道 (真理)

道は須臾も離るべからざるなり 離るべきは道にあらざるなり

2014年流行語大賞~「ありがとうございます」

2014-12-27 00:41:10 | 道・真理・ Deshi A

2014年12月26日

有難し(有り得難し)、という言葉の原点を経典にさがすと「至道無難」という四字に至りますが、あまり諸説にとらわれず、この世で一番ほしいと思っていたもの、それまではとても無理だと思っていたものが奇跡的に手に入って感動したとします。うれしくてうれしくて「有難とうございます」と思わず声をあげました・・・と考えてください。

昔の修道者は、「道」を得るため鉄の下駄を履いてという例えがあるように生死をかけて道を求めました。しかし本当に道を得た人はほとんどいません。それが禅問答で“有るようで無い、無いようで有る”という風に得られないので探るようになりましたが、実際にどういうものか達磨大師のように得なければわかりません。

「至道無難」とは、道に至るのは難しく無い(一般的にいう悟りの境地)、しかし「道」はそのような三昧ではなく、至極にして本来得がたいもの、もしそういうことがあったら、ありがとう、ありがとう、といって大喜びすればいい、と「有難い」(ありえない)ことと解釈しています。

 

もう一つ話を添えます。

仏教の経典「般若心経」の最後の節に

羯帝羯帝波羅羯帝 (ぎゃていぎゃていはらぎゃてい)“往き往きて、彼岸に往き”
※彼岸(道が得て行くところ)に行くときが来たぞ!! その時が来たぞ!!(ソーラン節のヘブライ語解釈の勢いですね!)
波羅僧羯帝 (はらそうぎゃてい)“完全に彼岸に到達した者こそ”
※道を得て解脱(超生了死)したもの
菩提(ぼうじ)“悟りそのものである”
※正覚のさらに上の境涯の妙覚
僧莎訶(そわか)“めでたし
※その時が来たらみんなそうなるから、めでたし、めでたし、ありがとう、ありがとう
般若心経(はんにゃしんぎょう)“知恵の完成についてのもっとも肝要なものを説ける経典”と説いています。
※もっとも肝要なものとは仏教では、卍、すなわち十字、つまり般若を象形にすると十字の中心の「点」です。「逍遥自在の一点」のことです。 
総じて、ついにその時が来て、ありがたい、ありがたい 得難がたいことが起きる、の意味です。
日本では九州島津家の紋章ですが、
アメリカインデアンのある伝統的な種族の紋章でもあります      

2014年流行語大賞と題したのは、今年は挨拶の中でほとんどの人が「ありがとう!、ありがとうございます。」という言葉を使っているのに気がつきました。押さえつけられていたものがなくなりつつあって、少し恥ずかしく思いながら、言おうと思っていなくとも自然に出てきた言葉、百一匹の猿の例よりもっとたくさん、日本人の徳が日本中に爆発的に拡散したのではないでしょうか。

生んでくれてありがとう、見守ってくれてありがとう、出会いにありがとう、愛してくれてありがとう・・・

来年は、“ありがとうございます”という響きが、性別、世代間、職位、国境をこえ、素晴らしい、とか、お目でとう、と広がっていくように・・・・・

Deshi A