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オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

4年ぶりの北海道 プリウスαにベッドキットを作ってみた 今年は純白の貴公子です。自作ベッドキット

2015-08-06 04:55:56 | 工作
26才の時、初めてバイクで北海道を旅しました。

バイクブーム&北海道ブームまっただ中で、楽しくて楽しくて、その後毎年北海道に行くようになりました。


とら母(嫁さん)と出会ったのも北海道でした。

結婚して、とら母も大型二輪を取って寅次郎を連れてみんなで北海道を旅しました。
寅次郎のお陰でいろんな人と話すことができました。

やがて親父が死に、おふくろが病気であることが発覚して北海道どころではなくなりました。
亡くなるまでの3年間はつらい日々でした。

おふくろの最期を看取った年にまた北海道を旅しました。
晴れやかな気持ちで旅に出れました。



なかなか子供ができなかった私たちにも、3年前に娘が生まれました。とても嬉しかったです。
バイクに乗ることはできなくなりましたが、それ以上に子供の存在は大きくて、そして今このときに一緒に
いることの大切さを感じると、今はそんなことしている場合ではないんだろうなと思いました。






でも旅をするならやっぱりバイクがいいです。

寅次郎が元気なうちにまたバイクに乗せて一緒に旅に出たいです。





今年はまだ無理なので来年は・・・・そんなことを思いながら今年は車で行くことにしました。


四年ぶりの北海道。


自然いっぱいのなかで寅次郎と戯れて、娘がいろんな公園で遊べて、とら母は美味しいものが沢山食べれて、
そんな旅になればと思っています。







車はプリウスαです。
真っ白なので“純白の貴公子”と呼んでいますが誰も共感はしてくれていません。

何度か車中泊をしましたがシートを倒してもフラットにならないので寝るにはつらいです。

長旅ともなると切実な問題になってきます。

なので、荷室をフラットにするために簡易ベッドを作ることにしました。




セカンドシートを前に倒しても荷室より12センチほど高いため、荷室を12センチ上げなければなりません。







車内高が高くないため、底上げはつらいところですが安眠には換えられません

荷室を上げるためにアルミフレーム材をつかってやぐらを組むことにしました。







ガレージで作業しているといつものように娘が遊びに来ます。
ドライバーが使えるわけではありませんが、穴があると棒の先をつっこみたくなるみたいです。
子供の感性は不思議なものです。







こんな感じのやぐらです。







アルミフレームはサイズは自在でいいのですが、ボルトで沢山固定しないといけないので組み立てるのは本当に面倒です。

で、車に乗せてみたら・・・・寸法を間違っていました。

12センチの高さのはずが、どこで間違ったかアルミフレーム材の材料幅の30mmだけ高くて15センチに
仕上がっていました。

分解するのも面倒。







材料を切り直してやぐらがようやく完成。







車に積むとこんな感じになります。







ベットになる部分は合板からきりだします。
タイヤハウスや何やかんやの出っ張りがあって形状を出すのが面倒です。







試行錯誤して作ったのがこれ。三分割です。







裏側です。
やぐらからセカンドシートに渡す合板は体重が掛かるとしなるので補強を入れています。






しなって左右が分離してしまうと隙間に身が挟まってしまったりするので、縁が切れないように互いにもたれ合うように
横棒を入れています。







先端も同様にバラバラならないように二枚の板を繋ぐようにアルミの板を曲げて“かまし”を作りました。







両者にかますことで、分離を防いでいます。







天井高は低いですが、たぶんこれで足を伸ばして眠れると思います。








寅次郎もお風呂にいれました。スッキリ男前になりました。









今夜(8月6日)家を出て敦賀発苫小牧行きのフェリーに乗ります。

道中、またブログを更新できればと思っています。

すごいところにも行きませんし、すごい日記も書けません。

ちょっとした公園が有れば立ち寄って遊んだり、寅次郎が走り回れそうなところがあったら止まってみたり。

綺麗な夕日をみたり・・・


この夏やりたいことがあります。砂浜に座って娘と夕日を見たいです。




では、また






LEDダウンライトのカバーリング 苦しんだ厚み0.3mmのステンレス板の加工 その1

2013-12-20 04:57:23 | 工作
電気工事屋をしている幼なじみから依頼されて製作したモノのお話.

リフォームでLED式のダウンライトに交換することになったのだが,天井に埋め込まれた古いダウンライトを
取り外すと,古い塗装面が出てきたそうだ.
以前の天井塗装の際に器具を外さず塗装していたため,器具で隠れていた部分は塗装がされていなかったのだった.




ここで問題が発生.
新しいダウンライトは古い器具よりも外径が若干小さくて,そのまま取り付けると古い塗装面が見えてしまう.
幼なじみが手配した器具なら同一外径の器具に交換も可能だったけど,お客さん自身が購入してきたものなので
それもできず,お客さんと相談してリング状のもので古い塗装面をカバーすることとなった.


電話で概要を聞き,どういったもので作るかの話しになった.
「厚みが1mmか2mmのアルミとかなら製作しやすいけど」そう言うと,お客さんの希望はステンレスらしく,
幼なじみが在庫している厚さ0.3mmのステンレス板で出来ないかと言われた.


「0.3mm!? 0.3mmはペナペナやで」 開口一発,出た言葉がそれだった.

「ステンレスは硬いし,薄いと加工もしずらいし,アルミなら・・・」 念押しで言ってみたけど

「こだわりのあるお客さんでヘアラインとかも良いねって言ってるんで,出来たらステンレスがいいんやけど」
申し訳なさそうに話す幼なじみ.





「どう? できるかなあ?」と聞かれる.

この「できるかなあ」という言葉.
モノ作りを生き甲斐にしている者にとって最も返事に困る問いかけではないかと思う.

ステンレス“板”というよりもステンレス“シート”みたいなやつ.
ペナペナな加工は面倒で厄介.理屈では出来そうやけど現実的に厳しい面も早くも想像できる.

「まあ何とか・・・・」 お茶を濁したような返事しか出てこなかった.



打ち合わせした寸法で図面を書いてみたけど,図面ではなんて事無い簡単な形状.
問題となるのはその作り方.
製作するリングよりもそれを加工するための治具の加工や段取りの方がボリュームが多いので,加工工程も
書いてみた.





丸いモノの加工は旋盤にとっては得意な加工.
薄モノ加工は旋盤にとって一番苦手な加工.
・・・シュールです.


ペラペラな板のままでは旋盤にセットできないので固定治具となる面板の製作から.
アルミ屑から拾ってきたフランジを流用します.
以前,同様に治具として使った面板なので一皮剥きます.




固定するためのネジの位置を方眼紙に書き,それを面板に貼り付けポンチを打っていきます.




ボール盤で下穴を開けてタップを立てる地味な作業.厄介な作業を前にするとテンションも上がらない.
タッパーが欲しい・・・(タッパー=容器のタッパーではなく,タップを立てるツール)




肌色に見えているのは合板.
合板を捨て板にしてアルミ板を取り付けて内径切削時に使う外押さえ板を作ります.




面板まで削ってしまわないようと挟んでいるこの合板.
あまり費用も掛けれないので合板を選んだけれど,これが後々悪い風に響いてくる.
このときそんなことなど考えてもみなかった




面板,捨て板,外押さえ板,内押さえ板.
一応役者が揃った.




主役のステンレス板.
厚さが0.3mmなら金切りばさみでも楽チン切れます.
単なる円盤なら金切りばさみで製作出来るものの,内側を丸く切り抜くとなるとちょっと無理.




面板に取り付ける為に穴を開けるのですが,薄いからバリが出て厄介です.




裏返して少し太めのキリで裏側に飛び出したバリをとろうとすると,また反対側にバリがでます.
ふ~





保護フィルムの間にもバリが入り込んだので,一旦剥がしてもう一度貼り直し.
何かに付け厄介なやつ.





面板に捨て板とステンレス板を内押さえ板でサンドイッチして旋盤にセットします.
何度か取り外すので芯出しもしておきました.




ステンレス板の外径切削です.
薄いペナペナなステンレス板なので,ある程度削ったら反り返ってバイトに絡まりバキバキ音を立てて,
そんでもって飛んできます.
4枚重ねなので一枚削る度にバキバキ音がして,顔めがけて飛んくるんで嫌な感じ.




試し切りを兼ねて加工したものの,想像とは違う切削状態と切り口に閉口.




このまま外径サイズまで削って行く気になれず作戦変更.

まあ,うまいこといきません.
ということで先は長い憂鬱な日々の始まりのモノ作りでした.

ではまた






“なんちゃって旋盤工”なので 旋盤によるネジ切りは真剣勝負 

2013-11-16 05:42:49 | 工作
依頼品の加工で久しぶりに旋盤と真剣に戯れる日々.

どこかの鉄工所でやってもらったら無残にも失敗したというので,友人を介して数ヶ月前に私の元に依頼が来ました.




アレコレ失敗箇所を「アハハ」と苦笑いしながら説明してくれる依頼者.
私も「アハハハ」と笑いながら聞いているけれど,自分が失敗しないと限らない.
同じように失敗すれば,次はどこかで笑われる羽目になる.
「明日は我が身」なので否応なしにハードルが上がってしまいます.


製作する部品の一つが棒の先っちょに取り付ける“延長する部品”.
先端にはピッチ1.0mmの逆ネジを切らないといけない.


雄ねじを切る方法は二つ.
ダイスと呼ばれる専用工具で切る方法と旋盤を操作して切る方法.
ダイスによるネジ切りはそのサイズに合ったダイスを買わないといけないですが作業は簡単.
対して旋盤でのネジ切りはギヤの掛け替えだけでいろんな種類のネジが切れるのですが,操作が複雑で面倒な
作業となるため,マニア以外はあまりやりたがらない方法です.




ダイスも細いネジ用なら2~3千円でありますが,今回のような太いサイズでしかも逆ネジでピッチが細かくなると
1万5千円くらいします.

工具代を上乗せしても良いと言われましたが,それも気の毒な話しなので久しぶりに旋盤でネジ切りをすることにしました.


プロの旋盤工ならすぐに頭の中で加工工程が描けるかと思うのですが,所詮は素人“なんちゃって旋盤工”
物覚えが悪いのに加え,物忘れも激しいので,先ずは加工工程を考えて紙に書き出してみます.

それを元に実際に削ってみると,いろいろと修正が必要なのが見えてきます.
修正を加えながら,作業をすすめていくわけですが,こういった所に必要以上に時間を費やしてしまうのもまた
素人なところ.

熟練者は正確に加工するだけでなく,短時間でやってのけるのがすごい所なのです.



先日ツールワゴンに取り付けた譜面台が役に立ちます.




ネジ切りも参考書を読み直して勉強し直しです.

旋盤でネジを切る場合,一回でネジが出来る訳ではなく,バイト(刃物)に負担が掛からないように,
少しずつ何度も何度も繰り返し削ってネジを形成します.

三角関数なんてので切り込み量に対して横にずらす量を計算なんかしたりします.



繰り返しの操作をしていると,「あれ? 今何度目やったかな?」と,記憶力の無さが露呈してしまいます.
なのでそのダイヤル操作も紙に書き出して間違いが起きないようにします.
要領悪いなあと自分でも感じます.




先ずは一個作ってみて要領をつかむことにしました.

少しずつネジを切っていくのですが,同じ位置で切り始めないとネジがなくなってしまうので
クルクル回る“ダイヤルインジケータ”を見ながら,所定の目盛りの位置に来たら“ハーフナットレバー”を
入れてあげないといけません.





クルクル回る目盛板に神経を集中し・・・・・





「ここぞっ」てところで“ハーフナットレバー”を入れてやります.




こんな事を地味に繰り返しネジを切っていくわけです.




地味な作業と言いつつも,単なる鉄の棒がネジに変わっていく様は何とも言えない気持ちにさせてくれます.


何個か失敗作を作った後に一つ出来たので,あとは失敗のリスクの少ない所で工程を分けて製作しました.
同じ作業を繰り返すことでも失敗のリスクが減ることが実感できます.





下ごしらえをした部品で最後のネジを切り損じたら一から作り直しになるので,誰も来ないときに一人で作業します.

私にとって“真剣勝負”.





図面が与えられるわけでもなく,寸法公差は依頼者の“このくらい感覚で”.

図面公差を追うのも難しいですが,依頼者の意図を想像しながら仕上げないといけないのは,作業ごとに迷いと悩みが
つきまといます.

純然たる機械加工の難しさではない,難しさ.
辛くも有り楽しくも有りってな感じです.




まだまだややこしい作業が続きます.
ではまた

マニアのこだわり「黒染めの鉄のマイナスネジ」 

2013-05-04 04:28:11 | 工作
4月に入ってから,ある方から依頼を受けた加工をGW前半まで掛かって行っていました.

友人から紹介されたその方は,あるジャンルの“超”が付くくらいのマニアの方.

作業内容は既製品のユニットの載せ替えのための追加工と小物部品の製作.
高価なユニットへの追加工は失敗すると目も当てられないのであまり好きではありません.




小さなスリーブをアルミ棒材から製作.




さほど難易度は高くないですが,小さい部品は肉薄だけあって加工時に潰れてしまわないかと,神経をつかいます.





私はこれまでがバイクの改造が趣味だったせいもあり,扱う素材はアルミが多く,次いでステンレスになります.

アルミが優れているのはその軽さ.
金属の中でも比較的柔らかい素材なため,溶接が出来る設備がある人なら塗装なしでも鉄のように赤さびに
まみれる事も無いため,この上ない素材です.


汎用材でサビに強いといえばステンレス.
ボルトなどはバイク用だけでなく屋外で使用する製作品にはステンレス製を積極的に利用するようにしています.

なので重くてサビやすい“鉄”のネジや素材は我が家にはほとんど置いていません.



しかし今回の部品の組み付けに,いつものようにステンレス製のネジで取り付けたところ依頼者から「待った」が
掛かりました.

ステンレスは「黒染め」が出来ないのでだめとのこと.
素材は「鉄」で,できるならばネジの頭は“マイナス”にして欲しいと言われました.

「マイナスネジ」ってドライバーの先端が滑って締めにくく,今では滅多にお目に掛かれません.


その世界のこだわりというか,マニア度合いがプンプンします.


ハーレー乗りがアルミ部品を嫌うのに近い感覚でしょうか.
彼らは“クロム”と称して鉄にクロムメッキを施したパーツを好む傾向にあるようで,「鉄は重いよ」と言っても
「ハーレーはアイアン(鉄)ホースだからアルミは似合わない」と言います.



必要なのは低頭でかつ,マイナス頭のM4ネジ.
元になる鉄製のネジなど在庫が無いので買ってきました.

我が家の旋盤の三爪チャックでは掴めない大きさなので,姑息な手段ですが小さなチャックの二段つかみです.
プロが見たら笑われます.

棒材を治具にしてM4ボルトをセットして切削します.




六角のM4ボルトの頭を丸くそして薄く削ります.




「マイナスネジ頭」はコンターマシンで切り目を入れることで加工します.
切れ目の位置も切り込み深さを目分量なので慎重に加工です.




こんな感じです.




GW前半でようやく完成し無事納品.
どのジャンルもそうですが,マニアックな人と話すのは,何かワクワクして楽しいです.




昨今世間では安さを第一に言われますがマニアの方はこだわって仕事をすれば,よろこんでもらえるので,
やっていて楽しいです.


ではまた


続・製品製作 納品したのでホッと一息中

2013-02-28 04:13:42 | 工作

「久しぶりの製品製作」の続きの続きの続き・・くらい続いている製品製作です.

マキノのフライス盤を初めて使うのでやり直しの効く小物の製作からと書いたのが2月の16日.




フッ素樹脂(PTFE)を削った痕のバリ.
金属ならヤスリ掛けできれいになりますがフッ素樹脂の場合は削るよりカッターナイフなどで切り取る方が
きれいになります.

ただ手作業なのでどうしても均一に切り取る事が出来ないのが難点.


(紙にかいてある数字は削る量を書き記したもの.普通の人は頭に覚えて削っていくもの.イチイチ書き留めないと
アカンほど,アカンオッサンです)


きれいに縁のバリをとる方法が無いかと考えていたら以前,友人から貸してもらったプラスターボード(壁材)の
縁を削るカンナを思い出しました.


時間が無いのに寄り道するのは気が引けますが,あとあと作業がはかどるので,ベビーカンナを作る事にしました.

バイスに木の角材を咥えさせてマキノで削ります.
マキノで木を削るというちょっと贅沢な加工に若干違和感を感じます.




反対側も斜めに削って・・・
木くずにまみれるマキノがちょっと可愛そうに思えます.




面取りする側です.V字に削ってます.




裏側はカッターナイフの刃を取り付けてあります.
(カンナの刃にするにはカッターナイフの両刃のままでは具合が悪いので,グラインダーで片側削って
片刃に研ぎ直してあります)




フライス盤で削ったフッ素樹脂をこのベビーカンナの上をスッと滑らせると,つきだした刃の分だけきれいに
面取り(バリ取り)出来るというわけです.(均一に切り取れるのが気持ちイイです)






さて,旋盤で加工したワークをフライス盤で削る訳ですが,図面通り削るには原点を探す必要があります.

この場合は丸くくりぬいた円の中心.
くりぬいているので実際には何も無いので“仮想点”になります(実際には無い点)・

フライス盤の主軸に付けるテストインジケータ(てこ式ダイヤルゲージ)も10年くらい前に入手したもの.
ようやく日の目を浴びました.




先ずは大まかに中心に合わせる訳ですが,中心ズレの許容範囲が数ミリなのでなかなか厄介です.

コンマ数ミリに収まれば,ぐるっと主軸を回して前後左右のズレが数十ミクロンになるように
テーブルを移動させます.




地味な作業ですが,大切な行程です.
原点が出ればデジタルカウンターの“X”と“Y”をゼロリセットして原点を定め,そこから図面指示に従い削っていくと
言う訳です.


そんなこんなを経てようやく完成.


(完成品は諸般の事情でお見せ出来ないので一部をちょっと)



すこし気持ちも楽になりました.

ではまた

「久しぶりの製品製作」のその後と充電ドリルドライバー(EZ7441LR2S) 足を認識しはじめた友和子

2013-02-08 04:20:42 | 工作

「久しぶりの製品製作」の続きです・・・・


フッ素樹脂(PTFE)の切削に続き,今度はアルミ棒材の旋盤切削.

太さφ20mmのアルミの棒材から頭がφ18mmで胴がφ10mm,長さが40mmほどの“キノコ”のようなものを
4個作ります.

それ自体はたいした加工ではないのですが,我が家の旋盤は少し大き目で,ちっちゃな部品を加工するには
まだまだ環境を整えないといけないところがあります.

細い棒に削ろうと思っても3爪チャックが大きすぎて掴めきれなかったり,刃物が当たって削れなかったり
といったことが未だにあります.

その都度,刃物を買ったり当たる所を削ったりすることで少しずつ加工範囲を拡充していっています.



長い棒を端を固定するためのツールに“回転センタ”というものがあります.
通常は先が尖った円錐形をしています.細い部品を削ろうとすると刃物が接触してしまいます.
これまでは何とか治具を作って凌いできましたが,今回は刃物が干渉しないように円錐の先っちょを思い切って
削ってやることにしました.

いわゆる「ローソク削り」というやつです.




先端を削るのも旋盤で削ります.

「自分自身の改良するために自分で削る」

こう言ったことから工作機械のことを別名「マザーマシン」(自ら生み出す機械)と呼んだりします.

“マザーマシン”・・・・ちょっとロマンのある呼び名だなぁと思ったりします.





ごまかして加工するのも良し,手を加えるて使えるようにするも良し.

本来時間の空いたときに改良していくのがベストですが必要に迫られないと出来ないのが中年の性.
納期が迫っている中で,今手間を掛けて良いものかと悩みますが,真剣な時ほど欲がでてしまいます


キノコが4個できあがり





少し前にオークションでパナソニックの充電ドリルドライバー(EZ7441LR2S)を購入しました.




「中古きれいです」と書かれてあったのですが,現物を見たらホントに使用感がほとんどありませんでした.
送料込みで2.5諭吉さんほど.
どうしてこんなものが出回るか不思議です.
どこか不具合がかくれてたりして・・・?





いまから10年ほど前,仕事で親会社のある部署に出向したときのこと.
大手電機メーカーのその事業所では,広い敷地内で新幹線のモーターや防衛庁向けの製品といった特殊な物を
製作していました.

機械工作部門の二階に事務所があったため,違う部門でしたが暇を見つけては機械加工をしている所を覗きに
行っていました.


簡易プログラミング式(らくらくミル)の大型フライス盤をベテランのおじさんが手際よく操作しているのを見てうっとり
したものです.


機械加工を終えた部品を工作機械から降ろして作業台に載せ,「面取りカッター」が付いた充電ドリルドライバーで
「チュイ~ン・チュイ~ン」っとリズミカルみ面取りしている姿を見て,すごくあこがれを持ちました.

いつか自分もあんな風に作業してみたい・・・


欲しい物は山ほどありますが,そうアレもコレも買うのは難しいもの.
でも,それでも少しずつでもいいから,そこに近付いて行ければなあと思っています.

そんな思いがつまった充電ドリルドライバーでした.





環境を整えながら作業を続けてきた「久しぶりの製品製作」ですが,納期の月曜の朝5時までがんばったのですが,
完成できませんでした.




先方に現状を報告してあと一週間納期を延ばして貰いました.

なので今週末も作業です.
週末はいよいよフライス盤の出番です.



最近の友和子(とわね)
生まれて5ヶ月半ほどになりました.




寅次郎との距離もグッと縮まっています.




首も座りうつぶせにするだけで喜ぶようになりました.
うつぶせでの「高い高い~」をするとむっちゃ喜びます.




最近足を触るようになってきました.
少しずつ自分の体を認識して行っているようです.




ひな人形も買いに行きたいなあ.

16日はハワイから友人が一時帰国するのでまたみんなで宴会します.

ではまた








続・久しぶりの製品製作 今日は柔らかなフッ素樹脂ですが図面寸法を追うのに疲れました.

2013-02-03 03:11:10 | 工作
昨日のブログの話の続きです.

貼り合わせ治具の製作.

先日はステンレスの切削に悪戦苦闘し煙りだらけになりましたが,今回は「真逆」.
フッ素樹脂の加工です.

フッ素樹脂
フライパンの焦げ付き防止のコーティングで有名な「テフロン」と言えば世間の人もご存じのはず.
「テフロン」はデュポン社の製品名で,材料名称でいうとPTFE( 四フッ化エチレン樹脂)になります.

樹脂の中で最も耐薬品製に優れ,自然劣化が全くなく,樹脂のくせに耐熱性も非常に高い樹脂です.


準備した材料は30センチ角で厚みは35mm.
比重が大きいので重いです.実測で7.5Kgありました.
お値段もこれで数万円です.




色は不透明の白色.
自己潤滑性が高く,ドライベアリングとして使ったり(バイクのフロントフォークの摺動部もこれでコーティング
してあります),非粘着性なのでテープを貼っても剥がれてしまいます.




失敗したら大変なので簡単にですが事前に工程表を作成しています.




先ずは切り出し.
厚紙で型を作りそれを貼り付けてコンターマシンで切っていきます・




昨日のステンレス板材を削る際にアルミの円盤に取り付けましたが,これも同じように円盤に取り付けれるようにします.

ボール盤で穴あけ後にヘリサートのタップもボール盤のチャックに咥えさせ,真っ直ぐにタップを立てるようにします.




ある程度タップが入ったらあとは手作業でも大丈夫.タップは容易に斜めに入ってしまうので注意が必要です.




当初M6のヘリサートを入れるためタップを立てていましたが,樹脂が柔らかくM8のヘリサートに変更.
設計通りには行かないものです.



下に敷いた新聞の「刑事コロンボ」の写真が目に留まり,小学生の頃,刑事コロンボが好きで,あのヨレヨレのコートが
欲しくて,テレビで見る度におふくろと「コロンボのコートが欲しいねん」,「今度買いに行こうね」と話したのを
思い出してしまいました.
幼い頃の思い出,ちょっと懐かしくなってしまいました.


アルミ円盤を治具にして旋盤にチャッキングしこれから加工していきます.





シュルシュルシュル~っと気持ちよく削れてくれます.
昨日のステンレスと違って楽チン.




切り粉は「はるさめ」そのもの.




内側をくり抜きドーナッツ状にするのですが,内径寸法が決まっているためにために目印をいれます.
間違ってしまうと一発でアウトになるので,全てに気を遣います.




中抜きは糸鋸を使います.




コンターマシンは帯状の刃がグルグル回っているのでいつも切断してくれますが,刃が上下に動いて切断する糸鋸は
実際に切るのは下に下がるときだけ.動作の半分しか切断に寄与しないので効率が悪いです.
刃も細いので3本も折ってしまいました.




旋盤で難しい作業と言えば「ねじ切り」と「内径切削」

「内径切削」が難しいのは削っている所が直接見えないためです.




ハンドルの目盛りを頼りに削っていきます.
内側を切削するのでハンドルの回す方向も外側から切削するのと逆になるため,間違いやすくなります.
念のため矢印も書い作業しました.




旋盤の熟練工は体で覚えているのでミスも無いですが,私のような「なんちゃって」は,いとも容易くハンドル操作を
誤ってしまいます.

二段の内径切削なので失敗して一からやり直しは非常につらいです.
高価な材料もパーですが,工数もパーになるので神経を使います.




実際にワーク(ガラス板)を挿入して入り具合,クリアランスを確かめていきます.




無事寸法が出てくれました.
明日も引き続き作業です.

がんばろっと

ではまた

久しぶりの製品製作 図面通りに仕上げるのは神経を使います.硬いステンレスは煙りがすごい

2013-02-02 03:06:51 | 工作
久しぶりに製品製作をしています.

依頼されたのは随分前なのですが,ご承知の通り貧乏暇無し.
忙しく着手出来ずにいたのですが年度末が近いこともあり今期中の決済で完了するようにとのことで
製作をはじめました.

依頼内容は「二枚の薄い板を精度良く貼り付けるための治具の製作」です.

「どんな作業者がやっても安定して貼り合わせられるように」
あれやこれや考えたて図面をひいてみました.




貼り合わせる双方にも大きさのバラツキ(寸法公差)があって,それをある精度で貼り合わせるというのは
図面を引いていても大丈夫なのかと不安になります.

不安な点があると作業もついためらってしまいます.


まだまだガレージの整理が終わっていないので,作業定盤の隅っこをチョコッと片付けて,そこでコヂンマリ
作業しています..




クリーン度が高い環境での使用なので金属材料はステンレス.
ステンレスは難削(削れにくい)なのでちょっと面倒.

皿ネジのザグリも刃物が全然食い込んで行ってくれません.
刃物が焼けないように切削用スプレーは必須.




切削用のスプレーもピンキリ.
左は600円ほどの安価なもの.
右は業界では有名なもので,名前が「ステンコロリン」
(間違って「スッテンコロリン」と書いていました.恥ずかしい)
ふざけた名前ですが,ちゃんとした商品です.こちらは2000円ほど.




なんたってうたい文句が「ステンレスが豆腐になりました」ですと・・・・.




ベース(土台)となるステンレス板材の表面を切削するために背面にアルミ板材をとりつけたのですが・・・・




旋盤にチャッキングして削ったらビビリまくって失敗.




表面はご覧の通り荒れ荒れ.




甘ちゃんな事をしてしまいました.
これくらい予測できないでどうするんだと言われても仕方ない加工手腕です.


気を取り直して手持ちの材料(といってもスクラップから回収してきたものですが・・・)の中で大きめの
アルミ円盤を使って再チャレンジします.




これなら大丈夫そう.




切削してもビビらなくなりました.
刃物が焼けないように切削スプレーを掛けながら削っていくのですが煙がすごい・・・・




モクモクと立ちこめる煙.

「霧にむせるガレージ」




体に悪そうなので暇が出来たら排煙装置を付けます.

一皮剥けたステンレス.
その“いぶし銀”的なクールな感じがステキ.




まだまだ製作は続きます.

納期が間近なので土日もこれに掛かりっきり.

ではまた.




アルミによる軽量化 イメージと腕(技術)との隔たり スライダー用のジュラコン購入

2012-01-17 02:55:18 | 工作
あるところからの依頼で治具を作っています.
要望は軽いこと.

軽いといえばアルミ.
イメージした形を図面(CAD)に起こしながら必要な材料を考えるのですが,必要な寸法の材料が
無ければ買うか作り出すしかありません.

φ7mmのアルミの丸棒.
φ9mmなら沢山あるのに残念です.

φ7mmのアルミなら材料商社で買ったら定尺の2mで数百円程度.
これ一本を注文するわけにはいかないので仕方なくφ9mmから旋盤で削りだします.



長尺になるとたわみで寸法が狂うので通常は「振れ止め」を使うのですが,手持ちにないため
寸法を測りながら手で押さえて逃げないようにして切削していきます.





軽量化にはパイプ材が適していますが肉厚が足りない時は丸棒から芯を抜くしかありません.

人間の手の間隔は敏感で,軽くてもバランスが悪いと変に重く感じてしまったりします.
なので「抜けるところは抜けるだけ抜く」です.



イメージした通りに材料を切り出して後はそれを溶接して形にしていきます.
旋盤やフライス盤は機械が仕事をしてくれるので,下手な設計でなければそれなりモノが出来上がってくるのですが・・・.




それが溶接となると,機械が良くても人間の手に委ねられる要素が多く,上手くいかないことが
多いです.

傷防止にテフロンチューブを被せるために4mmの板モノにφ7mmの丸棒を溶接するのですが,
溶接条件があってないためか綺麗に溶接できません.




溶接強度は問題ないですが,溶接といえば綺麗なうろこ状のビートが等間隔で並んでいるのが
本来の出来.

丹念に材料を切り出しても最後の溶接であっけなく心を折られます.
それほどアルミの溶接は難しいのです.


でもアルミは楽しいです.
なのでまたアルミの材料を買ってきました.
商社が近所なので寅次郎と散歩がてら一緒に取りにいくのですが,定尺4mモノでも切断せずに
持って帰って来れるのがうれしいです.




バイクで転倒した際にダメージを吸収させるためのスライダー.
バンディット1250Sにも作ってやろうと思って「ジュラコン」も買ってみました.
比重が大きいのでずっしり重いです.
こんなに沢山必要ないのですが定尺なのでこの長さです.
工作仲間のみなさん,必要数で小分けするのでお気軽にどうぞ.




先日,塗装をやり直していた油圧リフト台用の台車も赤く上塗りしてみました.



リフトを載せるため,やぐらを組んだりとしていたら一週間があっという間.





カローラ号に乗ろうと思ってはいるのもの今週も時間がとれず・・・・




ろくにエンジンも掛けてやってなくて常時点等のヘッドライトのせいでバッテリーに負担が
かかるのもアレなんで,潔くヘッドライト系のヒューズを取っ払ってやりました.




工作も楽しいことばかりではなく,失敗して心が折れたり,不出来でイラっとすることも
多かったりして,そんなとき,自分は何してんだろうと思ってしまいます.


さて来週こそ乗ろうっと.


キャノンG11とスリックAF2100にレリーズボタンRS60-E3

2011-05-08 00:46:15 | 工作
9連休だった今年のGWは結局どこも行かずガレージでゴソゴソ.

さて何をしたのだろうか.

友人に譲った日立のコンプレッサーのメンテナンスに壊れたイクラ製(イラク製じゃあないよ)
溶接自動遮光面の修理.
走るとカタカタ異音がするヴェクスター125の修理に牧野のフライス盤の中古機の下見・・・・

タイヤチェンジャーは結局手付かずで,目覚しいガレージワークの進捗もなく,こまごまとした
ガレージ環境整備に終始したGWでした.


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工作や修理の記録としてたくさんの写真を写します.
ブログやHPの記事に使うこともあるので写真撮影も大切な作業の一つだと思っています.

フラッシュを使わない方が自然な写真になるのでいつもデジカメをドリー(三脚みたいなもの)に
固定して,2秒のセルフタイマーを使って撮影しています.
どうもこの「2秒の間」がしっくり来ません.

なのでリモートスイッチ(レリーズボタン)を買いました.(オークションで中古770円也)




このまま使っても良いのですがガレージワークの息抜きで,はぎれのアルミ板を見つけて・・・・




金バサミでチョキチョキ.ドリルで穴をあけてリモートスイッチの曲面に合わせてハンマーで
プチ板金.




金属磨きでコチョコチョ磨いて・・・・ 指先まっくろ




ボンドで接着




雲台にフックを貼り付けリモートスイッチをぶら下げて・・・・こんな工作も楽しかったりします.




ドリーにセットしたスリック製のガングリップタイプの雲台(AF2100)は操作性が高くて
お気に入りです.

キャノンのG11のバリアングル液晶画面もちょ~便利で一度使うと他は使えません.




手短な工作で気分をリフレッシュしながら日々工作にいそしんでおります.

では,また