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未来の高校⑤ 民間と協働する

2018年10月09日 | 未来の高校
未来の高校⑤ 民間と協働する
 
アダプティブラーニングの普及で教育の役割も変化
 
 学校の中に生徒を囲い込んで教える時代は去りつつある。現在も問題解決型学習を民間の企業や地方自治体などと連携して行ったり、職場体験を実施したりしているが、アメリカで流行しているアダプティブラーニングは学校だけで実施できる代物ではない。「公正に個別最適化された学び」が実現したとき、学校という分業体制は終わる。
 
 アダプティブラーニングとは、学習者一人一人の進捗に合わせて学習内容やレベルを調整し、最適化する学習である。近年ICT技術やソーシャルメディアなどを活用したものが民間で開発され普及し始めている。
 
◆学びの基礎診断
 
 来年度から「高校生のための学びの基礎診断」が導入される。「基礎診断」は学校が生徒の学力を保証するツールであるが、日本でアダプティブラーニングを普及させる起爆剤でもある。
 
 「基礎診断」は履修主義対修得主義の二項対立を超え、学力保証というパラダイムシフトを志向する。学校には学力を保証する責任を負わせ、生徒には自らの学力を証明する責任を負わせる。その学力とは全生徒一律の到達度ではなく、個々の生徒が各自の目標を立て獲得した到達点であり、一人一人で異なる。
 
 「基礎診断」は民間教育産業に委託される。「基礎診断」そのものは生徒の学力を測るツールに過ぎないが、民間教育産業は生徒一人一人の学力向上を図るツールも提案するだろう。このツールがアダプティブラーニングとなっていく。
 
◆矜恃を持つ
 
 現在、Classiやスタディサプリなどの学習支援ツールが学校においても受け入れられつつあり、すでにアダプティブラーニングが普及し始めている。この流れを「基礎診断」は後押しする。
 
  アダプティブラーニングを民間教育産業の助けなしに学校だけで行うことは不可能であるが、活用する主体は生徒であり、学校である。さまざまなツールからどれを選び、どう活用するか。学校の実践力が問われる。民間と協働し、ツールを改善する主体となるくらいの矜恃も持ちたい。
 
◆役目が変わる
 
 アダプティブラーニングの普及により、先生の役目が変わる。生徒一人一人の成長を支援するためには、担当する先生全員でケース・チームをつくって対応したり、ある先生がある生徒にとってのガイド役あるいはメンター役を果たしたりする必要がある。生徒たちが学び合い始める環境づくりの役目も必要となる。
 
 分業が効果的であった時代は終わった。民間教育産業や地域の人々などとの協働が、一人一人の生徒の主体性を育む時代に入った。分業から協働への転換期にいる。一人一人の先生や各学校の主体性や見識、行動力が求められている。

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