平成21年3月22日 大磯町にある旧吉田茂邸が全焼してしまった。
喪が明けるその日、東京マラソンの日。
今日は26日なんだけれど、ショックが大きくて今日まで書けなかった。
未だに信じられない気持ち。
昔から吉田邸を知っている方々の落胆はどれほどなのだろう。越して来て10年ほどの私がこれだけショックなのだから、その方々のかなしみの深さは計り知れない。
翌23日の午前中、太平洋岸自転車道から旧吉田邸に抜ける道往復7キロをジョギングした。あたりは焦げ臭いのだけれど、吉田茂像はいつもと変わらず、サンフランシスコ方面を仰ぎ見ている。かすかに見える母屋は真黒であった。
議員時代の平成17年頃、所有者の西武鉄道がこのままだと手放さざるを得ないというような状況になり、
それから保存に向けてほんとうにたくさんの方々のご尽力により、結果、神奈川県が敷地を購入し(たしか建物は寄付していただき国の補助もあったような)、県立公園として整備することが決まった。購入整備費が盛り込まれた県の予算の採決2日前だったかと思う。
議会で保存活用を検討することになり、旧吉田邸へ初めて訪れたのも、平成17年の秋頃だっただろうか。そのときにこの目で見た蒋介石から贈られた屏風や官邸ホットライン電話などの写真をどうして撮っておかなかったのだろうかと悔やまれる。家屋が取り壊されるかもしれないという恐れはあっても、焼失してしまうかもしれないなんて、誰が想像しただろう。
ちゃんと記録していてくださった方がいたことを思い出した。
町がほんの数日間、旧吉田邸の一般公開(庭園のみ当選者のみ)を始めて数ヶ月経った頃、JANJANにこの記事が掲載されていた。検索していたらたどり着けた。
町のHPに邸宅内の写真がいくつかあったが、この記事の記者さんが撮られた写真には、私がいくら検索しても見つけられなかった『官邸とのホットライン黒電話』の写真があった。小さな襖の奥に隠され置かれていたのだ。
この記事にも掲載されなかった『船の形の湯船』の写真、どこかにないだろうか。私が探せないだけできっとあるに違いないと思うのだが。この湯船、見た瞬間、巨大な舟盛り刺身用のなんというのだろう、あれに似ていて、想像してしまったことを思い出す。この記者さんのような優雅な発想ができないことにちょっとがっかり。
もう二度とお目にかかる事ができない貴重な調度品の写真を、こうして残してくださったことに感謝したい。
記録しておくことは大切だと今更ながらつくづく思う。
喪が明けるその日、東京マラソンの日。
今日は26日なんだけれど、ショックが大きくて今日まで書けなかった。
未だに信じられない気持ち。
昔から吉田邸を知っている方々の落胆はどれほどなのだろう。越して来て10年ほどの私がこれだけショックなのだから、その方々のかなしみの深さは計り知れない。
翌23日の午前中、太平洋岸自転車道から旧吉田邸に抜ける道往復7キロをジョギングした。あたりは焦げ臭いのだけれど、吉田茂像はいつもと変わらず、サンフランシスコ方面を仰ぎ見ている。かすかに見える母屋は真黒であった。
議員時代の平成17年頃、所有者の西武鉄道がこのままだと手放さざるを得ないというような状況になり、
それから保存に向けてほんとうにたくさんの方々のご尽力により、結果、神奈川県が敷地を購入し(たしか建物は寄付していただき国の補助もあったような)、県立公園として整備することが決まった。購入整備費が盛り込まれた県の予算の採決2日前だったかと思う。
議会で保存活用を検討することになり、旧吉田邸へ初めて訪れたのも、平成17年の秋頃だっただろうか。そのときにこの目で見た蒋介石から贈られた屏風や官邸ホットライン電話などの写真をどうして撮っておかなかったのだろうかと悔やまれる。家屋が取り壊されるかもしれないという恐れはあっても、焼失してしまうかもしれないなんて、誰が想像しただろう。
ちゃんと記録していてくださった方がいたことを思い出した。
町がほんの数日間、旧吉田邸の一般公開(庭園のみ当選者のみ)を始めて数ヶ月経った頃、JANJANにこの記事が掲載されていた。検索していたらたどり着けた。
町のHPに邸宅内の写真がいくつかあったが、この記事の記者さんが撮られた写真には、私がいくら検索しても見つけられなかった『官邸とのホットライン黒電話』の写真があった。小さな襖の奥に隠され置かれていたのだ。
この記事にも掲載されなかった『船の形の湯船』の写真、どこかにないだろうか。私が探せないだけできっとあるに違いないと思うのだが。この湯船、見た瞬間、巨大な舟盛り刺身用のなんというのだろう、あれに似ていて、想像してしまったことを思い出す。この記者さんのような優雅な発想ができないことにちょっとがっかり。
もう二度とお目にかかる事ができない貴重な調度品の写真を、こうして残してくださったことに感謝したい。
記録しておくことは大切だと今更ながらつくづく思う。