終業式校長講話メモを入手しました。実際の講話は、メモを見ないで行ったので、趣旨は同じでもかなり違ったものになったと聞きました。
○ この一年、「少なくとも、勉強・部活動・学校行事の三兎を追え」をテーマに話をしてきた。卯高の3年間で、皆さんに能力を全開してもらいたいと考えている。
○ 皆さんは、今皆さんが感じている以上にすごい能力を持っている。今、皆さんが自分の能力を全開にしたと思っても、おそらくそれはまだ2~3割くらいのものだろう。
○ 今日は、潜在能力を全開にする方法について話す。
○ 能力には、顕在意識が制御する能力と潜在意識が制御する能力とがある。
○ 顕在意識が制御できる能力のことを「見える能力」、潜在意識が制御する能力のことを「見えない能力」と、便宜的に名づけることにしよう。
○ 「見える能力」は意志を鍛えることで制御できる能力である。
○ 皆さんは、スポーツにおいても勉強においても、様々な努力や工夫をして、「見える能力」を高めている。質や量の両面で、卒業までに相当なレベルに達するだろう。
○ 「見えない能力」は意志を鍛えるだけでは制御できないのだが、途方もない力を発揮する能力である。火事場の馬鹿力もその一種。幸運を引き寄せる力が強い人とか、いろんな人が協力したくなる人というのも「見えない能力」を全開にしている人と言ってよい。
○ 「見える能力」を全開にするだけでも凄いのだが、卯高生が本気で競い合う世界では、「見える能力」だけではそう違いがないので「見えない能力」も全開にしないと勝負にならない。
○ スポーツや勉強において、質や量の面でトップレベルに達しても、勝てない、合格できないことがある。それは、「見えない能力」を全開にできていないからだ。
○ 例えば、受験のために、文化祭やスポーツ大会などに参加せず自分の勉強を優先する、利己主義を貫くほうが有利だと判断する。こういう人は「見えない能力」を全開にできない。潜在意識が「俺は自分勝手な奴だ」と罪の意識を抱き、能力の全開を拒む。
○ 実は、潜在意識と顕在意識との一致が、見えない能力を全開にするためには不可欠である。
○ 具体的には、勉強・部活動・学校行事の三兎を仲間と一緒に楽しんだ方が、潜在意識と顕在意識は一致する。早朝学習も一人だけで学習するよりも、仲間の存在を感じながら学習する方がいい。利己的であるより利他を心がける方が、顕在意識と潜在意識は一致するので、「見えない能力」は発揮されやすい。
○ 教室はきれいにしておいた方がいい。ゴミだらけにしておくと、潜在意識はここは勉強する所ではないと判断する。
○ 手を抜く授業と手を抜かない授業とに分けない方がいい。潜在意識は授業の区別がつかないので、能力を全開しないでいいんだと学習してしまう。
○ 潜在意識と顕在意識を一致させるためにどうしたらいいかを考え、実行することが大切。諸君も、自分の能力をどうしたら全開にできるかについて、大いに考えてみるといい。
○ 残り1年、ないし2年、皆さんの能力を思いきり全開させてほしい、と願って、1年の締めくくりとしたい。来年度は、今年度以上に能力を全開させて楽しもう。