幸運

2011-03-28 07:51:56 | 仕事
 住友銀行第二次総合オンライン・システムは二人の天才によって構築された。
一人は元NCR 秋山育雄氏、もう一人は元住友銀行 戸田忠良氏である。

秋山氏は同行第一次オンラインをシステム・アーキテクトとしてO/Sからデザインし構築した人物である。
このシステムはかの著名なトムデマルコによって『ソフトウェアエンジニアリング論文集 -デマルコ・セレクション』 Software State-of-the-Art の中で次のように紹介されている。

・・・”Then,in the late sixties,there was that extraordinary Sumitomo Bank System. Those of us who got to see it in action were sobered. It was so huge and so fast and so functional. It was,in fact,the very on-line teller system that our largest banks were still trying and failing to build almost a full decade later. And it was built with Japanese software on American hardware. So much for our illusions."・・・

 第二次総合(統合CIF/全科目)オンラインはこの第一次(単科目)オンラインをベースに、二人の天才の手で設計されている。
9台のコンピューターが一つのシステムとして稼働する。ハードウエアの脆弱性をカバーする処理効率の追求とノーダウン・システム。(ノーダウンとは、障害が起こってもテラーが40秒以内に端末打鍵ができれば営業店からみて障害ではないという思想である。)
もう一つの特徴は既に24時間365日運用のアーキテクチャーが出来上がっていたということである。当時ATMは業界横並びで夕方までの運用であった。自由競争であれば、住友銀行は24時間運用を実施していたであろう。

銀行の現在の勘定系システムは、この第二次総合オンラインと差異はない。
三井住友銀行の現勘定系オンラインシステムも同様である。
問題を起こしているみずほ銀行の勘定系システムは、この1970年代前半(40年前のシステム)に出来上がったシステムより劣っているということになる。

戸田氏は、第二次オンライン開発後「銀行で、もうやることは何もない!」と退職した。
現在の勘定系システムをみれば、正しい言葉である。

この二人の天才と今でもお付き合いさせて頂いている自分は幸せ者である。

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1 コメント

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721 comm. network designer (Hirai)
2021-04-08 12:29:52
Totemo-natsukashi desu-yo, Hai

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