大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

キリギリス

2019-12-02 | 日記
先週火曜日、ようやく大豆を刈り終え畑に積んであとは風が乾かしてくれる。。
天気の良い日に刈ったまめはすっかり乾いているので脱穀も始めた。
この調子でいけば楽勝、、だがここへ来て雪が積もり、雨も降る予報で
急遽畑からビニールハウスの中に運び込んだ。ふう~~~ひとまずは安心。
しかし、どうして毎年毎年こうもキリギリス的綱渡り的な事態になるのか?
振り返れば夏の暑い日は映画館で涼んだ。雨の日は温泉でのんびり過ごした。
そうこうしていて豆畑の草は伸びるがままに伸び、予想をはるかに超える。
で、結果的に草取りは思うように進まず、、みんなが夏の労働の結果を誇り、
毎晩祝盃挙げながらノンビルしているだろう冬の入り口までバタバタしている。周囲の笑い声が聞こえてくる。
自分はアリだと思っていた。しかし、人生どこでどうなったかキリギリスの嫁になって30年。
アリはやらねばならぬ事をさっさと済ませてからでないと落ちつけず、しかし、ともすればそれは結局永遠に続くのだろう。。
が、キリギリスときたら、一瞬一瞬気ままに動きたいように動いて一日を過ごす。アリのストレスは想像を絶する。
10年も昔、もう限界だ!と身体が悲鳴をあげたとき、コロンと何かがどこかがひっくり返り、アリはキリギリスになった。
頭の中にはアリがいるが、心と体はキリギリス。毎日楽しいことだけ追いかける。やりたい事しかできない。
アリの時、それなりに充実していた。働かないアリもいるらしいが、せっせと働くほうが好きだ。
キリギリスに対しては違う世界の生き物として一線を画し、友達にはなれないと思っていた。
なのに、しかし、実は、もしかしてアリの家にもらわれて養われていたキリギリスだったというのか。。。それが見破られて、、、、

そうなってみれば、キリギリスは想像していたよりもことのほか愉しく面白い。
豆刈りひとつにしてもキリギリスは「今だ」という風を感じてそれに乗り、あとは天の自動操縦に任せて進んで行く。
ああ、人生いろいろ、川の流れに身をまかせ、笑って許して、今さらジロー、愛燦燦、、、、
 昭和歌謡がキリギリスをやさしく包み込む。 豆が笑っている。