働き者で心優しい老夫婦と怠け者で欲張りな隣人夫婦とを、一人の人間の中の働き者で心優しい一面と怠け者で欲張りな一面と見て、そのうえで、白い犬をその人が持っている「よさ」ととらえた講話である。
定時制の生徒たちのなかには、「自分には、よさがない」と思っている生徒がいる。自分に自信を持てないでいる。
そこで、「あなたにもよさがあるよ」と話すことにした。
そもそも、自分の「よさ」を自覚している人は少ない。また、自分の「よさ」など、そうそうわかるものでもない。では、どうしたら自分の「よさ」を発見できるのか。
「自分で考えなさい」と突き放す方法は、ネグレクト(無視)という虐待を経験している生徒がいる可能性があることを考えると、採用不可。そこで、「人に優しく、コツコツと真面目に頑張ってみなさい」とアドバイスする方法を採用した。