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オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

続・製品製作 納品したのでホッと一息中

2013-02-28 04:13:42 | 工作

「久しぶりの製品製作」の続きの続きの続き・・くらい続いている製品製作です.

マキノのフライス盤を初めて使うのでやり直しの効く小物の製作からと書いたのが2月の16日.




フッ素樹脂(PTFE)を削った痕のバリ.
金属ならヤスリ掛けできれいになりますがフッ素樹脂の場合は削るよりカッターナイフなどで切り取る方が
きれいになります.

ただ手作業なのでどうしても均一に切り取る事が出来ないのが難点.


(紙にかいてある数字は削る量を書き記したもの.普通の人は頭に覚えて削っていくもの.イチイチ書き留めないと
アカンほど,アカンオッサンです)


きれいに縁のバリをとる方法が無いかと考えていたら以前,友人から貸してもらったプラスターボード(壁材)の
縁を削るカンナを思い出しました.


時間が無いのに寄り道するのは気が引けますが,あとあと作業がはかどるので,ベビーカンナを作る事にしました.

バイスに木の角材を咥えさせてマキノで削ります.
マキノで木を削るというちょっと贅沢な加工に若干違和感を感じます.




反対側も斜めに削って・・・
木くずにまみれるマキノがちょっと可愛そうに思えます.




面取りする側です.V字に削ってます.




裏側はカッターナイフの刃を取り付けてあります.
(カンナの刃にするにはカッターナイフの両刃のままでは具合が悪いので,グラインダーで片側削って
片刃に研ぎ直してあります)




フライス盤で削ったフッ素樹脂をこのベビーカンナの上をスッと滑らせると,つきだした刃の分だけきれいに
面取り(バリ取り)出来るというわけです.(均一に切り取れるのが気持ちイイです)






さて,旋盤で加工したワークをフライス盤で削る訳ですが,図面通り削るには原点を探す必要があります.

この場合は丸くくりぬいた円の中心.
くりぬいているので実際には何も無いので“仮想点”になります(実際には無い点)・

フライス盤の主軸に付けるテストインジケータ(てこ式ダイヤルゲージ)も10年くらい前に入手したもの.
ようやく日の目を浴びました.




先ずは大まかに中心に合わせる訳ですが,中心ズレの許容範囲が数ミリなのでなかなか厄介です.

コンマ数ミリに収まれば,ぐるっと主軸を回して前後左右のズレが数十ミクロンになるように
テーブルを移動させます.




地味な作業ですが,大切な行程です.
原点が出ればデジタルカウンターの“X”と“Y”をゼロリセットして原点を定め,そこから図面指示に従い削っていくと
言う訳です.


そんなこんなを経てようやく完成.


(完成品は諸般の事情でお見せ出来ないので一部をちょっと)



すこし気持ちも楽になりました.

ではまた

ハワイのすばる天文台から帰省した幼なじみをイジル会(並ちゃんを囲む会)開催と9万キロを越えたヴェクスターオイル交換

2013-02-20 04:25:28 | 日記

このブログにも時々出てくるハワイの「国立天文台ハワイ観測所」に勤める幼なじみの“並ちゃん”

毎年この時期に帰省してきます.


「国立天文台ハワイ観測所」
通称“すばる天文台”

『そこに勤めてるというと,ごたいそうに聞こえますが勤め先が天文台というだけで,至って普通なヤツです・・・』
って前回ブログに書いたけど,あれから早一年近く経った.


並ちゃんが帰ってきたのでいつもの焼き肉宴会.




前回からあっと言う間の一年.

それでも,それぞれの一年.

代わり映えしないようでいて,それぞれの一年が過ぎた.


お酒が何よりも好きやけど,お酒の飲み過ぎがたたって蕁麻疹が出て禁酒中のツレ.




バトルロードの店長は並ちゃんが昔務めていたSBS(スズキのバイクショップ)の先輩.
バトルの店長もこの一月に店を移転し新店舗で心機一転がんばっている.




二人の娘(中学と小学生)が新体操をしていて,いまや大阪で一位.
全国区クラスでがんばっている娘達を思い,好きなバイクにも乗らずにお父さんもがんばって働いて
一生懸命応援しに行っている.




昨年はここで笑っていたあの人は,もういない.




そして,我が家には友和子(とわね)という娘が生まれた.




一年に一度やけど,昔話や身の上話に花が咲いて楽しい.


(寅次郎は目の前のササミ巻きガムに夢中です)


主人公の並ちゃん.
遠く離れたハワイでの生活はちょっと想像もつかないけど,何より奥さんのがんばりが大きい.
こいつは今年も酔いつぶれて真っ先に寝てしまいやがった.

彼は2007年に何と日本からホンダの50ccのモンキーを分解して手荷物でハワイに輸出するという偉業を成し遂げた.
そんなことを綴ったブログも今は「ハワイのゴキブリ」ネタで更新が止まっている.
がんばれ並ちゃん.(と,プレッシャーを与えておく)





並ちゃん一家からお祝いに貰ったキリンさんのぬいぐるみ.
フワフワしてむっちゃかわいい.




宴会の度に我が家の唯一の居住空間であるこの部屋が油ギッシュになってきます.
ここにも排煙装置が必要みたい.




彼がハワイに転勤する際に譲り受けたスズキのヴェクスター125が私の通勤バイク.

あれから十数年.
とうとう9万キロを越えた.




4万キロの時にエンジンAssyを載せ替えたので今積んでいるエンジンは2号機.
それとて5万キロを越えた.

オイル交換時期に来たので今日交換を行った.

“オイルはエンジンの血液”と言うけど,栄養を運んでいるわけではないのでちょっと違うかな.

「安いオイルをまめに換えるのが良い」という人がいますが,私はそうは思わない.

「それなりに良いオイルをふつうに換えるのがいい」かな.

良いオイルを入れているエンジンは摩耗しても摺動面がピカピカしている.


オイル消費が激しいヴェクスター.
オイル切れでクランク焼き付いて1万キロでもおシャカになるエンジンですが,良いオイルをちゃんと換えてあげると
長持ちしてくれる.




シートをカラスにつつかれて穴が明いてるけど,まだまだ現役でがんばってくれています.

ではまた.


初めての友和子(とわね)の寝返りと水曜どうでしょう

2013-02-16 06:55:00 | 赤ん坊
友和子(とわね)ももうすぐ生まれて6ヶ月になります.

生まれて家に帰ってきてベビーベッドに寝かせたときに
「こんな大きなベッドは要らんのとちゃう?」なんて思ったものです.




あれから半年.
先日寝ている姿を見たときにベッドが小さく感じました.
やっぱりベッドのサイズはこれくらい必要ということに気付かされます.




時折グズル時があります.
眠りにつく前もそうですが,かまって欲しいときのもグズルみたいで,少し自我が生まれてきたようにも
思えます.

温もりを感じるとやっぱり安心するみたいで,抱っこすると機嫌もスッと良くなります.



北海道出身のとら母と結婚したてのころ,道民なら誰しもしっている「水曜どうでしょう」というテレビ番組があるのを
教えてくれました.

大泉洋さんが今のようにまだ有名で無い頃,初めて見たときにその話術のすごさに関心しました.
最近はドラマにもよく出ていますが,あの人の良さはやっぱりアドリブでのトーク.
素早い返しを見ると「頭良いんだろうなあ」と思ってしまいます.

いまでもYoutubeで“水どう”を見つけては二人で見ているのですが,最近は友和子も一緒に見るようになりました.




当然意味はまだ分からないと思いますが,もの心付いた時にあのオープニングのテーマソングと大泉洋さんの声に
懐かしさを感じるのではないかなあと思っています.





今日(2/15)初めて寝返りをうちました.




足からクルンと返して・・・




体を起こそうとするのですが腕が絡まって,なかなか・・・・




やっとのこさ寝返りがうてました.




仰向けに寝るよりも,今はこの姿勢の方が楽しいみたい.

少しずつ成長していくことも嬉しいですが,人並みに成長してくれているということは健康だという証みたいに
思えます.




娘の成長を見て喜ぶバカ親の日記でした.
千葉のとら母のお父さん,お母さん.そして妹達へ,友和子は元気ですよ.
とら母も毎日ポテチを食べて元気ですよ.
(ローアングルでの撮影にEOS Kiss X6iのバリアングル液晶で撮影しました.こういった撮影には本当に
便利な機能です.ぱるぷのオーナーさんありがとう)


納期に追われて製作していた治具製作の話のその後はコチラです.

ではまた



「製品製作」の続き マキノのフライス盤KVJP-55の初仕事

2013-02-16 06:41:50 | 牧野(マキノ)フライス KSJP KVJP


「久しぶりの製品製作」の続きです・・・・という日記を書いて何日も経ちますが,未だ続行中です.


今回製作しているものは二枚の薄い円盤状のものをズレなく貼り合わせるための治具です.

円盤状のワークがキッチリと収まるポケットの加工が重要で旋盤で切削しています.




フッ素樹脂(PTFE)は柔らかくて切削しやすいくて良いのですが,熱膨張が非常に大きいのが厄介な所.

線膨張係数が10E-5/℃.鉄が11.8E-6/℃なので桁が一つ違うほど大きいです.

気温15℃ほどのガレージで,冷たいアルミ板に取り付けられた樹脂を旋盤切削しても,チャックを外して
翌日にはめてみるときつくてはまりません.

試しにストーブの前に置いて10℃ほど温度差を作ってやって計測したところφ200mmの外形で0.3mm違ってきます.

実使用温度でクリアランスを0.2mmを持たすためには加工時の温度で+αの切削が必要になります.

このあたりは経験値がものを言う世界.
初品からバッチリなモノができることは少なく,二三度の再作成で形になっていく場合が多く,単品モノのコストが
高く付く理由の一つでもあります.


一旦旋盤のチャックから外したモノを再び旋盤にチャッキングさせてもすんなりセンターは出ません.

ダイヤルゲージで振れを取ってやる必要があります.
取り付けネジを少し緩めてゴムハンマーで“あっち叩き,こっち叩き”して振れをとります.

切削は数十秒ほどですが,このセンター出しはその何十倍も時間が掛かります.
イィ~ってなります.




旋盤の手前のハンドルの目盛りの1目盛りが0.05φmmの切削です.
これは刃物を動かして切り込む量が直径で0.05mm削れると言うことです.
実際には半径分しか動かさないので0.025mm=25ミクロン刃物を動かしているということになります.



さらに言えば25ミクロン刃物を切り込んでも刃先ではスリップして切れなかったり,それ以上食い込んで
削り過ぎたりしていて,マクロメーターなどで測ってみると目盛り量と削れ量に差がでることに気付かされます.

職人はこれを経験で加減してしまいます.


経験の無い私は,サボらず削っては時間をおいてはまり具合をみて,またチャッキングして削ってを繰り返すしか
ありません.


プラスαで旋盤加工が終わり次はフライス加工です.

ただマキノのKVJP-55は搬入したときのまま.
準備が整ってい無い状況でしたがとりあえず使用するみることにしました.


先ずは手元だけでもきれいにしてあげます.
自動車用のワックスを掛けてあげました.

“世界の牧野”
マキノの顔である「MAKINO」のエンブレムが誇らしげに思えます.




牧野純正のデジタルスケール.
最小読み取りは5ミクロン.
実際のテーブルの移動量を直読してくれます.古いタイプですがあるのと無いのでは大違いです.
30年あまりの長年の油汚れや手垢を取ってあげました.




津田駒の油圧バイス.
台形ネジでの締め付けだけで無く油圧でも締め付けられるので,より確実,強固に固定できる優秀なバイスです.
普通のミーリングバイスよりも高価ですが,これを使っていた元の所有者はきっと工具にもこだわりがあったのでは
ないかと思います.
丁寧に使われていたのがそれを物語っている気がします.





手始めは失敗してもやり直しがく小物の加工です.




初めての切削.
操作を間違ってバイスに傷を付けないようにと必要以上に慎重になってしまいます.




長方形の形に外形を切削するのですが,ノギスで測定したときの“挟み感”がちょっと変.
直角が出ていないみたい.

搬入時に頭を90度倒して搬入したのを思い出しました.




目分量で直立させただけだったので直角が狂っていました.
当たり前な話ですが,段取りが全く出来ていないのがこういったことに現れてきます.

円筒スコヤがないのでテーブルを上下させて直角を見ます.
テーブルを上下させてもダイヤルゲージの針が全く動かなくなるまで主軸頭を調整します.




油圧バイスも底面にキーが入っているものとばかり思っていましたがキー無し.
なので単に置いただけの状態だったので見た目平行でもデタラメ.
(バイスの“平行キー”についてはコチラを参照ください)

ダイヤルゲージで振れがでなくなるまでゴムハンマー優しく叩いて微調整です.




こんな事をしながらフライス盤と戯れています.


初めてのフライス盤作業,むっちゃ楽しい!!


ひな人形を買いに「まっちゃまち筋」へ.表情と造りで選んだ 小出松寿@人形の熊野

2013-02-11 06:15:28 | 赤ん坊

この年で娘が生まれたせいか,子供の行事がいまいち分かっていません.

ひと月ほど前,職場の友人と話していて
「次はひな祭りですね」
そう言われて初めて女の子の節句が間近に迫っているのに気付きました.

機械いじりばかりしていたら一般教養に乏しいオッサンになってしまっていました.

とはいうものの依頼された治具の製作に追われ,具体的なひな人形選びは一向に進みません.
そうこうしているうちに友人達が飾り付けした話をSNSなどで見て,ちょっと焦りはじめました.

名付け同様,一生物で買い直しが出来ない物.
何が良いのかさっぱり分からず,ネットで見てもどれも同じようにしか見えませんでした.

先ずはネットで検索してみました.

たとえばコチラ
なかなか良心的なお店に見えたのですが,「良し悪しの答え」を知るにはメルアドを登録しないと
ダメなのを見て「なんだかな~」てことで止めにしました.


調べてみると悩まれている人が結構いました.

体験談を書いているのをいくつか見つけました.
参考にしようと読んでみたものの,コチラコチラコチラも,どれもお店で悩む所まで細かく
書いているのですが,結局何を買ったのかは誰も書いていませんでした.
買ったことで勢いが失せてしまったのでしょうか?


人形の良し悪しをマニアックに細かく説明したサイトが一つありました.

「ありきたりでない雛人形の選び方」

と言う名前のサイトですが,何故か今はリンク切れになって見れません.
一応アドレスです.
http://www.12danya.co.jp/t_3kazari_3erabu.html

ひな人形の着物をめくってまでも“造り”について詳しく説明してくれていました.
見られなくなったのは本当に残念です.(今日確認したら見れました)



少し予備知識をもって,大阪の松屋町筋商店街,通称「まっちゃまち筋商店街」に行ってきました.

どこからどこまでお店があるのか分からないので一度スルーして,一周してきて一番最初の店に入ってみました.

「人形の熊野」というお店.




ネットで通信販売しているお店では軒並み「品切れ」が多かったため,品薄だったらどうしようと
思っていましたが,普通に沢山置いてありました.

3階建てのこのお店.2階,3階の方が高級品が多いみたいです.




3階でも座敷のは段数が多いよりゴージャスなのが置いてありました.




2階,3階のは予算の倍するので一通り見て1階ので選ぶことにしました.

微妙な距離感を持って後を付いて来る人の影.

話し掛けてくるわけでもなく,かといって他の人と立ち話をするわけでもない.
ただひたすら一定の距離を保って付いて来ます.

店員さんでした.

一通り見たのでその店員さんに聞いてみました.
「“造り”が良いのが欲しいのですが,予算は○○円くらいで何が良いですか?」

そう言うと
「ご面倒ですがもう一度上の階にあがって頂いてよろしいでしょうか」
静かで落ち着きのある話し声の店員さんに促され再び3階へ.


二つの女雛を手に取り,顔や胴体の材料の違いや着物の裏地の処理や重ね着の造りなどについて
違いを説明してくれました.

生地の折り返しや足袋を履かせるなど見えない所への作り込みはやっぱり惹かれるものがあります.




重ね着のずらし方一つとっても,直線的にずらすのか,段々にずらすのかで製作時の手間が変ってきます.




この店で良い造りと勧められたのが「小出 松寿」(こいで しょうじゅ)作の人形だそうです.


頭(顔)を作る所はまた別で,お顔と着物を見て気に入ったのを選ばなければなりません.

“松寿作”(着物)といえど顔があってのひな人形.




基本的に同じ顔なのですが,手仕事で作るために微妙に顔つきが違います.
最初同じように見えていた顔も,よくよく見ていくと少しづつ表情に違いがあるように思えてきました.

どの人形よりも一番微笑んで見えたのがこの女雛でした.




着物は絹(シルク)ではなく化繊です.
絹を着ているおひな様もありましたが表情を見てもピンと来るものがなかったので選びませんでした.

飾り台や屏風,雪洞(ぼんぼり),桜・橘(お花)も組み合わせ自由なのでとら母と相談して選びました.


表情が微妙に違うひな人形なので,同じ仕様の未開封品では無く,今見て選んだこれを送って貰うように
お願いしました.




お世話になった店員さん




「人形の熊野」

宣伝しているようですが,今話題のステルスマーケティングではありませんよ.
(店内の撮影及び,ブログへの掲載はお店の許可を得ています)





たまたま入った一件目のお店で決めれたので良かったです.
さもないと,いつものように悩んで迷って延々とまっちゃまち筋を彷徨うところでした.

日も暮れて閉店間際のまっちゃまち筋商店街.




ではまた





「久しぶりの製品製作」のその後と充電ドリルドライバー(EZ7441LR2S) 足を認識しはじめた友和子

2013-02-08 04:20:42 | 工作

「久しぶりの製品製作」の続きです・・・・


フッ素樹脂(PTFE)の切削に続き,今度はアルミ棒材の旋盤切削.

太さφ20mmのアルミの棒材から頭がφ18mmで胴がφ10mm,長さが40mmほどの“キノコ”のようなものを
4個作ります.

それ自体はたいした加工ではないのですが,我が家の旋盤は少し大き目で,ちっちゃな部品を加工するには
まだまだ環境を整えないといけないところがあります.

細い棒に削ろうと思っても3爪チャックが大きすぎて掴めきれなかったり,刃物が当たって削れなかったり
といったことが未だにあります.

その都度,刃物を買ったり当たる所を削ったりすることで少しずつ加工範囲を拡充していっています.



長い棒を端を固定するためのツールに“回転センタ”というものがあります.
通常は先が尖った円錐形をしています.細い部品を削ろうとすると刃物が接触してしまいます.
これまでは何とか治具を作って凌いできましたが,今回は刃物が干渉しないように円錐の先っちょを思い切って
削ってやることにしました.

いわゆる「ローソク削り」というやつです.




先端を削るのも旋盤で削ります.

「自分自身の改良するために自分で削る」

こう言ったことから工作機械のことを別名「マザーマシン」(自ら生み出す機械)と呼んだりします.

“マザーマシン”・・・・ちょっとロマンのある呼び名だなぁと思ったりします.





ごまかして加工するのも良し,手を加えるて使えるようにするも良し.

本来時間の空いたときに改良していくのがベストですが必要に迫られないと出来ないのが中年の性.
納期が迫っている中で,今手間を掛けて良いものかと悩みますが,真剣な時ほど欲がでてしまいます


キノコが4個できあがり





少し前にオークションでパナソニックの充電ドリルドライバー(EZ7441LR2S)を購入しました.




「中古きれいです」と書かれてあったのですが,現物を見たらホントに使用感がほとんどありませんでした.
送料込みで2.5諭吉さんほど.
どうしてこんなものが出回るか不思議です.
どこか不具合がかくれてたりして・・・?





いまから10年ほど前,仕事で親会社のある部署に出向したときのこと.
大手電機メーカーのその事業所では,広い敷地内で新幹線のモーターや防衛庁向けの製品といった特殊な物を
製作していました.

機械工作部門の二階に事務所があったため,違う部門でしたが暇を見つけては機械加工をしている所を覗きに
行っていました.


簡易プログラミング式(らくらくミル)の大型フライス盤をベテランのおじさんが手際よく操作しているのを見てうっとり
したものです.


機械加工を終えた部品を工作機械から降ろして作業台に載せ,「面取りカッター」が付いた充電ドリルドライバーで
「チュイ~ン・チュイ~ン」っとリズミカルみ面取りしている姿を見て,すごくあこがれを持ちました.

いつか自分もあんな風に作業してみたい・・・


欲しい物は山ほどありますが,そうアレもコレも買うのは難しいもの.
でも,それでも少しずつでもいいから,そこに近付いて行ければなあと思っています.

そんな思いがつまった充電ドリルドライバーでした.





環境を整えながら作業を続けてきた「久しぶりの製品製作」ですが,納期の月曜の朝5時までがんばったのですが,
完成できませんでした.




先方に現状を報告してあと一週間納期を延ばして貰いました.

なので今週末も作業です.
週末はいよいよフライス盤の出番です.



最近の友和子(とわね)
生まれて5ヶ月半ほどになりました.




寅次郎との距離もグッと縮まっています.




首も座りうつぶせにするだけで喜ぶようになりました.
うつぶせでの「高い高い~」をするとむっちゃ喜びます.




最近足を触るようになってきました.
少しずつ自分の体を認識して行っているようです.




ひな人形も買いに行きたいなあ.

16日はハワイから友人が一時帰国するのでまたみんなで宴会します.

ではまた








続・久しぶりの製品製作 今日は柔らかなフッ素樹脂ですが図面寸法を追うのに疲れました.

2013-02-03 03:11:10 | 工作
昨日のブログの話の続きです.

貼り合わせ治具の製作.

先日はステンレスの切削に悪戦苦闘し煙りだらけになりましたが,今回は「真逆」.
フッ素樹脂の加工です.

フッ素樹脂
フライパンの焦げ付き防止のコーティングで有名な「テフロン」と言えば世間の人もご存じのはず.
「テフロン」はデュポン社の製品名で,材料名称でいうとPTFE( 四フッ化エチレン樹脂)になります.

樹脂の中で最も耐薬品製に優れ,自然劣化が全くなく,樹脂のくせに耐熱性も非常に高い樹脂です.


準備した材料は30センチ角で厚みは35mm.
比重が大きいので重いです.実測で7.5Kgありました.
お値段もこれで数万円です.




色は不透明の白色.
自己潤滑性が高く,ドライベアリングとして使ったり(バイクのフロントフォークの摺動部もこれでコーティング
してあります),非粘着性なのでテープを貼っても剥がれてしまいます.




失敗したら大変なので簡単にですが事前に工程表を作成しています.




先ずは切り出し.
厚紙で型を作りそれを貼り付けてコンターマシンで切っていきます・




昨日のステンレス板材を削る際にアルミの円盤に取り付けましたが,これも同じように円盤に取り付けれるようにします.

ボール盤で穴あけ後にヘリサートのタップもボール盤のチャックに咥えさせ,真っ直ぐにタップを立てるようにします.




ある程度タップが入ったらあとは手作業でも大丈夫.タップは容易に斜めに入ってしまうので注意が必要です.




当初M6のヘリサートを入れるためタップを立てていましたが,樹脂が柔らかくM8のヘリサートに変更.
設計通りには行かないものです.



下に敷いた新聞の「刑事コロンボ」の写真が目に留まり,小学生の頃,刑事コロンボが好きで,あのヨレヨレのコートが
欲しくて,テレビで見る度におふくろと「コロンボのコートが欲しいねん」,「今度買いに行こうね」と話したのを
思い出してしまいました.
幼い頃の思い出,ちょっと懐かしくなってしまいました.


アルミ円盤を治具にして旋盤にチャッキングしこれから加工していきます.





シュルシュルシュル~っと気持ちよく削れてくれます.
昨日のステンレスと違って楽チン.




切り粉は「はるさめ」そのもの.




内側をくり抜きドーナッツ状にするのですが,内径寸法が決まっているためにために目印をいれます.
間違ってしまうと一発でアウトになるので,全てに気を遣います.




中抜きは糸鋸を使います.




コンターマシンは帯状の刃がグルグル回っているのでいつも切断してくれますが,刃が上下に動いて切断する糸鋸は
実際に切るのは下に下がるときだけ.動作の半分しか切断に寄与しないので効率が悪いです.
刃も細いので3本も折ってしまいました.




旋盤で難しい作業と言えば「ねじ切り」と「内径切削」

「内径切削」が難しいのは削っている所が直接見えないためです.




ハンドルの目盛りを頼りに削っていきます.
内側を切削するのでハンドルの回す方向も外側から切削するのと逆になるため,間違いやすくなります.
念のため矢印も書い作業しました.




旋盤の熟練工は体で覚えているのでミスも無いですが,私のような「なんちゃって」は,いとも容易くハンドル操作を
誤ってしまいます.

二段の内径切削なので失敗して一からやり直しは非常につらいです.
高価な材料もパーですが,工数もパーになるので神経を使います.




実際にワーク(ガラス板)を挿入して入り具合,クリアランスを確かめていきます.




無事寸法が出てくれました.
明日も引き続き作業です.

がんばろっと

ではまた

久しぶりの製品製作 図面通りに仕上げるのは神経を使います.硬いステンレスは煙りがすごい

2013-02-02 03:06:51 | 工作
久しぶりに製品製作をしています.

依頼されたのは随分前なのですが,ご承知の通り貧乏暇無し.
忙しく着手出来ずにいたのですが年度末が近いこともあり今期中の決済で完了するようにとのことで
製作をはじめました.

依頼内容は「二枚の薄い板を精度良く貼り付けるための治具の製作」です.

「どんな作業者がやっても安定して貼り合わせられるように」
あれやこれや考えたて図面をひいてみました.




貼り合わせる双方にも大きさのバラツキ(寸法公差)があって,それをある精度で貼り合わせるというのは
図面を引いていても大丈夫なのかと不安になります.

不安な点があると作業もついためらってしまいます.


まだまだガレージの整理が終わっていないので,作業定盤の隅っこをチョコッと片付けて,そこでコヂンマリ
作業しています..




クリーン度が高い環境での使用なので金属材料はステンレス.
ステンレスは難削(削れにくい)なのでちょっと面倒.

皿ネジのザグリも刃物が全然食い込んで行ってくれません.
刃物が焼けないように切削用スプレーは必須.




切削用のスプレーもピンキリ.
左は600円ほどの安価なもの.
右は業界では有名なもので,名前が「ステンコロリン」
(間違って「スッテンコロリン」と書いていました.恥ずかしい)
ふざけた名前ですが,ちゃんとした商品です.こちらは2000円ほど.




なんたってうたい文句が「ステンレスが豆腐になりました」ですと・・・・.




ベース(土台)となるステンレス板材の表面を切削するために背面にアルミ板材をとりつけたのですが・・・・




旋盤にチャッキングして削ったらビビリまくって失敗.




表面はご覧の通り荒れ荒れ.




甘ちゃんな事をしてしまいました.
これくらい予測できないでどうするんだと言われても仕方ない加工手腕です.


気を取り直して手持ちの材料(といってもスクラップから回収してきたものですが・・・)の中で大きめの
アルミ円盤を使って再チャレンジします.




これなら大丈夫そう.




切削してもビビらなくなりました.
刃物が焼けないように切削スプレーを掛けながら削っていくのですが煙がすごい・・・・




モクモクと立ちこめる煙.

「霧にむせるガレージ」




体に悪そうなので暇が出来たら排煙装置を付けます.

一皮剥けたステンレス.
その“いぶし銀”的なクールな感じがステキ.




まだまだ製作は続きます.

納期が間近なので土日もこれに掛かりっきり.

ではまた.