うちの芝生が一番青い

Tokyoに暮らす、ごくごく平凡で標準的な【ナイスサーティーズ】の奮闘記。

書評 ~ 学問のすすめ

2011年07月04日 | 書評

最近サボりがちですが、今週の書評です。

続けることのむずかしさを改めて感じる今日この頃・・・。
「日常という怪物」は【継続の意思】に容赦なく襲いかかってきます。

ただし、「忙しいこと」を理由にしていてはなーんにも出来ない。
どうすれば「忙しい状況」をより【カイゼン】出来るのか。

ここの所の自分のテーマであります。


今週のチョイスは

「学問のすすめ」   福沢諭吉 著






言わずもがな 一万円札の福沢諭吉翁 が著した「明治のベストセラー」
その現代語訳です。


「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず・・・」

あまりにも有名なフレーズですが、私も含めて多くの人がその真意を理解していなかったのではないかと思います。
単純に「人間の平等性」を説いた本ではないのですね。


・平等というのは人としての権利が同等だということである。生活状態が同等ということではない。

・賢人と愚人の違いは学ぶか学ばないかによって決まる。

すなわち「勉強して知識を身に着け、社会の中で通用するようになって、ようやく平等なのである」
ということを説いているのだと思いました・・・。


その学問というのも


・ただ本を読むだけでは学問は事足りない。学問の本質は自分がいかに活用できるか。
 現実社会に応用できないようでは無学と言われても当然。

・学問の真の本質はただ読書だけにあるのではなく、精神の働きにある。
 精神の働きを生き生きと現実社会に活用するには さまざまの工夫が必要である。



「ただ本を読んでいればよいのではない、ちゃんと生活、仕事をしていくうえで役に立つ学問をしなさい。」

ということを説いています。
これが慶応で教える「実学」というものなのですね。



話は発展して、国家、国民のあるべき姿にも及びます・・・。

・日本国民も直ちに学問に志し、気力を確かにもって、まず個人としての独立を意図すべきである。
 そこから国の富強が生まれるのである。

・愚民の上に愚政あり。ということわざ。これは愚民が自ら招いた暴政である。
 人民がしっかりしていれば、政府もよくならざるを得ないからである。

・人民一人ひとりが自分の行いをただし、学問に志し知識を広め、
 各自の立場に応じて才能と人格を磨くことが何よりも大切。

・日本国民も直ちに学問に志し、気力を確かにもって、まず個人としての独立を意図すべきである。
 そこから国の富強が生まれるのである。


そう、強い国になるためには、国民一人一人がしっかりとした知識を身につけ
レベルアップしていくしかない。

バラエティー番組ばかり見て、政治や会社の文句ばっかり言っているような国民では「決して良くならない」

今の日本の状態とその解決策は140年も前に福沢諭吉翁が説いていてくれました。



読んでみて本当にビックリしました。
明治の初頭にこんな革新的なことを考え、本に残していたという事実にです。

私は日本が再び「強いニッポン」になるためには【教育の充実】しかないと思っています。
塾や私立学校頼みの日本の教育システムは、かなりまずい状況にあると思います。

【高速無料化】でも【子ども手当】でもないのです・・。
小学生の子供を持つようになって、改めて強く感じます。

【学ぶ楽しさ】【そこから得られる無限のパワー】

世界に通用するニッポンになるためのカギはこの「学問のすすめ」の考え方にあるような気がしました。