国道118号を南下。初めて見る那須の山々を前に、「ひとり旅」感が湧いてくる。
そんな時、「大内宿」の案内標識がスーッと右手に流れた。
リサーチ不足だった。「今回は、下見のつもり。」と思い直し、引き返すのをやめた。
那須の山懐に入ると、何度も「温泉」の文字が過ぎていく。
阿賀川にかかる橋の両側に、大きなホテルが建ち並ぶ「芦ノ牧温泉」。
銭湯があるとは思えないが、立ち寄るにも情報不足、時間不足、なにより、調査不足。
いつのまにか鉄道と併走しているのに気づいた。(後で調べたら三セクの会津鉄道)
やがて木立の葉陰に不思議な光景が・・。駅のホームに何故か大きな茅葺屋根。
線路越しに写真を撮って通り過ぎるつもりがでしたが・・、見ておこう。
狭くて短い通りの先に、ドーンと構える茅葺屋根の駅舎。「湯野上温泉駅」とある。
駅舎の中をのぞく。地元の住民や鉄道会社のお客さんへの思いやりが伝わってきた。
山間の小さな温泉場は大好きなんですが、猛暑と入浴後の汗を思い、訪問は次の機会に。
那須火山帯の急峻な山あいを走る国道400号。一般車や観光バスが多くなってきた。
この先、塩原・鬼怒川の温泉郷や日光東照宮といった一級の観光地が控えている。
大気が不安定なのか、空模様が気になる。(不安があとで的中する)
塩原温泉街でガードマンに止められた。「落石で通行止めだよ。どこへ行くの?大田原?」
「大田原って何?、どこ?」と、こっちが聞きたいほど道に不案内。
「4号に出たい。」と答えたら、「県道を迂回すればいい。」と教えてくれた。
山間から平野に下りた頃から空が暗くなり、背後の那須連山から雷雲が追いかけてくる。
雷雲の追撃から逃げるように走った。国道4号に出てからは空模様も安定した。
茨城に入り、日が西に傾き始めたころ、ようやく筑波山を拝むことができた。
柔らかい夕陽に映し出された優美な姿。自然と心が落ち着いてくる。ここが、故郷のよう。
道の駅で地元のおばさんが「筑波山は、この方向が一番。」と教えてくれた。
千メートルにも満たない山が何故こんなに愛されているのか、少し分かったような気がした。
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