遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

血が止まらない

2006-06-08 08:51:45 | Weblog
千葉県某所・・・
故人様は58歳男性でガンを患い、お亡くなりました。


・・・お身体のお清めとシャンプーがおわり、顔剃り(髭剃)のときに事件は起きました。
一枚刃で念入りに剃っていると・・・

グサっ・・・・・???

まさか???

髭が引っ掛かり、右頬を切ってしまいました。
髭の濃い故人様だったのでシェービングクリームをタップリ塗り、皮膚と髭に馴染ませたのに。

切れた場所からはジワッと血が滲み出てきてきました。ご家族も出血に気がつき、ご遺族のひとりが、

『血が出てしまいましたね!』


私は何も言えず、『あ~、やってしまった・・・』と思いました。


すかさず先輩が『故人様、皮膚が弱くなっており出血しやすくなっております』(フォローになっているようでなっていない)と説明。皮膚が弱くなっているのは分かるが、切ったのは私である。ご遺族もそう思ったはずである。


しかし喪主様は、『髭が濃いからしょっちゅう切っていたんですよ』と言ってくださり、出血も先輩が止血し、クレームにはならなかった。


着せ替えがおわり、お化粧をする際、黄疸をきれいに隠し(私が切ってしまった頬の傷も)ご家族も『元気だったときの顔になった。』と喜んでいただけました。



・・・故人様、ごめんなさい。






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