遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

最期の着衣

2006-06-20 09:26:04 | Weblog
「洋服を着せてほしい」

「スーツを着せてあげたい」

「着物を着付けてほしい・・・」


私が湯灌のお仕事につく前は、故人様への着付けは仏衣(帷子)がほとんどだったそうです。(宗派にもよりますが・・・)

私がお仕事についてからは仏衣が6割、残りの4割は私服やスーツを希望されます。
生前から最期に「これを着せてほしい」と残される方はほとんどいないため、最期に身につけるものは、ご遺族の皆様が決められます。もしくは作法や宗旨に則って決められます。


スーツや洋服は、死後硬直の影響で着付けるのが大変ですが、生前の故人様らしさが出て個人的にはいいと思います。

私が死んだときは仏衣でなく洋服を着せてほしいと思いますが、そのことをしっかり家族に伝えておかないと仏衣になってしまうかもしれません。


・・・過去に「お父さんは家にいるとき、いつも裸で生活してたので、何も着付けず、裸で柩に入れてあげてください!」とご依頼をいただいたことがあります。
ご家族の希望通り、裸にお布団をお掛けいたしましたが、裸がお好きな方にも、せめて下着くらいは着けて差し上げほうがいいと思いました。(笑)

 




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職業について

2006-06-19 08:31:56 | Weblog
しばらく会っていなかった親戚や友人などから

『仕事、何してるの?』

と聞かれることがあります。正直に答えることに躊躇してしまうことがあります。

それは、少し前に、高校時代の友達と集まって食事をしたときのことです。友達は、ほとんどの子がOLになっていて、会話は職場の話や恋人の話で盛り上がりました。
楽しい会話でお酒のペースも進みました。

私の仕事や職場の話になり、湯灌の話をしました。
皆、「湯灌」という言葉も知らなかったため、ひとつひとつ丁寧に説明しました。しかし、友達は急にテンションをさげ、

「あんた、何でそんな仕事してるの~?」

「平気なの?」

私は湯灌のお仕事のやりがいや素晴らしさを熱心に語りました。

・・・が、皆には理解できないようで

「よく、そんなことできるね~」

「幽霊とか見たことある?」

「怖くないの~?」

「その手、大丈夫だよね~?」

など、私が思っていた反応とは違いました。
親しい友人だから本音を語ったのだと思いますが、何とも言えない寂しさがありました。

まだまだ認知されない職業なのかもしれません。これからも認知されない職業かもしれませんが、私は湯灌のお仕事が好きですし、やりがいももっています。


聞かれもしないのに、自分の職業について話をすることはありませんが、聞かれたときは今後も正直にお話していくと思います。

私の仕事を必要としたときに必要とされる方だけに知っていただければいいと思います。





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業務中の大盛ラーメン

2006-06-18 09:31:41 | Weblog
今日は午前1件・午後1件で湯灌を2件、施行しました。

午後の湯灌が17時に予約をいただいていたため、午前中の湯灌を終え、一度会社に戻り、社内の雑務を済ませてからご葬家に向かいました。

会社から高速道路を使って2時間くらいあるところで、あたり一面、田んぼと山でした。

16時くらいに到着したため、近くのコンビニで「ジューシー肉まん」を食べてエネルギー補充。準備があるため、16時30分に訪問。


・・・故人様は80歳代のおじいちゃんです。
ご自宅に到着し、準備開始。
門の前にクルマを着けさせていただき、お部屋までホースを引きました。
大きな家でクルマからお部屋まで30Mくらいあったため、準備も大変です。

お身体の処置、機材のセットが完了し、ご家族にお集まりいただき、湯灌を開始。
末期の水では、日本酒がお好きだったとのことで日本酒で末期の水をお取いただきました。


50歳代の娘さんが、

「おじいちゃん、お風呂が好きだったから良かったわ~」

「おじいちゃん、良かったわね~」

ご家族の皆様も

「じいちゃん、よかったな~」

「きれいに洗ってやるからな!」

などと声かけをされていてアットホームな雰囲気で立ち会われていました。

一度目のシャンプーが終わり、二度目のシャンプーを開始したとき、一気に雰囲気は変わりました。

出前を頼んでいたらしく、お部屋にラーメンが運ばれてきました。
娘さんが、

「スミマセン、途中で申し訳ないけど中断してもらえますか?」


シャンプーをたっぷりつけ、故人様の頭は泡泡の状態。

しかも、

「あなたたちの分もあるから一緒に食べましょっ!」

「ここのラーメンは美味しいのよ!」

と・・・・。


私も先輩もかなり戸惑いましたが、ご遺族様の好意?をお断りするわけにも行かず、

「シャンプーを洗い流してからでもよろしいでしょうか?」

と了承いただき、シャンプーを洗い流し、髪が濡れたままでは可愛そうなので、頭にタオルを巻き、テーブルに着きました。

故人様は浴槽の担架ネットの上でお休みいただいている状態なのに、ご家族の皆様は誰一人、疑問に思う人はいないらしく、会話もないまま、食べることに専念しています。
私たちも複雑な心境でいただきました。

娘さんが、

「おじいちゃんは何事より食べることを最優先する人だったから」

とラーメンをすすりながら言っていましたが、

「何も湯灌の最中に・・・」

と私は思ってしまいました。

業務に入る前に食べた肉まんが効いているのと業務中に食べている・・・という罪悪感?みたいなものがあってラーメンが喉を通りません。(しかも大盛チャーシュー麺)

そんな中、奥様が、

「おじいちゃんは食べ物を残すのが嫌いな人だったから・・・」

などと言われ、

「これは大変なことになってしまった。何としても食べなければ・・・」


・・・・・・何とか完食し、湯灌も無事終了。
ご家族の皆様も喜んでくださり、

「ありがとうございました。おじいちゃんも喜んでいると思います」

と労いのお言葉を頂戴し、私たちも

「ごちそう様でした?・・・?? 失礼させていただきます」

とご葬家をあとにしました。


業務が終わったのが19時を過ぎていたこともありますが、身も心もいつもとは違う疲れがでました。






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モノより想い出

2006-06-17 08:58:37 | Weblog
故人様は40代男性で、団地での湯灌です。

訪問すると中学生くらいの息子さんが迎えてくれました。ものすごく礼儀正しく、しっかりした息子さんです。
若くして病気で亡くなったため、喪主である奥様をはじめ、お集まりになっていたご遺族の皆様は非常に悲しまれてました。

湯かんのときには、奥様は悲しみで座っていることが精一杯のようで、その代わりに息子さんが沢山、シャンプーや顔そりをしてくれました。


・・・・・湯灌が終わり、納棺式のときです。

息子さんが『柩の中に写真を入れてもいいでしょうか?』とのことでしたので、入れていただくことにしました。
写真は30枚くらいあり、一枚一枚、思い出を語りながら入れはじめました。

『パパ、これは僕が産まれて間もないときの写真だよ!・・・』

『これは入園式に皆で撮った写真だよ!・・・』

『これはキャンプに行ったときの写真だよ!楽しかったね!?』


その他、キャッチボールをしているもの、旅行に行ったときのもの、海に行ったときのもの、運動会や野球の試合のもの・・・

奥様は『たくさんの思い出という財産をたくさん残してくれてありがとう』と語りかけていらっしゃいました。

お柩の蓋を閉める際、『ママのことは心配しないで!僕がママを守っていくから・・・』と息子さんが故人様に語りかけてくれました。



・・・少し前にクルマのコマーシャルのキャッチで

「ものより想い出」

というのがありましたが、それを思い出しました。

欲しいものを買ってあげられることが幸せ?欲しいものを買ってあげられないことが不幸?なのでしょうか?

経済的にゆとりを持つことも大切なことかもしれませんが、それ以上に大切なことをこのご家族から教わりました。





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ありがとう

2006-06-16 09:16:29 | Weblog
ブログを書き始めて昨日で1ヶ月が経ちました。
いつも私のブログを読んでくださってる方、コメントを入れていただいてる方、本当にありがとうございます。

ここのところ業務が忙しく、コメントに対しての回答ができなくなっています。
直ぐに回答はできませんが、必ず、回答していきますので これからも宜しくお願いいたします。

また、個人の特定ができるのでは・・・というご意見もいただいたので、どのように表現していくか検討しています。
現場で起きていることをそのままお伝えできればいいのですが・・・
難しいところです。


今日もこれから2件、業務に行ってまいります。
雨の日の業務は、結構、大変です。




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車輌トラブル

2006-06-15 17:33:15 | Weblog
閑静な住宅街にある一軒家で湯灌をしたときのことでした。

故人様は80歳で病気でお亡くなりになり、最期の3ヶ月はお風呂に入れなかったとのことで、ご家族の強い希望で湯かんのご依頼をいただきました。
お身体には損傷もなく、きれいな故人様でした。

機材の搬入をさせていただき、準備が整った段階で、ご遺族様にお集まりいただきました。
いつもどおり、末期の水をおとりいただき、湯灌の儀式のスタートです。
末期のお水をお取いただいてるときには、「おじいちゃん、お風呂には入れるよ!よかったね~」「お風呂好きだったからね~」などとご遺族様がお声をかけていらっしゃいましたので、私も張り切って?望みました。

お湯を出そうとシャワーヘッドのスイッチを入れようとしたとき大変なことが起きました。


・・・・・お湯が出ないのです。


私たちが執り行う湯灌は、専用車輌でお湯を沸かし、そのお湯を使ってお清めをします。
(老人介護の訪問入浴サービスに似た形です。)

私たちの動きを見てご遺族の皆様もトラブルに気がついたようです。

先輩が機械の調子が悪いことを喪主様にお話したところ、

「お風呂に入れてあげれないのは残念だけど機械の調子が悪いのなら仕方ないですよね!」

「身内の皆で身体を拭いてあげることにしましょう」

と言ってくださいました。

しかし、お風呂がお好きだった方の最期のお風呂を私たちのトラブルによって中止というのは、故人様に対してもご家族の皆様に対しても申し訳なく思いました。

そこで・・・・・ご自宅のお風呂にお湯を張っていただき、小型モーターでお湯を引っ張る形で湯かんをさせていただくご提案をさせていただきました。

ご家族の皆様もお風呂に入れてあげられるなら・・・と快く聞き入れてくださり、ご自宅のお湯を使って通常の湯かんを執り行うことができました。

車輌の機械が作動しなかったのは、入社以来、はじめてのことでお湯が出なかったときはパニックになりましたが、ご遺族様の協力もあり、通常の湯かんを執り行うことができてよかったです。

ただ、今後、このようなことがないように車輌の整備はしっかりやることにします。
ご協力いただきましたご遺族の皆様、ありがとうございました。







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新人研修 3

2006-06-14 10:43:24 | Weblog
ご遺体にはじめて触れたのは入社3日目だったと思います。触れたといってもお布団から浴槽の担架ネットへの移動の際に足を持った程度です。
故人様のお身体は死後24時間以上経っていたこと、ドライアイスによって体温?が下がり、ものすごく冷たく感じましたが、ご遺体が「怖いとか、嫌だなぁ」という気持ちはありませんでした。
入社から一週間くらいは、これといって業務に参加することなく、ひたすら見学だけをさせていただきました。葬儀社さんやご遺族との折衝など・・・。業務以外にも覚えなければならないことが沢山あり、会社から一歩外に出ると車輌携帯を使用して会社への連絡や報告など・・・流れを一通り忘れないようにメモをとりました。
毎日、見るもの聞くものすべてが新しく新鮮でしたが、人の悲しみに入っていく湯灌というお仕事は私にとって刺激が強すぎて精神的に疲れが蓄積されていきました。

正直、5日目くらいに心が折れてリタイアも考えました・・・が、先輩スタッフが社内で待機している時間などは、お菓子を食べながら仕事に関係ない話を持ち出してリラックスできる雰囲気を作ってくれたり、仕事が終わってから飲みに誘って話を聞いてくれたり、分からないことを教えてくれたり・・・とにかく優しく接してくれたこともあり、何とか危ない時期を乗り越えることができました。
(入社3ヶ月目くらいに聞いた話だと・・・新入社員は入社1ヶ月以内に辞めていく可能性が高いので、1週間はお客様扱い・1ヶ月間はメンタルサポートすることになっていたそうです。)
「そういうことだったのか~」と今になってみれば分かりますが、その頃、先輩方のサポートがなければ、辞めていたかもしれないので、ありがたい仕組み?だと思います。


今日現在、私には後輩がいませんが、あたらしく入社してこられる方がいたら同じようにサポートしてあげたいなぁと思います。






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新人研修 初日2

2006-06-13 17:08:21 | Weblog
先輩2名と初業務に出発。
1件目はご自宅で12時30分からの湯灌です。

ご自宅に到着し、1件目はお部屋のスペースの都合上、準備が終わるまでクルマで待機しているように言われ、30分くらい待っていました。

・・・準備が終わり、先輩とお部屋に入ると6畳ほどのお部屋の真中に浴槽が設置され、担架ネットの上に故人様がお休みになっていて、その横にご家族5名が座っていました。故人様は確か80歳くらいのお爺ちゃんでした。

会社を出る前に「見学する際はご遺族をジロジロ見ないように」と言われていたので、45度下を見ながら雰囲気だけを感じ取るようにして参加しました。

先輩の進行により、湯かんがはじまりました。
普段、耳にしない難しい?言葉をスラスラ述べていましたが、私には何のことを言っているのか言葉の意味が分かりませんでした。
たとえば「ご逝去なされた」「謹んでお悔やみ申し上げます」「葬送儀礼」「現世での煩悩」など・・・

また、知らない人(故人様)が亡くなっていて、その周りに知らない方たち(ご遺族)が涙されながら立ち会っている光景は何とも不思議で夢の中にいるような感覚をもちました。
ご遺族が涙され、悲しんでいる姿をみても私は緊張のあまり、悲しいとか、かわいそう等という感情は湧きませんでした
ただ、ご遺族が「湯かんをやってよかった」「お爺ちゃん、お風呂に入れてよかったね~」と故人様にお声かけをされているのが印象的でした。

・・・湯かんが始まってから約60分、あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、ずっと正座して見学していたため、退席する際、直ぐに立ち上がれませんでした。(足の感覚がなくなるくらい痺れました。)

帰り際、ご遺族の何名かが玄関先まで送り出してくださり、「本当にありがとうございました」と感謝の言葉を述べてくださり、湯かんのお仕事のやりがいを感じました・・・が、反面、逆さ湯の儀式、洗体・洗髪・顔そり・着付け・納棺・・・技術的なことや口上など覚えなければならないことが沢山あるなぁと思い、少し不安にもなりました。




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新人研修 初日

2006-06-12 08:53:40 | Weblog
出社前夜は緊張して寝れませんでした。
湯灌のことは面接のときにいただいたパンフレットのみで詳しいことは分からなかったので、それを見ながら想像を膨らませてしまい、正直怖いのと不安で・・・

「準備もあるので8時30分までにきてください」

と言われていましたが、7時45分に到着。

早く到着しすぎて事務の方と数名の業務スタッフしかいなかったため、用意していただいた制服に着替え、ポツリと席に座って待っていました。

8時30分~45分にかけて次々とスタッフが出社してきました。
皆、会社に入るときの挨拶が礼儀正しく(声が大きくてビックリしましたが)、それを見ていた私も身が引き締まりました。

全員出社後、朝礼が始まります。
元気な声で「おはようございます」の挨拶。
挨拶終了後、連絡事項・注意事項等を責任者が発表し、その際に私の紹介をしていただきました。
メンバーと行き先を発表され、チームごとに出発時間やコースなどを打ち合わせ。


何をしていいか分からない私に先輩社員が、

「今日は何もしなくていいから業務の流れを見ていてください」

と言われ、出発前に挨拶の作法や身だしなみ等のチェックがありました。
このチェックは非常に厳しく、特に挨拶に関してはお辞儀の角度や目線など細かいところをチェックされ、繰り返し繰り返し2時間くらい練習しました。


・・・その日は都内の湯灌、午前・午後2件の見学に行きました。






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両親の反対

2006-06-11 08:15:56 | Weblog
私が湯灌の仕事をはじめた動機について、以前、ブログにも記しましたが、当時、介護業界か葬儀社勤務を考えていました。

求人誌に「セレモニースタッフ募集」と書かれていたもので、葬儀社と間違って面接に行きました。(ちなみに求人誌の下のほうに小さな字で湯灌と書かれていたことを後で知りましたが・・・)



面接の際、履歴書を手渡し、面接担当者から湯灌のパンフレットを見せていただきました。
パンフレットを見た瞬間、

「あれ?なに??葬儀のお仕事じゃないの???」

・・・勘違いして面接に来たことに気づきました。


しかし、1時間ほど湯灌の仕事内容についてうかがい、面接担当者が「私たちは死体を扱うのではなく、遺体を扱うのです。」「亡くなった故人のためだけでなく、サービスを通じて残されたご遺族のケアもしているんです。」と聞きました。

そのとき、湯灌のお仕事のやりがいを感じました。

私が面接に行ったときは10名ほどの募集があったそうで、その場で内定・採用はいただけませんでした。(当然だと思いますが・・・)


家に帰り、すぐに両親に報告したかったのですが、その日は面接に行ったことを黙っていました。
内定をもらってから話をしようと私の中で両親には言えない何かがあったのだと思います。

3日後?だったと思いますが、内定通知をいただき、その日の夜、面接に行ったことと仕事内容について両親に話をしました。

会社からいただいた湯灌のパンフレット(イラスト入)を見せながら話をしたのですが、私の説明が下手だったのか、両親ともにいい顔はしませんでした。

母親は・・・

「何でこの仕事じゃなければならないの?他にも仕事はあるでしょ!?」

「もしかしたら私の前世が悪いのかしら・・・」

などと訳の分からないことを言い出す始末。
父親は私と母親のやりとりを黙って聞いていました。


・・・結局、両親の同意は得られないまま、出社日をむかえました。
初出社という緊張感もありますが、両親の同意が得られなかったことが、引っかかり、気分が優れませんでした。

玄関で靴を履いていたとき、父親がリビングから出てきて・・・

「大変な仕事だと思うけど頑張れよ!」

と一言だけ言って送り出してくれました。


父親は言葉に出して反対はしませんでしたが、複雑な心境であることは私もわかっていたので、その一言がすごく嬉しかったのを覚えています。






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