オーソレ、何それ?

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日韓首脳会談:実効的な経済制裁は可能か

2004-12-17 23:33:59 | 時事
本日、小泉首相が韓国盧武鉉大統領と鹿児島で首脳会談を行った。折りしも拉致被害者横田めぐみさんの「遺骨」とされた骨が偽者と判明し、北朝鮮に経済制裁を求める国内世論が高まっている。この会談でも北朝鮮への経済制裁の是非が話題となり、盧大統領は冷静、慎重に対応するよう求めたように積極的な賛意は示さなかった。

韓国にとって、日本の北朝鮮への経済制裁を容易に支持することは難しいだろう。敵対しているとはいえ、同じ民族の北朝鮮がかつて植民地支配を受けた日本からの経済制裁を受け困窮することは韓国の国民感情にとって耐え難いことかもしれない。この感情が反日運動や北朝鮮支援の活動につながる可能性も高い。また、経済制裁が効を奏し北朝鮮の体制が崩壊した場合(可能性は低いと思うが)、難民が越境して侵入する可能性もあり、国境を接している韓国ではそういった「とばっちり」は受けたくないとも考えているだろう。これは中国でも同様の事情で、経済制裁には慎重な対応を求めている。

何よりも対北朝鮮に対しては日中両国とも、6カ国協議の進捗が優先する課題であり日本に対しては「経済制裁で6カ国協議の進捗を妨げないで欲しい」というのが本音ではないだろうか。したたかな北朝鮮は日本と中韓の思惑の違いに揺さぶりをかけようとしている。

日本が拉致被害者の返還という目的を達成するために経済制裁を実効的に進めるためには、中国と韓国という北朝鮮と国境を接し、大きなつながりを持つ国との連携が不可欠である。ただ、今回の首脳会談において経済制裁に明確な反対の声がなかっただけ、韓国は消極的支持に回ってくれる脈もまだあるにではないだろうか。

国内では、世論に配慮してか共産党や社民党も経済制裁について支持の意向を示しており、少なくともその是非について国論が割れることはなさそう(方法論では大いに意見が分かれるだろうが)である。経済制裁は膠着する拉致問題に対して解決への有効な手段かもしれないが、その一方で失敗したときには拉致被害者が戻ってこないばかりか東アジアでの日本に地位を低下(少なくとも6カ国協議で日本の影が薄くなるだろう)させかねず、リスクは少なくないだろう。もちろんオプションとして持っておくことに異論はないが、「伝家の宝刀」を抜いて見たら竹光だったということがないようにしたい。そして、「伝家の宝刀」はまた諸刃の剣であることも認識しておかなければならない。

要するに有効な経済制裁のシナリオをきちんと立て、中国と韓国の支持が得られるよう根回しをした上で実施すべきである。経済制裁を実効的なものにするためには焦ってはならないと思う。

首相、北への制裁に言及…日韓首脳会談 (読売新聞) - goo ニュース

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