はがきのおくりもの

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目標と目的を自覚する

2014年07月23日 | 昔話や童話などを用いた校長講話

 昔から「ウサギとカメ」の話を聞く度に、疑問に思うことが二つあった。
 一つは、なぜ、カメは勝ち目のない競争をしたのか、という疑問である。どう頑張ってみてもカメがウサギに敵うわけがない。負けると決まっている勝負をどうしてウサギに申し込んだのか、カメの気持ちが理解できなかった。
 ウサギはカメを見下すような目をしていただろう。そんなウサギと、負けるに決まっている競争をするなんて、カメの気持ちをどうしても理解できなかった。
 もう一つは、なぜ、ウサギは競争の途中で寝てしまったのか、という疑問である。競争の途中で寝るなんて考えらない。カメの足が遅いにしても、油断しすぎではないか。
 そこで、奢り高ぶって油断をすると失敗するよ、能力が劣っていてもコツコツと努力することが大切だよ、という教訓を教える話とするために、途中でウサギが寝てカメが勝ったという無理な設定にしたのではないかと思っていた。
 最初の疑問は、十年数年ほど前、ある人に教えてもらって解消した。
 カメはウサギのことを相手にしていなかったのである。ウサギとの競争を、自分の目標と目的に挑戦するためのきっかけにしただけとわかったら、カメの気持ちが理解できたような気がした。
 もう一つの疑問は、「ウサギとカメ」の話を「目標と目的」の話と理解したら、解くことができた。ウサギの目標はカメに勝つこと、目的はカメをからかうことと、最初は考えた。しかし、それは違う。ウサギは目標とか目的とかをほとんど自覚していなかったに違いない。自覚していないから、目標も目的も忘れて寝てしまうことができたのである。目標や目的を自覚しないから、考えられない失敗をしでかすことができるのである。
 この二つの疑問が解決したことがうれしくて、「ウサギとカメ」の話を校長講話に使おうと思った。そして、目的と目標を自覚してもらうのは、年度始めがいいと考えた。


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