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因数分解は頭の体操!

2008年09月18日 | 数学授業研究 1983

春キャベ 数学通信1983 <6>

 基本を知って、応用問題にチャレンジしよう

 公式がⅠ~Ⅵの6つ。これを暗記して問題に当てはめるだけなんて、おもしろいはずがない。教科書には公式に当てはめるだけの問題ばかりだが、本当におもしろいのはもっと複雑で難しい問題を解くことにあるのだ。
 因数分解の公式という道具と因数分解の原則という方向を知る磁石を持って、複雑な難問という山を登り切ってみよう。
 教科書や授業では、登山のための訓練を平地でやっているのと同じなのだ。いきなり高い山にチャレンジしても、持っていった道具の使い方も知らず、磁石の見方もわからないのでは遭難は確実。だから、道具の使い方や磁石の見方を知ることが大切なのだ。といって、それを知っても登山しなければ喜びはない。

 因数分解の難問を解くことは登山ほど大変ではない。登山のように決死の覚悟も必要ではない。頭の体操だと思うくらいの気持ちで気軽にチャレンジしてほしい。本当におもしろいのは難問を解く方にあることを忘れずに。

<方向を知る磁石=因数分解の原則>
1.一番低次の文字について、降べきの順に整理する
2.共通因数でくくる
3.それでもだめなら道具(公式)の中から、うまくいくものを探して用いる

<チャレンジしてほしい山=因数分解の問題>
1.bc(b+c)+ca(c+a)+ab(a+b)+2abc
2.(b+c)(c+a)(a+b)+abc
3.以下略



 因数分解って、なぜ、学ぶんでしょうかねぇ。奥井は得意だったから楽しかったでしょうが、私は頭が痛くなってしまいます。

 奥井のノートを見せてもらったら、こんな因数分解の原則がありました。これは、卯の花高校時代のノートでしたから、春キャベツ高校時代より進化しているのかもしれません。

〈因数分解の原則〉 
 1.最低次の文字について整理してみる
 2.置き換えの利用
 3.複2次式,対称式,交代式の利用
 4.公式の利用
   x^3+y^3+z^3-3xyz=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-yz-zx-xy)
                      注:^3は3乗、^2は2乗を表す

 複2次式だと~? 対称式ぃ~? 交代式ぃィ~? ぜ~んぜんわかりません。公式の利用っていったって、覚えられませんよ~!
 原則を覚えて、公式を覚えて、後は、頭の体操で問題が解ける…ってことにどういう意味があるのでしょうか。
 などと、奥井に文句を言ったらこう説明されました。わかったような、だまされたような……

「因数分解では、困難なものを簡単なものに分解するってことの大切さをわかってほしいんだよ。

 例えば、3次式を1次式と2次式の積に分解できれば、3次方程式の解を求めることができる。だって、1次方程式や2次方程式は解けるんだからね。
 これは、後で、方程式のところで学ぶことだけどね。

 他にも、素因数分解というものもあるんだけど、素因数分解って知ってるかい?
 整数Nを素数の積としてあらわすことを素因数分解っていうんだよ。この素因数分解は、暗号のキー(鍵)に使われることがあるんだ!驚きだろ!
 二つの巨大な素数の積を公開暗号の鍵として用いるんだよ。この鍵となる大きな数をもとの素数に分解すれば暗号は破られるんだけど、膨大な計算を必要とするから、事実上、素数に分解することは不可能。だから、鍵は破られないというんだ。
 どうだい?すごいだろう?

 実社会の難問も分解していけば、いくつかの問題の積として表すことができるだろう。それらの問題を一つ一つつぶしていけば、どんな難問も解決できるってわけさ。
 因数分解の授業を通して、そういう考え方を身につけてほしいって考えている。」

 どうですか?奥井の説明で納得できましたか?いまいち、納得しがたい気分は残りますが、奥井の迫力に押し切られてしまいました。

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