はがきのおくりもの

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未来の高校⑧ 未来をつくる

2018年10月15日 | 未来の高校
未来の高校⑧ 未来をつくる
 
希望を語る学び舎であり続けよう
 
 格差の拡大が止まらない。グローバル化に伴う産業の空洞化により中産階級の没落が始まった。人工知能の発達により中産階級はさらに仕事を奪われ、大衆の下流化が一段と進んでいる。汎用人工知能が出現すれば、人は働く必要がなくなる。それは一部の資本家に富が集中する一億総下流社会の到来を意味する。
 
 一方、ベーシックインカムという最低限所得保障制度を創設し、人があまり働かなくても生活できる社会をつくる構想もある。どんな社会を望み、その構築に向けてどう努力するか。どんな社会を選び取るかの選択権は有権者である大衆にある。
 
◆高校教育の役割
 
 選挙権年齢とともに成人年齢も18歳に引き下げられ、高校生のうちに大人の仲間入りをする。継承すべきよさは何か。解決すべき課題は何か。どんな社会を選ぶか。そのために何をするか。主体的・対話的に深く学ばなければならない。高校は生徒たちに学びの機会を提供し、自ら判断し、行動する人間に育てなければならない。
 
 教育とは子どもたちに社会に適応する力をつけるという意味では最後尾を行く営みであり、子どもたちに新しい社会をつくる力を育てるという意味では最先端を行く営みである。これまでは前者の役割が大きかったが、これからは後者の役割が重要になる。どんなカリキュラムを組むか。工夫を積み上げて行くしかない。
 
◆新たな価値観の創造
 
 2011年3月11日の東日本大震災は、大地震と大津波という自然災害であったが、「フクシマ原発」という人間が作り出したものによる大災害でもあった。人間中心主義や科学万能主義への懐疑が生まれ、世界は日本人が新たな価値観を提示してくれるのではないかと期待した(たぶん)。
 
 人工知能やロボット、ビッグデータ、IoT、ブロックチェーンの発達は人々の価値観をどう変えていくか。働かなくても生活できるとしたら、生きる意味は何か。若者たちに新たな価値観の創造を託すことになる。そのとき、高校教育がなすべきことは何か。

◆希望を語る
 
 答えはない。自分たちで考え、前に進むしかない。デザイン思考からアート思考への転換の中に答えを探す人もいるが、皆さんはどうか。
 
 私は人や物、事との間に意味や価値は生まれると考えている。生徒たちには、もう一人の自分や他の生徒、先生、親、地域の人々などとの関係の中に生まれる意味や価値を見つめさせたい。さまざまな物や出来事に関わり、自分が何を感じるかを探索させたい。認め、関わる中で何をつかむか。
 
 世は無常。常に変化して止まない。しかし、変化できるからこそ希望がある。できることから始めよう。希望を語る学び舎であり続けよう。

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