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未来の高校⑥ 不祥事を減らすには

2018年10月11日 | 未来の高校
未来の高校⑥ 不祥事を減らすには
 
リスペクトと贈与の思想から
 
 先生の不祥事が減らない。世間のバッシングに教育委員会は厳しい懲戒処分を科すが、効果はない。不祥事防止の研修が増え、士気は一層低下する。悪循環である。
 
 大衆の学歴は高まり、知恵は低下した。高学歴の大衆は我が子を教え導く先生を尊敬しなくなった。親に倣った子は先生を尊敬しなくなり、学ばなくなる。当然の理。
 
 未来の高校では先生へのリスペクト(尊敬)を回復したい。そのためにすべきことは何か。
 
◆リスペクトを生む源
 
 書籍「奇跡の職場」で紹介された「TESSEI」(新幹線清掃チーム)では清掃徹底がリスペクトを生む源であった。現在の学校では高いレベルの授業が源。では、未来の高校での源は何か。
 
 未来の高校では先生の役目が現在と異なる。ケース・チームの一員としてガイド役やメンター役として、生徒一人一人の成長をいかに助けるか。生徒たちが学び合う環境をいかにつくるか。先を生きる者として成長する姿や生き生きと生きる姿を生徒たちにどう見せてあげられるか。しかも、成功する姿だけでなく、失敗から立ち上がる愉快な姿もさりげなく曝すことができるか。こうした役目をひたむきに果たそうとする姿がリスペクトを生む源になる。
 
◆交換の思想
 
 先生へのリスペクトが失われた背景には、教育を対価と考える消費者主義の浸透がある。税金の対価として子どもたちの学力を伸ばせと迫る。税金や料金を支払っているからしてもらって当然で、余分にリスペクトを払う必要はない。こうした交換の思想が広まり、リスペクトは失われた。
 
 交換の思想による教育では、教員は教えた対価として報酬を得る。「何を教えたか」という教員の労働が問われる。「何を学ぶか」は教育を受けた子どもたちの問題であるから問われない。これが従来の教育であった。
 
◆贈与の思想
 
 教育は交換の思想だけでは語れない。子どもたちは先生に憧れ、尊敬し、学びを深めていく。先生は先人から与えられ、得たものを後人に譲り渡していく。贈与の思想が教育の根底には存在する。
 
 先生という職を志すのは、生活の糧を得るためではあるが、学び生きる奥深さを伝えるためでもある。学び合う喜びを分かち合うためでもある。そのために贈与する。
 
◆自ら始める
 
 リスペクトも贈与しよう。同僚や生徒たちのよさを見つけ、リスペクトしてしまおう。リスペクトするワクワク感が学校全体を覆ったら、どんな学びが広がるか。
 
 未来をつくる第一歩は自分にある。自らリスペクトを生む源を追求し、自ら他者をリスペクトしよう。交換から贈与へと重点を移し、「してもらう」依存する心を捨て、「主体的に行う」自立をつかみ取ろう。そうすれば、不祥事は減る。

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