてなんのことかわからないですよね。

裁判員制度については、いっぺんに書ききれないので幾度かに分けて書きます。

このブログでは、裁判員制度の詳しい説明は省かせていただくので、そもそも裁判員制度って何?と云う方のために、
参考として
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成16年5月28日法律第63号)
最高裁判所のウェブサイト
などをご覧ください。

ちなみに現時点で、私は裁判員に選ばれたら日程を空けようと思っていますが、
法第15条の8の規定により、司法書士は就職禁止(裁判員の職務に就くことができない)なので、むしろそちらの就職禁止事項に早く適用されることを望みたいです(笑)。


土佐礼子選手と外反母趾とわたし

2008-08-17 21:59:15 | 湘南国際マラソン&東京マラソンへの道
8月17日

朝5時半、目が覚めると何日ぶりだろう、布団をかぶっていた。
そう、涼し~いのである。
いつもなら暑い暑いと朝6時から鳴き出す愛犬も静かなのにびっくり。
いつものようにノースリーブで浜へ散歩に出かけるが、さ、さむい。
これは今日は走れそう。しかし、ちょっと不安要素がある。

北京はどうだろう、肌寒いのだろうか?
今日は朝8時半から北京オリンピック女子マラソンのテレビ中継がある。
そのまえに、「所さんの目がテン!」という番組で、
なぜ日本人選手は夏のオリンピックマラソンで強いかという特集をやっていた。
なるほど、汗のかきかたが違うらしい。汗で体温調節するのが得意なようだ。
オリンピック中継中、解説者の有森裕子さんが、「もう少し暑くなってくれれば」と言っていた意味がわかったような気がした。



レース途中、土佐礼子選手が失速した。
有森さんが言う。「外反母趾じゃないでしょうか」

えっ?ええっ?土佐さん、あなたもですか?

今日は走れそうだけれど不安要素がある、というのは、
ズバリ「外反母趾」の痛みなのである。

外反母趾は、足の親指が内側に曲がり、付け根が飛び出してくる。
足先の横幅(横アーチ)を支えている横中足靭帯(中足関節)が伸びたり、緩んでしまい親指が小指側に曲がるらしい。
私の外反母趾は、陸上競技を始めた中学生からのお付き合いである。
忘れた頃にやってくる痛みであるが、ここ最近、痛みだしてきたので、部屋ではサポーターをつけている。
窮屈なヒールの靴を履いているとなる病気と思われているが、それだけではないようだ。なんたって中学生でもなるんだから。

結局、土佐さんはレースを途中棄権した。
彼女が泣きながら棄権をしたとき、私も泣けた。
痛み止めを飲んでいたらしいが、外反母趾の痛みはハンパじゃない。
痛みだしたら足が接地するたびに痛みが増すこの病気を抱えていたとは、ほんとうにつらかっただろう。途中でやめたいとは言えなかったに違いない。
沿道から夫の村井啓一さんが、「もういい、やめろ」と叫んだそうだ。
そう言ってもらわなければ、彼女はやめられない。よかった、叫んでくれて。

夕方、走ってみた。
涼しくて快調。タイムもキロ5分半。(でもオリンピック選手は3分なんだよね~)
しかし、4キロ地点で左足に痛みがでてきた。6キロで終了。
こりゃなんとかしたいが、外反母趾はちょっとやそっとじゃ治らない。
シューズの底に敷くいいパッドがあるらしいので、秋になったら見に行こうと思う。それまでは無理しないこと。
やーめた!と、誰にも遠慮はいらないということは気楽だけれど、
追い込まれるというのもまた、ひとつの人生としてアリなんだろう。
どちらが幸せかなんて、そんなのわからない。
どちらもきっとアリだ。

土佐礼子さん、ゆっくり休んでください。
こころも、からだも。




マラソン競技は冬期五輪へ移管したらという案

2008-08-14 16:10:06 | 湘南国際マラソン&東京マラソンへの道
久しぶりの更新です。
毎日訪問くださる方には申し訳ないことです。
現在とても勉学に集中できる期間ゆえ、
さらに更新できなくなるかもしれません。ご容赦ください。

オリンピックのマラソンについて、
感じた事をひとつだけ記しておきます。

いま私は、ほとんど走っていません。
私が陸上競技をやっていたころ、
夏に大会がたくさんありましたが、
それでもせいぜい3000メートルくらいまで。
マラソン大会は冬だけでした。

なぜこんな暑い時期に、マラソン競技をするのでしょうか。
マラソンは冬期五輪へ移管したほうが良いと思うのは、私だけでしょうか。
いや、こういう理由があるんだよ、というのを知っている方はぜひ教えてください。

文部科学省政策棚卸し傍聴記 第二弾~「事業仕分け」のあとは政治の出番

2008-08-06 11:20:34 | 事業仕分け
8月5日

文部科学省政策棚卸し傍聴記 第二弾、中身について。

はじめに、傍聴へ行く前に湧いた疑問の答えが見つかったので記す。
仕分け人は誰がやるの?→私が傍聴した「文教班」は、国会議員(自民党)が7人ほど。いつもの仕分け人の方々(自治体職員や構想日本スタッフなど)が6人ほど。前市長、前元校長、学識者が5人ほど。19人くらいなのだが、私にはちょっと多いと感じる。多い割に相反する多様な意見というものがなかった気がするからである。説明者の文部科学省担当者は5、6人座っているけれど、説明するのは2人くらい。

カテゴリー分けはどうなるの?→地方自治体の事業仕分けは、多数決で「不要」「民間」「国」「都道府県」「市町村」に仕分ける。これは政策棚卸しでも同じ。
最後に座長(文教班では河野太郎代議士)がある程度「まとめ」をする。誰がどう評価を下したかは、傍聴席からはわからなかった。(挙手ではないため)

では、事業ごとの感想。

11時から12時までの作業は「家庭の教育力向上に向けた総合的施策の推進」という事業の仕分け。事業費は人件費込みで平成20年度約12億2400万円。(作業スケジュール表には1485百万円と書いてあるけれど、私が計算してそのような数字にならないのはなぜ?)
主な事業内容は、「地域における家庭教育支援基盤形成事業」と「家庭教育手帳の作成と配布」。ここまでで、この事業、なんだかよくわからないけれど、悪いことではないよね、家庭教育支援って大事なことだよね、というのが大方の意見ではないだろうか。ところがである。私たち保護者にはおなじみの「家庭教育手帳」。いや、ほんとにおなじみなのか?読んで活用している方がどのくらいいるのだろうか。
母子健康手帳ならすみずみまで読んだ記憶はあるが、この手帳、ウチでは読んですぐに資源ゴミ箱へ行った。なぜゴミ箱へ行ってしまうのかの検証がないことが原因なのではないか。文科省からの説明資料に、配布対象者の9割が参考になると回答し、7割の保護者が役に立ったと回答し、成果が得られたとある。
ここが国と現場の意識がずれる所以ではないか。そりゃあ、「なるほど」と思われることは書いてありますよ。でもね、全国統一で作る必要性ってなんですか?そもそも問題を抱えている家庭の保護者が共感して読むと思いますか?まったく共感しないとは言いません、手帳を読んで解決する問題が、早急に解決しなければならない国の優先課題なのでしょうか。
杉並区立和田中の前校長であった藤原和博さんから、「具体的にどこでどういう成果があがったのか」という質問や、前我孫子市長だった福嶋浩彦さんから「こういう手帳は各自治体に合わせて作られるべきではないか」という質問が寄せられたが、担当者から私を納得させる答弁はなかった。
とどめは河野太郎さんのこの総括。文科省は現場(学校や自治体)で何をしているか驚くほど把握をしていない、与党議員もびっくりしている、という言葉。
そもそも予算案提案したのは誰だと、政府与党は何をしていると、ただ批判するのはとても簡単。そうではなく、今回の事業仕分けの意義がここにあり!と思った瞬間がまさにここにあった。事業の名前はとてもすばらしいし、誰も異議を唱えない。文科省だって国が家庭教育の支援をする責任があると誇りを持ってこの事業を推進していたに違いない。この意識のズレを是正するのが事業仕分けなんだと思う。
大磯町でもこんなことはよくある。担当者はよかれと思って続けていた仕事が、実は気がつかない間にズレが生じていたなんてことは。現場が声をあげればすぐに是正できるのが地方のよいところである。だから地方分権しなきゃね。

結論は、「不要」となった。

「こういう事業が棚卸し俎上にあがり、こういう結論となりました」というマスコミの報道には違和感がある。
この事業仕分けは結論ではなくて過程に意義があるのだから。

このあと13時から14時に傍聴した「コミュニティ・スクール推進プラン」事業は、評価者の意見が様々あり、結論を急ぐべきではないと感じた。保護者や地域住民が一定の権限と責任を持って学校運営に正式に参画する学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)は、まだまだ地方に任せれば推進するというものでもないし、では国が率先してやれば成功するというものでもない。どちらかというと、学校長や教育委員会の意識改革が先じゃないかとも思える。
結果は現行前提ではなく、再考するというような結論で、これはこれでそうだろうなと思う。そう考えると、この事業は、仕分け対象ではなかったのかもしれない。予算が妥当かどうか、判断しにくい。(平成20年度約1億8300万円)

私のようなPTA活動やっている保護者には、とても身近な内容で、興味深かったけれど(こんな無駄なことに税金遣わないで、もっと学校図書を買ってよ!なんてね)こういう細かい事業一つ一つをみっちり議論するのって、大事なことじゃないかと思う。他の傍聴の方はどう思われたのかしら?

さて、私にとってはこの事業仕分け、たいへん意義深いものでありましたが、国会議員のみなさんには、「意義深かった」では終われません。
ここからが政治の出番です。
今後の政策棚卸しも引き続き注目していきますが、歳出削減、そして意義ある教育予算編成とその審議にこの結果をどう生かせたかも注目していきたいと思う。


「文部科学省政策棚卸し」傍聴記 第一弾 ~子連れに優しい事業仕分け

2008-08-05 23:08:01 | 事業仕分け
8月5日

「文部科学省の事業仕分け」二日目の傍聴記。

正確に書くと、
自由民主党政務調査会 無駄遣い撲滅プロジェクトチーム 文教・科学技術等分野(主査 河野太郎衆議院議員)主催
『文部科学省政策棚卸し』 協力:構想日本
の傍聴記
でしょうか?

まず第一弾は、子連れ珍道中の顛末記。(まだ中身のないほんとに私的な日記なので、読み飛ばしてくださって結構です)

河野太郎さんの昨日のメルマガに、一日目の事業仕分けの様子が詳細に書かれてあり、とってもとっても行きたくなる。構想日本から「また明日もやりますよ」というお誘いメールも来る。
特に昨日は、文教班の最後が「義務教育費国庫負担金」だったなんて。
ああ、議論見たかった。これは今でも私のなかで消化しきれていない課題だし。三位一体改革(地方財政自立改革)と言えば、この議論は外せない。

昨晩までは行くのをあきらめていたのだが、
今朝やっぱり行くと決めた。
ポリ吉くんの言うように、「立ち会うこと」が大事と思い定めた。

ウチの下のコは、何人かの友人に今日の遊びの誘いを断られ、
めずらしく私の用事に「一緒に行く」というので、子連れ傍聴となった。

荒天になりそうな空。
でも日差しが無い分ちょっとは、しのぎやすいかと思ったが、
電車に乗るまでにもう汗だくになる。

11時過ぎに虎ノ門の「日本財団ビル」へ到着。
2階が会場になっている。
さて、下のコはどうするかな?構想日本へ「子連れ」で行くとは伝えていないし。1階のホールのテーブルで待つかどうしようか話していると、受付の守衛の方が「14時までならここで飲食してもいいですよ」と、とても親切に話しかけてくださる。ここで待たせるのも安心。とりあえず、2階の受付へ行く。「あのー子どもも傍聴できますか?」最初はえ?ちょっと、という感じであったが、「静かにできるのでしたら」と、OKが出る。
構想日本代表の加藤先生が受付に座っていらしたのにもびっくり。
子どもにも会場使用者札をくださる。
会場へ入ると、仕分け(棚卸し)の真っ最中。
「いま椅子を2脚ご用意しますので」と親子専用席まで作っていただいた。構想日本?自民党?は子連れに優しい。感謝感激。
結局、ふたつの事業の仕分けを傍聴して、14時にビルをあとにした。
子どもは河野太郎さんから「ずっと座って聞いていられる?」と聞かれても答えられなかったけれど、(正味10分も座っていなかった)来て良かったと言っていた。(今日は友達が遊んでくれないしね)

ここへ来てのもうひとつの収穫は、日本財団ビル1階にある「スワンベーカリー」のパンが食べられたこと。浅野史郎先生から、障害者の就労といえばいつも名前があがる、ヤマト福祉財団が障害者雇用を積極的に進めているその「スワンベーカリー」がここにもあることを私は知らなかった。どしゃぶりの雨で昼食を摂りに出かけられなくて、ふと横を見るとその店があったというわけである。雨のおかげである。すっごくおいしい。ペストリーがサクサク。しあわせ。

次回の政策棚卸しも、ここでやってほしいな。
またパンが食べられるから。

内容は次回へ続く。(事業仕分けカテゴリ作っちゃいました)

東京メトロ虎ノ門から日本財団ビルへ行く途中の歩道。
自転車と歩行者に分かれていて、ひとに優しいね、と子どもと話しながら歩いた。