安倍首相の従軍慰安婦「謝罪」は本意（翻意？）なのか？

安倍政権の対応が世界中から批判を受けているいわゆる「従軍慰安婦」問題について、安倍首相が米誌のインタビューで人権侵害の責任について謝罪したとのことです。

安倍首相は米ニューズウィーク誌のインタビューで「慰安婦の方々に人間として心から同情する。日本の首相として大変申し訳ないと思っている」、「２０世紀は人権が世界各地で侵害された世紀で、日本にもその責任があり、例外ではない」と人権侵害の責任について謝罪しています。また「我々は歴史に常に謙虚でなければならない。彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況に我々は責任がある」と語り河野談話を継承する考えを重ねて表明したそうです。

今回のインタビューのはアメリカの雑誌向けのものであり、26日から安倍首相は訪米しますが、米メディアを沈静化するのが目的であり、ほとぼりが冷めればまた「インタビューでそのようなことを言ったつもりない、誤解だ」などとまた本音をちらつかせるのではないかと思われます。安倍さんは元々従軍慰安婦の存在を否定していたことは知られておりますが、今回の米下院の対日非難決議案が提出された際も「狭義の強制はなかった」、「決議案が可決されても謝罪はしない」と発言し、これが世界的な批判を受けることとなりました。

書店の店頭を見ても「諸君」、「正論」、「Will」といった保守系のオピニオン誌には安倍さんの側近やブレーンが従軍慰安婦問題について、河野談話を真っ向から否定するような投稿が並んでいます。こういった情報もアメリカや各国も流れるでしょうから、安倍さんのインタビューの発言を「二枚舌」と受け取られる可能性もあるでしょう。

安倍さんの本意はどこにあるのでしょうか。保守系のオピニオン誌に書かれてあることに近いのであれば、その場しのぎの姑息な謝罪などせず反論すべきであると思います。ただし、現在の保守派のロジックで国際社会を納得させることは難しいのではないかと思います。

そういえば、このインタビューについて産経新聞は一味違った記事になっています。戦時の人権侵害について「日本だけの問題ではないとのニュアンスを強くにじませ」、それが安倍流なのだそうです。安倍さんが後々本心を語るときの伏線になっていそうです。

首相「慰安婦問題は人権侵害」、責任認め改めて米誌で謝罪(読売新聞) - goo ニュース