岡崎シニア山岳会

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ロープを使う雪上歩行

2017年02月02日 | 山岳会連絡情報
ロープを使い安全性を高めた雪上登山の技術を解説します。
そして中途半端な知識や技術未収得のままこれに参加すると自分だけでなく、同行者も危険な状況になりますので、ここで解説し、このような登山に参加する方は訓練(練習)をすべきです。
まずロープに繋がれた状態をアンザイレンと言います、そして図のように、スタカットとコンテ二つの方式がありますが、基本はスタカットです。
急斜面、アイスバーン状態等、滑落の危険を感じ、ロープを使うという状況ですから、お互い確保しながら登山するのが当然です。
私が雪山登山を始めてから、滑落事故があると、時々その時の状況を調べましたが、ロープを持って登山しながら、ロープを使わず滑落した事例を多く見ました。
多分ロープを使うと歩行時間がかかるのでとか、面倒だからと言う理由でリーダがロープを出す判断が遅れているのです。
それではコンテをどのような状況で使うかです、我々は今回欧州アルプスの4000m級の山に登る予定ですが、歩き出しから雪の上です。
比較的平らでまずクレバスに遭遇する可能性が低い場合(ゼロではなく、見たことはある)、進行が遅くなるのでここをスタカットで行くパーティーは居ませんが、もし誰かが落ちた場合残りのメンバーが引き込まれず、自分を確保することを目的とします。
このエリアのガイド付きのパティーは全てコンテで歩いています。
ここで問題にしたいのは、安全に歩くには1本のロープに何人まで加わることが出来るかです。
参加メンバーの技術に依存しますが、少ないほど安全です。
そこで今回の7月の登山に参加の方は5月に練習をしますが、私は常識として参加を6人位にする考えです。
またもし急斜面がアイスバーンになっていた場合(今回のコースは通常1-2時間で登頂)時間は十分あるので、先日Y代表が講義した内容に沿い、ロープ先端をアンカーで固定し(ロープ先端の2名はスタカットで登る)残りのメンバーはプルージックで確保しながら登ります。

添付 ある質問コーナ
アンザイレンの考え方(私も同じ考え)

質問
雪山事故の検証を読んで気になった事があります。
「4人でアンザイレンをしていたが、一人が滑落し、引っ張りこまれるように全員滑落した」
とありました。
ロープで繋ぐのは安全という事ではないのでしょうか?!
回答
2015年03月15日 02:03 (2015年03月15日 19:24更新)
全員滑落したということはおそらくコンティニュアスだったのではないでしょうか。
同じ力量同士の者がコンティニュアスで行動する場合は互助的な行動になります。
でも人数が増えるとなかなか停められるものではありません。
下手に結び合うと1人で歩くよりも人数分危険が倍増します。
リーダーがしっかりした技術を持っていたとしても巻き込まれることは十分に考えられます。
私の個人的な見解としては、3人以上のコンティニュアスはあまり有効ではないと考えています。
もしスタカットで落ちたとしたら、それはリーダーがあまりにも力量不足、もしくは不注意だったと思います。
ガイドさんは相当技術があるし、慣れているのでコンティニュアスでもしっかり停めてくれると思いますが、人数・サブリーダーの存在・条件等で絶対とは言えないですよね。
昔、八ヶ岳などで危なっかしいパーティーを見かけました。
あまり慣れているように見えない7~8人パーティーが阿弥陀岳の急斜面をロープを結び合った状態で下りてきた時は、恐さを感じて道を空けました・・