弊社では“お炊き上げ”という業務をやっています。
亡くなられた方の使われていた遺品を
導師様にご祈祷、炊き上げて頂くというサービスです。
遺品回収に伺うことも、私たちの仕事です。
多くは最後使われていた“お布団”が多いのですが
その日は「70cm.四方のダンボール」と聞いてご葬家に伺いました。
迎えて下さったのはたぶん奥様
「お待ちしてました~」とニッコリ
玄関先に置かれた遺品を見ると「あれっ?」
聞いていた量の1.5倍はあるように思える。
奥様は一瞬『バレたっ!?』と思ったかどうかはわからないが
「電話で多少多くても良いと聞いて。多すぎますか?」と奥様
「弊社でそのようにお伝えしているのでしたら、大丈夫ですよ」とお応え
奥様は駄目押しという訳ではないだろうが
お炊き上げに至るまでの「ものがたり」を語ってくれた。
「実は主人が亡くなる2ヶ月前から、処分する予定だったんです」
一瞬『え"っ、まだ生きてるのに?(д゜;)』とドキッ
奥様の話は続く
「それがもう主人ちょっと痴呆きてたのねぇ
“明日から出張だから”とか言うのよ。20年も前に退職してるのに」
「ビックリしちゃってね~処分しようなんて思ったから察したのかしら?
それでちゃんとしなくちゃいけないと思ってお願いすることにしたの
で、これが主人がずっと使っていた【ボストンバック】」
ドスンと置かれたボストンにはナゼか出張には関係ないナイフとか小物などが
みっちり入れられていました。
仕事のかばんがあるならば、当然
スーツ(5着)・靴・肌着(5.6枚)・ネクタイもドンとプラスされた。
「あとねぇ、これ作業ズボン(5本)。
主人が“散歩するからって、ただ歩くだけって訳にはいかない”って
定年後、自主的に公園のゴミ拾いを亡くなる2年前までやってたのよ~」
「まぁ、ご立派ですねぇ」さすが大正生まれですねぇ~とまでは
言わないがつい口が出てしまった。
奥様は「でしょ~(^∇^)″」と誇らしげ。
なんだかここまで来ると微笑ましくなって来てしまった。
そして最後、碁盤を出された。
碁盤ってたしか結構値の張るものだと聞いたことがある。
「碁盤もよろしいんですか?どなたか使われないのですか?」
「んー。いいんです。誰も使わないだろうから。」と
碁石はボストンバックに入れたそうだ。
そして他によく着ていたセーターやマフラーなどオシャレ着もドンとお預かりした。
碁盤をお預かりしてちょっと寂しい気分になってしまったが
“送り出す人”である奥様はとても優秀な人なのかもしれない。
亡くなられたご主人のモノにしがみつくことなくても
明るくご主人のお人柄を自慢する事ができるのだから。
「よろしくおねがいします~」とさわやかにお見送りして下さった奥様に
故人様の人生丸ごとお預かりしたような気分になり
「 間違いなくたしかにしっかりとご祈祷させて頂きます」と
ヘンテコな挨拶をしてその場を後にしました。
遺体処置・エンゼルケア・湯灌サービス
ヒューマンケアでは、最期まで故人の尊厳を守るために死顔を整え、ご本人にもご家族にも、人生の最期にふさわしい最高の「グッドフェイス」でお送りいたします。
亡くなられた方の使われていた遺品を
導師様にご祈祷、炊き上げて頂くというサービスです。
遺品回収に伺うことも、私たちの仕事です。
多くは最後使われていた“お布団”が多いのですが
その日は「70cm.四方のダンボール」と聞いてご葬家に伺いました。
迎えて下さったのはたぶん奥様
「お待ちしてました~」とニッコリ
玄関先に置かれた遺品を見ると「あれっ?」
聞いていた量の1.5倍はあるように思える。
奥様は一瞬『バレたっ!?』と思ったかどうかはわからないが
「電話で多少多くても良いと聞いて。多すぎますか?」と奥様
「弊社でそのようにお伝えしているのでしたら、大丈夫ですよ」とお応え
奥様は駄目押しという訳ではないだろうが
お炊き上げに至るまでの「ものがたり」を語ってくれた。
「実は主人が亡くなる2ヶ月前から、処分する予定だったんです」
一瞬『え"っ、まだ生きてるのに?(д゜;)』とドキッ
奥様の話は続く
「それがもう主人ちょっと痴呆きてたのねぇ
“明日から出張だから”とか言うのよ。20年も前に退職してるのに」
「ビックリしちゃってね~処分しようなんて思ったから察したのかしら?
それでちゃんとしなくちゃいけないと思ってお願いすることにしたの
で、これが主人がずっと使っていた【ボストンバック】」
ドスンと置かれたボストンにはナゼか出張には関係ないナイフとか小物などが
みっちり入れられていました。
仕事のかばんがあるならば、当然
スーツ(5着)・靴・肌着(5.6枚)・ネクタイもドンとプラスされた。
「あとねぇ、これ作業ズボン(5本)。
主人が“散歩するからって、ただ歩くだけって訳にはいかない”って
定年後、自主的に公園のゴミ拾いを亡くなる2年前までやってたのよ~」
「まぁ、ご立派ですねぇ」さすが大正生まれですねぇ~とまでは
言わないがつい口が出てしまった。
奥様は「でしょ~(^∇^)″」と誇らしげ。
なんだかここまで来ると微笑ましくなって来てしまった。
そして最後、碁盤を出された。
碁盤ってたしか結構値の張るものだと聞いたことがある。
「碁盤もよろしいんですか?どなたか使われないのですか?」
「んー。いいんです。誰も使わないだろうから。」と
碁石はボストンバックに入れたそうだ。
そして他によく着ていたセーターやマフラーなどオシャレ着もドンとお預かりした。
碁盤をお預かりしてちょっと寂しい気分になってしまったが
“送り出す人”である奥様はとても優秀な人なのかもしれない。
亡くなられたご主人のモノにしがみつくことなくても
明るくご主人のお人柄を自慢する事ができるのだから。
「よろしくおねがいします~」とさわやかにお見送りして下さった奥様に
故人様の人生丸ごとお預かりしたような気分になり
「 間違いなくたしかにしっかりとご祈祷させて頂きます」と
ヘンテコな挨拶をしてその場を後にしました。
遺体処置・エンゼルケア・湯灌サービス
ヒューマンケアでは、最期まで故人の尊厳を守るために死顔を整え、ご本人にもご家族にも、人生の最期にふさわしい最高の「グッドフェイス」でお送りいたします。