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官民の年金格差見直し、転給制度廃止?

2005-08-04 09:50:17 | Weblog
○与党年金制度改革協議会は3日、民間企業のサラリーマンが加入する厚生年金と、公務員らが加入する共済年金の一元化について、「官民格差」の是正や、運営組織の統合も含めた議論を進め、年末までに方向性を示すことを確認した。

 共済が厚生年金に比べて有利な点を見直す方針を確認し、具体例として、遺族年金の受給者の「転給制度」を挙げた。

<解説>
 労災にも「転給」という制度がありますが、この制度まことに不思議な制度です。
 夫が公務員、妻が専業主婦(子供なし)で、夫が死亡したとき、妻に「遺族共済年金」が行きますが、その年金は妻が失権(妻が再婚する、死亡する)した場合でも、権利が消滅するというわけではなく、父母がいたらその父母のほうに年金が行くように(自動的に行くという単純な話じゃなくて、条件はありますが)なります。

 ところが、厚生年金はこの場合妻が失権したらおしまい。
 最初から妻も子供もいない場合には、父母が年金受給権者になりますが(これも自動的ではありません)、それより優先する妻子がいた場合には父母は何ももらえません。

 ようするに「優先的にもらえる人がいなくなったら次の人が繰り上がり」ということがが共済にはあり、厚生年金にはないのです。

 まあこんな不平等は改正して当然。遅きに失したと言ってもいいくらい。一般の人だと普通に「なんでこんな制度格差があるんだ」と思うでしょう。

 其の他にも共済と厚生年金には山のように不平等があります。今回がいい機会ですから、徹底的に官民格差を是正してほしいです。転給制度は一例として挙げられた言うことですが、それ以外にもたたき台に上がっていると嬉しいんですけど。

 国鉄、郵政 こういったところの民営化に「公務員が頑強に抵抗する」のも、年金の官民格差があるのが1つの遠因になっていると思いますし、最近のヒステリックなまでの公務員叩きもこういう格差があるのが原因ではないかと思うことがあります。

 公務員の人に民間人のジェラシーといわれれば、それまででしょうが。
 こういうジェラシーは放置しておくと国を危うくします。