前回の谷中散歩の目当ては「猫」ともうひとつ、
蕎麦屋!だったのだ、実は…。
ところが目当ての蕎麦屋は運悪く定休日。
さて、どうする?
(日頃せっせと溜め込んだ情報を…頭の中
でザ~ッと繰って、と)
おお、そうだ、根津神社の近くに一軒、気に
なる蕎麦屋があったぞ!
ちょっと歩くが、新規開拓のチャンス!
(こういうことは面倒がらず、マメな私。)
上の写真がその蕎麦屋 「夢境庵」
暖簾をくぐると、いかにも下町の女将さん!が
気持ちよく席へ案内してくれる。
厨場からも「いらっしゃい!」と歯切れのいい
声がかかる。
よ~し、ここは十中八九アタリだな…。
1時半をまわって昼の客がひけたこの時間の
蕎麦屋はクセになる居心地の良さ。
客は静かな老夫婦が一組、母親と仲良く談笑
している若い女性、ひとりで酒を酌んでいる
網代天井だな、いいなあ。
しかも私の好きな蕎麦猪口
がずらりと並べてある。
女将に聞くと、中には江戸時代のものもある
とのこと。ゆっくり眺める。
そしてまずは、一献。
蕎麦味噌の風味がよく合う。
高窓からの陽射しや坪庭の緑を静かに眺め
ていると時間が止まっているように思える。
蕎麦は更科系と田舎そばの中間、という
ところで、風味よし。
つゆが甘くないのも良かった。
さてこんないい時間を過ごしておきながら、
根津神社を素通り…というわけにはいくまい。
(乙女稲荷、だったかな自信ナシ)
昼酒に酔って目がまわっている
と錯覚しそうな鳥居の列を抜けると…
迷いこんだか!
「姫を嫁にもらってたもれ」
とかなんとか言われたらどうしよう、と美しい
狐姫を捜してみたが…、
ああ、夢境をさ迷うにはちょっと酒が足りな
かったようだ、残念!