遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

余命宣告

2006-06-24 10:07:13 | Weblog
首都圏某所。
故人様は50歳男性で、死因は肺ガンです。

ご自宅での湯灌で14時に予約をいただいていたため、13時30分に訪問させていただきました。
奥様と大学生の息子さん、高校生くらいの娘さんが2人いました。
いつものように機材の搬入等、湯灌の準備をすすめました。


・・・湯灌を開始し、シャンプーをしていると奥様が

「何で言ってくれなかったの?」

と涙しながら独り言を口にされました。

私は「・・・???」


その後のご家族の会話を聞いていると・・・
故人様は余命宣告を受けながら、そのことを奥様と娘さんには話さなかったそうです。長男にだけ、告げていたそうです。
余命宣告を受けてから約1年、最後まで仕事をやめず、普通に生活をしていたそうです。ご家族が病気のことを知ったのは、お亡くなりになる3日前のことだったそうです。


これは私の想像ですが、故人様は奥様や娘さんたちに心配をかけさせたくないと黙っていたのだと思います。
ただ、そのことを話してもらえなかった奥様の気持ちはどうだったのでしょうか?
故人様は奥様に話すべきだったのでしょうか?
これは私には未だにわかりません。

また、長男の心中はどうだったのでしょうか。ガンを患いながら普通に日常生活を送っているように振舞う父親をどのように見ていたのでしょうか?


私がご家族の立場だったら・・・
辛く受け入れたくはないですが、病気のことを教えてほしいし、一緒に病気と闘いたいと思います。

私が故人様の立場だったら・・・
とても自分だけで処理できず、家族に話してしまうと思います。





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