大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

命をつなぐ

2015-07-20 | 日記
毎朝、家の前の国有林の中で 鶯がうるさいほどさえずる。
春先から鳴き続けて、いつまで鳴くつもりなんだろう、、、、
山鳩やヒバリやカッコー、カラスにスズメなどなどが一日中鳴き通す。森の中は連日歌謡ショーだ。
その森の裾をマオイ山から流れてくる小さな川が我家の水源となっている。
15年前ここに着地した時、昔この家を建てた人が使っていた井戸は枯れており、
水道を引くには膨大なお金が掛かるというし、どうしたものかと思ったが、家の横に川が流れていた。
夫がホームセンターで買って来たホースを家から川まで引いたら自動的に台所に水が来た。
冬になれば凍ってしまい、茶碗は川で洗ったこともあった。春先大雨が降れば泥水となり、
しばらく置いても茶色の水をさほど苦にもならず、それでお茶を沸し食事もつくった。
水源地の管理は夫の仕事で、何かにつけてはスコップを持って川に行き、さまざまに工夫を重ね、いのちの水を確保してきた。
真夏の日照りの時も決して枯れることなく 川は流れ続けてくれている。

田んぼの用水は支笏湖からくる。
春にいよいよ水田農家の作業開始の時期になると 用水路に支笏湖の水が満ち溢れ、各々の水田農家が取水口を開けば
必要時に必要なだけ田に水を引くことができる仕組みになっている。
その水にはフナなどの魚が一緒に流れてきて白サギ等が餌を探して田圃にやってくる。
稲刈りの時期に水を切ると魚がぴちぴち跳ねる。
そうして、用水路もまた春まで閉じられる。
用水路の整備事業には莫大な資金が投入されていて、各々の水田農家は水利権としてそれなりの経費を負担しているが
本州などの そういう仕組みを持たない地域では 大抵水の取り合い合戦が今でもあると言うから、なんともかんともえとせとら。。。
長沼は昔何度も水害に遭いその都度さまざまな工夫や知恵を出し合って基幹産業としての農業を守って来た町だ。
お爺さんのお爺さんたちが開拓に入ってアイヌのひとの力を借りて今があるという。
明治初期、120年前は、ちょうどこの辺りにも40人ほどのアイヌの人たちが暮らしていて、開墾に従事したそうだ。
 
そんなおおむかしから、家の横の川はずっと流れ続けているのだ。


    

           



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