遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

追記

2006-07-23 10:53:27 | Weblog
おはようございます。
長い間、ブログを更新していなかったにもかかわらず、コメントをくださった方、ブログを読んでくださっている方、ありがとうございます。
また、会社のホームページから直接コメントをくださった方、励ましのあたたかいメールを読ませていただきました。本当に嬉しかったです。

業務の都合上、毎日の更新は難しくなってきていますが、時間が取れるとき、気持ちに余裕があるときには、なるべく更新するように頑張りますので、これからも宜しくお願い致します。




遺体処置のプロセンター
ヒューマンケア株式会社

遺体処置・エンゼルケア・特殊メイク・湯灌サービス・納棺サービス・遺体搬送等ご相談ください!!

遺品

2006-07-23 10:46:19 | Weblog
首都圏某所、ご自宅での湯灌サービスで、故人様は40代の男性です。
死因は交通事故死とのことで、いつもの如く、ドキドキしながら現場に向かいました。

・・・現場に到着し、インターホンを鳴らし、訪問。
迎えてくださったのは、喪主様(奥様)でした。
お子さんはいらっしゃらないようで、ご自宅には奥様と奥様の姉妹がいました。

故人様は、リビング脇の和室にお休みになっていました。
ご焼香をさせていただき、喪主様とご親族様へご挨拶。
奥様より

「準備をされている間、関係者に連絡していてもよろしいですか?」

「突然の死で・・・・・」

とのことで、私たちが処置と準備をしている間は、別室でお待ちいただくことにしました。
(準備の間、ご家族が立ち会われていないほうが、処置や準備が進めやすいです。特にご遺体に損傷などがある場合など。)

故人様のお身体の処置に入りましたが、擦り傷程度で激しい損傷もなく、交通事故死とは思えないくらい、安らかなお顔をしてお休みになっていました。

奥様は、故人様の会社関係や友人への連絡に追われ、バタバタしてされていましたが、湯灌の準備が整い、奥様にお声かけすると、奥様は電話連絡を止め、お部屋に入ってきてくださいました。

お身体のお清めに入らせていただく前に、末期の水をお取りいただきました。
先ほどまで毅然としていた奥様は突然、涙され、

「旅行に行こうって言っていたのに・・・」

「もっと一緒に過ごしたかったのに・・・」

お仕事が忙しく、一緒に過ごす時間が少なかったのかなぁ?と感じました。
シャンプーも奥様は涙しながら丁寧に洗ってくださいました。


・・・湯灌が終わり、電話連絡のことを気にされている様子だったので、

「お片付けとお着せ替えが済みましたらお声を掛けさせていただきますので、別室でお待ちください」

とご案内させていただきました。


・・・・・関係者への連絡が一段落したようなので、奥様にお声かけをし、皆様にお部屋にお集まりいただきました。
スーツへのお着替えと整髪した故人様を見て、

「綺麗になりました。ありがとうございます。」

「死んでいるようには見えないです。今にも目を開けそうです。」

と喜んでくださいました。
そのあと、ご家族だけでお別れをしていただくことにし、私たちは退席しました。


4~5分経ってお部屋に近づくと奥様の大きな声が部屋の外に漏れて来ました。

「ちょっと何これっ?・・・」

「・・・○○○、(故人様)こんなことしてたのっ?・・・・・???」

故人様の携帯電話を見ながら奥様はご立腹の様子。
私たちは一体、何が起きたのか分かりませんでした。
しばらく、お部屋の外から様子を見ていると、故人様の携帯電話を見て怒っているようでした。
メールを見ていたのか、写メールを見ていたのか分かりませんが、奥様の態度は明らかに変わってしまいました。
奥様の姉妹も動揺していて、お部屋の空気と温度は一気に悪くなりました。

私たちは奥様に声をかけることができず、静かに棺を搬入。
奥様が落ち着くのを待って納棺式をと思い、お待ちしていましたが、
ご姉妹の方が、

「どうぞ、進めてください。」

と言われたので、故人様をお棺へお納めさせていただきました。
ドライアイスや奥様がご用意されたお品を棺へお納めし、淡々と作業をすすめ、お蓋をお閉めしました。

湯灌と納棺式を終えたことを告げ、ご家族の皆さんにご挨拶し、そそくさ退室しました。
ご姉妹は玄関先まで見送ってくださいました。
ご姉妹より

「何か、スミマセンでしたね~」

と気まずそうにお詫びされました。
奥様は最後まで携帯電話チェックをされていて、お部屋から出てこられませんでした。
何とも後味の悪い業務になってしまいました。


そのあと、どうなったのか?わかりませんが・・・・・
携帯電話って怖いですね!?
皆さんは大丈夫ですか?





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とにかく暑い

2006-07-09 09:12:29 | Weblog
ここ数日、業務が忙しく、そのうえ、暑い。とにかく暑いです。
家に帰るとお風呂に入り、食事をしてバタン・キュー。
食事のときにビールを飲んだら眠るというより気絶してしまう。(笑)

湯灌のお仕事は1日(1台)平均2件くらいです。日によっては1件の日、0件の日もある。
私の好きなパターンは午前と午後1件ずつ施行で、ランチもゆっくり取れると尚うれしい。
そして故人様は80歳以上のおじいちゃん・おばあちゃんで温かい家族の立ち会いがある業務がいいです。

しかし、忙しい時期は3件から4件の施行をする日もあります。
特に忙しい日の施行例をあげると・・・

11:00神奈川県某市(湯灌)
14:00東京都某区(湯灌)
17:00千葉県某市(メイク・納棺)
19:00東京都某区(特殊メイク・納棺)損傷遺体

こんな日のランチは、コンビニでおにぎりやパンを買って移動中のクルマの中で食べます。(食べるというより詰め込む感じである。)

夕方17時以降の注文は、交通事故や自殺などの損傷のあるご遺体が多いです。処置や修復に時間がかかり、会社に戻るのは21時を過ぎ、片付けや翌日の準備をして帰ると23時くらいになります。そんなこともあってブログの更新がなかなかできずにいます。(スミマセン。言い訳です・・・。)

毎日3~4件施行しているわけではないのに、何故か忙しい感じがしてしまいます。(1件の日もあるのに)
そしてブログを書いているときには、苦しかったことや辛かったこと、悲しかったことばかりを思い出してしまいます。
心が弱っているのかな?


・・・今日もこれからはりきって?業務に行ってまいります。





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変わり果てた姿

2006-07-06 17:38:52 | Weblog
ある日の朝。葬儀社さんから

「これから直ぐに来れますか?」

「交通事故死で遺体の損傷が激しいので湯灌はできないと思います。処置重視で納棺をお願いします。」

と連絡をいただきました。
故人様は19歳の男の子です。


先輩と現場に向かう中、湯灌をして髪や顔、身体に付着した血液を洗い流してから着付をしようなどと打ち合せをしました。(湯灌をしたほうが綺麗になるので・・・)
現場に到着。

父親と故人様の兄弟、お友達、ご親族で20名くらいいらっしゃいましたが、故人様の死を受け入れることができず、家の中は静まりかえってました。
ご家族の皆様にご挨拶をした際、父親が、

「母親は海外旅行に行っていて今夜、戻ってきます。」

「顔は見えないようにしてください・・・。妻が見たら気がおかしくなるかもしれませんから・・・」

と言われ、

私たちは、

「故人様を確認させていただき、できる限りの処置をさせていただきます。」

と告げて、父親の言葉などから損傷や出血があることが予測できましたので、ご家族には処置の間、別室に移動していただき、お部屋を閉めきって処置に入らせていただきました。


故人様は、ビニールシートの上に安置され、大きなシーツに包まれていました。捲ってみると・・・
上半身(顔含む)は黒焦げになっていて表現は悪いですが、炭のようになっていました。髪は焼けて無くなり、目・鼻・口・耳も焼け潰れてました。
思わず、『うわぁ』と声が出てしまいました。
ご遺体の損傷は想像をはるかに超えていて、私たちは故人様を眺めるだけで、しばらく動けませんでした。
(あとから聞いた話ですが、衝突した際、車が炎上してしまったそうです。)

予定していた湯灌は中止し、処置重視に切り替えました。
衣類は身につけていませんでしたので、首から下は焼け焦げた皮膚が落ちないように処置ビニールで巻き、そのうえから通常通り、経帷子を着付けました。

問題は首から上です。
先輩は特殊メイクも検討していましたが、骨格もなくなり、炭のようになってしまったお顔に特殊メイクを施しても生前同様にはならないと判断し、首から上は包帯で巻かせていただきました。
納棺式もご家族の心情を考慮し、立ち会っていただくことは避けました。


・・・父親に事情をお話し、生前のお写真を棺の窓の上に置き、棺の窓から中が見えないようにすることにしました。

私たちが処置をする前の焼け焦げ、変わり果てたお顔をお見せしなかったことは、母親のことを考えると良かったのかもしれません。



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同級生の死

2006-07-04 17:36:05 | Weblog
朝から早出業務が入ってしまい、ブログの立ち上げが遅くなってしまいました。(昨日はおやすみもさせていただいて)
スミマセン・・・・。
今日は、私が湯灌のお仕事をする前の「同級生の死」のお話です。



高校の同級生の男の子が死んだと連絡が入りました。
死因は交通事故死です。
高校時代の○○君のことを思い出してみると・・・スポーツも勉強もでき、そして明るくて優しい男の子でした。
○○君が死んだという連絡は信じられませんでした。

お通夜の日時を確認して友達と待ち合わせし、葬祭ホールへ行きました。
お通夜の1時間前に到着したこともあり、お身内の方らしき人しか来ていませんでした。
祭壇の前に○○君のご両親がいらっしゃいました。
私たちはご両親にお悔やみを述べさせていただき、お母さんと少しだけ話をしました。

お母さんが、

「顔を見てやってください。」

とおっしゃられたので対面させていただきました。


顔は無傷で高校のときと変わらない表情、まるで眠っているかのようで、亡くなっているようにはみえませんでした。お母さんの話によると体の損傷もなかったそうです。
海岸沿いを夜間、車で走っていてコーナーを曲がりきることができず、海へ転落してしまったそうです。



○○君の葬儀が終わり1週間くらい経ってから知ったことですが・・・
遺書が出てきたそうで、死因は自殺だったそうです。

大学卒業後、職場で知り合った年上の女性とお付き合いしたそうですが、その女性には彼がいたそうです。しかも、その彼というのは○○君の職場の上司だったそうです。
その上司は○○君が自分の彼女にちょっかいを出したと勘違いし(事実だったかもしれませんが)、○○君を追い込んだそうです。(かなり怖い人だったらしい)

彼女に裏切られた?ことがショックだったのか、上司に追い込まれたことで精神的に辛くなったのか・・・
それにしても死ぬことはなかったのに・・・
高校時代の○○君は、精神面が弱いタイプではなかったですし、本人にしか分からない何かがあったのだと思います。




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公休日

2006-07-03 09:44:10 | Weblog
いつも「遺体屋の仕事」を閲覧いただき、ありがとうございます。
本日、茜さんはお休みをいただいております。

明日は出社いたしますので通常通り、アップさせていただきます。(病欠しなければ)

ヒューマンケア株式会社 管理部





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おはようございます

2006-07-02 09:59:39 | Weblog
いつも「遺体屋の仕事」を閲覧してくださる方、書きこんでくださる方、応援してくださる方、本当にありがとうございます。
今日は、書きこんでいただいた方からのご質問・ご要望についてお応えしたいと思います。

①>空白行がやけに多くて読みにくい。

<完璧に対応できるかどうか自信はありませんが、努力いたします。

②>2006-07-02 08:49:27からの質問について
私もちょっと疑問が。読解力の乏しい私にどうか教えて下さい。
開いてしまった傷口から見えるのは、ギッシリと詰められた新聞紙よりも「先」に、ゴム手袋・タオルが見えるんじゃないでしょうか。
手袋をしながら新聞紙を詰め込んだ後、手袋を外し、遺体の腹部に詰め、手を拭い、タオルを詰めるのが自然ですよね?
とすると1番上(お腹側)に入っているのはタオル若しくはゴム手袋ですよね?
でも茜さんの書き方は、ギッシリと詰め込まれた新聞紙→ゴム手袋ですよね?
これは、「新聞紙ならまだしもゴム手袋まで入っていた」という事を強調する為、倒置的に文章を書かれているからではないでしょうか?
また
>私が一番許せなかったのは・・・
という書き出しからも、ゴム手袋の件が強調されている事が解ります。
何故強調する必要があったのでしょうか?
事実をありのまま書くと面白みに欠けるからではないのでしょうか?
それと
>解剖の際に使用していたものかどうか分かりませんが
>(明らかに自分の手を拭いたもの)
解剖の際には使用しなかったかもしれないが少なくとも自分の手は拭いていたタオルが入っていた。
と読み取れます。
これはどうしても監察医を悪者にしないといけないから?
この2点がちょっと疑問です。
宜しくお願い致します。


<お腹の中に新聞紙や手袋、タオルが敷き詰められていたことは事実ですが、最初に目に入ったのが新聞紙、出血箇所の消毒・処置をしていたときに目に入ったのが、手袋・タオルだったと記憶しています。
私が湯灌をさせていただいた故人様の担当医師については、許せない感情を持ってしまったことは事実ですが、解剖をされるすべての医師を批判するつもりで書いたわけではないことをご理解いただけると助かります。
ただ、私の書いたブログで気分を悪くさせてしまったようでしたらお詫びいたします。

・・・今後も私の実経験をブログに書いていきたいと思いますが、なるべく質問や要望にお応えできるよう頑張ります。
ただ、私のプライベートに関する質問は、できることなら遠慮していただけると助かります。

これからも宜しくお願いいたします。






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モラル

2006-07-01 09:44:48 | Weblog
首都圏葬祭ホールでの湯灌です。
故人様は50歳代女性で死因は不明です。(情報がありませんでした。)
解剖されていて、腹部から出血しているとのことで早めにホールに入らせていただきました。


・・・故人様は浴衣を身に着けていましたが、その浴衣の胸元あたりが赤く血で染まっていました。直ぐに浴衣をお取りし、処置に入らせていただきました。
出血箇所は既に乾いていて問題ありませんでしたが、縫い方が雑で縫い目から新聞紙が出ていました。今までに何度か解剖後のご遺体を見てきましたが、一番、酷いです。
更に出血で汚れている部分をアルコールで拭いていると糸が解れてきました。
開いてしまった腹部には新聞紙がギッシリ詰められていました。これは多分、出血防止のために入れられたもので仕方ないのかもしれませんが、人体に新聞紙、個人的に少し抵抗があります。
私が一番許せなかったのは・・・
解剖の際に使用していたものかどうか分かりませんが、ゴム手袋や汚れたタオル(明らかに自分の手を拭いたもの)、おしぼり等がお腹に入れられていたのです。
これは、どんな理由があってもやってほしくないことです。


先輩は縫合もできますが縫合はせず、処置テープを傷口に張り、開いた箇所と縫合箇所すべてを隠しました。



・・・処置が終わり、通常通り湯灌を執り行わせていただきました。
立ち会われたご家族・ご親族様は、

「入院中、お風呂に入れなかったから綺麗にしてあげられてよかったぁ」

と喜んでくださいました。


何らかの理由があって解剖されたのだと思いますが、担当された医師のモラルの低さにガッカリしてしまいます。



残されたご家族が事実を知ってしまったら・・・
亡くなられた故人様も悲しまれていると思います。







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