来春から使われる中学教科書の検定が終わり、5日にその結果が文部科学省から発表された。
歴史の教科書では「新しい歴史教科書をつくる会」を中心とした保守系の論者から問題が提起された日本による戦時中の加害行為について、前回の検定から「強制連行」や「従軍慰安婦」に関連した記述が減少した。つくる会が編集した扶桑社の教科書が突出した存在として注目されているが、他社の教科書についても扶桑社の教科書に釣られる形で「自虐史観」的記述が減少している。その意味では「新しい歴史教科書をつくる会」の活動は実を結んでいると言えるだろう。
しかしながら、扶桑社と同じフジサンケイグループである産経新聞では、今回の検定結果を「古代から近現代まで韓国など近隣諸国に配慮した自虐的傾向は変わっていない」と不満を顕にしている。そして身内である扶桑社の教科書が前回ほとんど採択されなかった理由として「内容が高度だ」としている。さすが「自虐」がきらいなだけにナルシストである。
今回の検定結果は、日本の戦争責任に対しての意識が後退したと中国や韓国には映り、日中、日韓関係悪化に拍車をかけている。韓国については、島根県の「竹島の日」制定に続いて公民教科書で竹島を日本の領土と明記したこともさらに刺激している。
韓国は日本の歪曲史観を矯正すると意気込んでいるようであるが、もちろん韓国の歴史観も相当に主観的で、到底事実とは異なると思われるものもある。国家が自国の歴史を編纂するとき、そこにはナショナリスティックな視点が入り、対立する史観から見ると歪曲しているように映る。つまり歴史というものが「国家のフィクション」であることが免れることは不可能に近い。産経新聞の望むような形で歴史が編まれることには危惧を感じるが、一方で韓国政府の押し付ける史観を受け入れることは到底できない。
極端な話「日本は天皇を中心とした神の国である」とか「日本は西洋の植民地支配から民衆を解放するためにアジア各国へ進出した」などという記述が教科書に並び、加害責任に関する記述が一掃されるようになるのはちょっとなあ、と思ってしまう。サダム・フセイン時代のイラクの教科書には湾岸戦争が「偉大な戦争」と名づけられアメリカを中心とした西洋の国々がイラクを侵略し、それに打ち勝った戦争と位置づけられていたそうだ。外交関係を避けるために教科書の記述に配慮するというのは筋違いだが、余り記述がナルシストすぎて世界中のもの笑いにならないようにしたいものである。
中学教科書検定 「拉致」全社に記述 歴史なお自虐的傾向 (産経新聞) - goo ニュース
歴史の教科書では「新しい歴史教科書をつくる会」を中心とした保守系の論者から問題が提起された日本による戦時中の加害行為について、前回の検定から「強制連行」や「従軍慰安婦」に関連した記述が減少した。つくる会が編集した扶桑社の教科書が突出した存在として注目されているが、他社の教科書についても扶桑社の教科書に釣られる形で「自虐史観」的記述が減少している。その意味では「新しい歴史教科書をつくる会」の活動は実を結んでいると言えるだろう。
しかしながら、扶桑社と同じフジサンケイグループである産経新聞では、今回の検定結果を「古代から近現代まで韓国など近隣諸国に配慮した自虐的傾向は変わっていない」と不満を顕にしている。そして身内である扶桑社の教科書が前回ほとんど採択されなかった理由として「内容が高度だ」としている。さすが「自虐」がきらいなだけにナルシストである。
今回の検定結果は、日本の戦争責任に対しての意識が後退したと中国や韓国には映り、日中、日韓関係悪化に拍車をかけている。韓国については、島根県の「竹島の日」制定に続いて公民教科書で竹島を日本の領土と明記したこともさらに刺激している。
韓国は日本の歪曲史観を矯正すると意気込んでいるようであるが、もちろん韓国の歴史観も相当に主観的で、到底事実とは異なると思われるものもある。国家が自国の歴史を編纂するとき、そこにはナショナリスティックな視点が入り、対立する史観から見ると歪曲しているように映る。つまり歴史というものが「国家のフィクション」であることが免れることは不可能に近い。産経新聞の望むような形で歴史が編まれることには危惧を感じるが、一方で韓国政府の押し付ける史観を受け入れることは到底できない。
極端な話「日本は天皇を中心とした神の国である」とか「日本は西洋の植民地支配から民衆を解放するためにアジア各国へ進出した」などという記述が教科書に並び、加害責任に関する記述が一掃されるようになるのはちょっとなあ、と思ってしまう。サダム・フセイン時代のイラクの教科書には湾岸戦争が「偉大な戦争」と名づけられアメリカを中心とした西洋の国々がイラクを侵略し、それに打ち勝った戦争と位置づけられていたそうだ。外交関係を避けるために教科書の記述に配慮するというのは筋違いだが、余り記述がナルシストすぎて世界中のもの笑いにならないようにしたいものである。
中学教科書検定 「拉致」全社に記述 歴史なお自虐的傾向 (産経新聞) - goo ニュース
今回の教科書問題に限らず、日本人は一旦議論に火がつくと一斉にある方向になびいてしまって冷静さを欠いてしまう傾向があるように思います(もちろん韓国や中国も同じですが、、、)。
特に、こっちではネットを中心とした議論しか目にする機会がないのでなおさらそう感じるのだと思いますが、猫も杓子も“反日反日”とまあ感情丸出しですね。
こういう騒ぎを見ていると“ディベート下手”っていわれる理由がよくわかる気がします。
僕自身は、そのような過熱する報道やネット上でのやりとりには完全に食傷しています。
お互い、こういうprimitiveな水掛け論からさっさと脱して、もっとマルチレイヤ―な視点で議論が展開できるようになることを希望します。
ご指摘の点と関連しますが、史観に関する論争については、「相手に誤謬があるかもしれないが、自分も無謬ではない」という認識に立って、客観的な根拠を示しながら地道に進めていく必要があると思います。
本文にも書きました通り史観にナショナリスティックな感情が入り「国家のフィクション」となってしまうことはある程度止むを得ないことだと思います。そういうことがお互いにあるということを認識した上で議論を進めていくべきだと思います。
残念ながら両者が「ナルシスト」化していく現状では、こういった議論が行われまでにまだまだ時間がかかるようです。
教科書の記述について、政治的問題化させようという意図が表れています。複雑化した外交局面となり、領有問題や常任理事国問題と絡んで、難局となってしまいました。別な視点で記事を書いてみたので、TBさせて頂きました。
新居はなじんできましたか(笑)
この問題は、日中韓のいずれでも国内問題であり、かつ国際問題になったということです。
中・韓共に国民の不満を反日にはけ口を求めようとしている点がありますし、使えるものは何でも使うのが交渉ごとでありますので、これらの国が外交カードと切ってくるのは自然なことだと思います。日本としては、中・韓国内の反日運動が先鋭化することにより、両国が却って不利益を被るのだということをブラフでも示すのが外交の駆け引きだと思うのですが。
新しい家にも慣れてきたのですが、思ってもないところに扉があり、顔面を打ち付けてしまいました(笑)。
ライブドアが、ふそう社の本体を買収しようとしているのは、怖いなあと思いました。
それから、ドイツでは戦時中の軍歌さえ厳しく、演奏禁止にしているんですが、日本は古ものが野放しで、コワイデスネ。
私には、扶桑社とFUSOUトラックが、重なって見えて仕方がないです。
教科書問題とファーストフード店と、どう関係があるのかと思って見ました。
ともかく、中国や韓国にとっては、暴力団かオームが押し寄せてきたような、おぞましい歴史の再来は、避けたいのが本音と思います。
ヨーロッパ諸国の反応と同じで、日本製品があまり売れなくなるのは、困る。
よくドイツと日本との戦後の対応が比較されますが、ドイツの場合はナチスとヒトラーに全責任を転嫁し、負の遺産を引き継ぐイノセントな後継者として振舞えるだけやりやすいと思います。一方日本の場合は戦争責任の主体が極めてファジーですね。
>扶桑社とFUSOUトラックが、重なって見えて仕方がないです。
見事な表現だと感服致しました。
中国人も派手にやってくれますが、暴力的な行動は世界中に報道されれば中国国民の民度が問われますし、日本製品ボイコットは、中国側にも経済的不利益を被る事ですし、お互いにとってマイナスであることを中国側もよく認識すべきと思います。
前のコメント、送信ボタンを押したとたん、消えてしまいましたので、二度試みました。
今日は二つとも表示されてますね。
今年は、「対日戦争勝利60周年」の節目の年ですので、かように熱いものがあろうと思います。
ヨーロッパの人も、少し前のオーストリア右翼政党?などには、同様のスタンスでした。
フーリガンも一緒にに騒いでました。
アジアや、ヨーロッパの人と話していると、日本は、世界でも古い体質を引きずっているファジーな国だと思います。
オーストリアにも似てますね。
今年は、終戦60周年ですね。
そのことも反日運動を盛り上げる一つの要因ですね。
そうなると今年はいつ小泉さんが靖国神社へ参るかが注目ですね。参らなければ右翼、靖国、軍人遺族会などが逆にデモや暴動を起すかもしれません。
ソレはないでしょうね。
昭和天皇崩御の時も、誰一人腹を切った話もありませんでしたし・・