デザイナーの色メガネ

写真付きで日記や趣味を書く

空の上には

2008-04-26 21:52:05 | 日記・エッセイ・コラム

023_2

ここのところ散歩を楽しむ時間がとれないので、もっぱら

小さな庭をウロウロして、行く春を惜しんでいる。

ああ~、今日は文句なしの散歩日和なのになあ、

と庭に下りてみると、モッコウバラがモリモリと花盛り。

今年も元気でなによりだね、と挨拶しつつ足もとを見ると、

なんと可憐な花が咲いている。

かがみこんでよ~く眺めないと花かどうかもわからないくらい

小さい。直径3ミリくらい。

綺麗な水色のまあるい花びらの真ん中、黄色い部分が

どうなっているのかルーペで見てもわからない。

なんという花だろう。

どこから飛んできたんだろう。

053 この黄色い金平糖のような花→

も去年まで名前がわからなかった。

去年の春、るちまるさんが教えて

下さったのだった。

八重咲姫立金花(やえざきひめりゅうきんか)

名前を知ってもらえてハリキッタのだろうか、今年はいっぱい

咲いているよ。

チューリップはもう花期を過ぎてしまってうなだれているけれど、

017 忙しい私に春の気分を届けて

くれたのは彼女たちだった。

この4月はロゴやロゴマーク

の制作が混んでいるので、

なんというか、心ここにあらず

というか、頭ここにあらずの

ような…。

ロゴを制作するのは大好き

だから、のめり込む。

寝ても覚めてもア~ジャコ~ジャとアイデアが錯綜するもの

だから、いきおい日常生活がうわのそらになる場合がある

わけだ。

まてよ…「うわのそら」は「上の空」、つまり心が空の上を

さまよっている状態ということか。

こりゃ、なかなか風流じゃないか。

家人にはいささか迷惑をかけているらしいが、今しばらく

私は空の上にて仕事に励ませていただきます!

★トップの写真の花の名前、教えていただければ嬉しい

です。


虫的視野

2008-04-15 09:12:18 | 日記・エッセイ・コラム

005

私が大切に育てているタンポポに不思議なことが起こった。

このタンポポ、ちょっと弱っていたせいか花がパ~ッと

咲かずに、半分開いたかな、と思うやしっかりと閉じてしまった。

しかし枯れたわけではなく固く閉じたまま、茎はグッタリと地に

横たわってしまったのだ。

それから1週間以上経った先日、庭に下りてみると、

すっくとタンポポが立っているではないか。

おおお!元気になってまた咲いてくれたか!

と驚いて見ると…なんと花ではなく綿毛を高々と掲げているのだ。

048 多分、このタンポポは花を咲かせる

には体力の限界を感じたのかも

しれない。

そこで咲きかけた花を閉じ、残った体力を綿毛を作ることに

使ったんじゃないだろうか。

一週間ほどの間、地に横たわって一生懸命綿毛になり、よく

晴れた日に茎を立ち上げ綿毛を開いたのだろう。

あまりに綿毛が綺麗なので、写真を撮りつつ眺めていたら、

さ~~っと風が…。

綿毛が飛び立つ瞬間を初めて見たが、ドラマチックだった!

それほど遠くへは飛ばすに、庭のそこここへ舞い落ちていた

からきっと芽を出してくれるだろう。

風に乗りゆく綿毛の様を呆然と見送る私の耳に、

038

パンジーの葉裏あたりから

虫の羽音が聞こえてきた。

じ~っと探しているうちに、

だんだん昆虫の視点になって

きた私。

033

こういう葉陰にもぐりこんだら

楽しいだろうなあ。

とかなんとか想像するのは

なんとも楽しい。

小さい虫の気分になると、なんというか視野は大きくなる

不思議。

人間の視野は、虫たちに比べたら案外せま~~いの

かもしれない。

011 種を飛ばした次の日。

朝日の中で満足そうに

立つタンポポ。

飛んでいった綿毛の場所を

数箇所チェックしてあるので、観察してみようと思っている。

芽が出てきたら、虫的視野で眺めよう。


ちょっとシンミリ

2008-04-07 11:52:13 | 日常の中の物語

028

桜はもう殆ど散ってしまった。

みごとに人通りが少なくなり、静かだ。

003 庭のモッコウバラが、ぐんぐんと

ふくらみ始め、その元気さ

明るさと、散り終えて

たたずむ桜の静けさとが

対照的だ。

実はここ1ヶ月ほどの間に、近所にあった私が好きな家が

2軒も立て続けに壊されて、ちょっとシンミリしている。

どちらも慎ましい風情の家で、穏やかな庭の様子も好きだった。

家を壊す場合、大型車両が入れるようにまず、庭の木から

切り倒される。

だから、ある日突然、無惨に伐採された庭木を見て愕然と

させられるのだ。

切り口がまだ湿った木から、香りが立ちのぼっている。

事情があってのことなのだから、仕方のないことだと思うが、

いつも「淋しいなあ」と思ってしまう。

012 右写真は我が庭の

グミの花。

去年、裏木戸の近くに

苗木を植えたら

なんともう小さな花を

いっぱい咲かせている。

実がなってくれそうで、楽しみだ。

024 ←そして庭の女王。

サイフリボクが、今年も

雪のように美しい。

あの壊された家の人

たちも、毎年こうやって

庭に咲く花を楽しんでいらしたにちがいない。

先日、前を通りかかるとショベルカーが入り、バリバリと

家を解体していた。

半分壊された家の向こうに裏庭があった。

花桃だろうか、私にはよくわからないが鮮やかな桃色の

花が今を盛りと咲いていたので、しばらく眺めていたが、

なかなか立ち去り難い光景だった。

今はもう「売り地」と書かれた大きな看板が立って

いる。

あの鮮やかな桃色の花の木もない。

Img_7117 ヒヤシンズが、隅に残って

いたので、記念に撮影

させてもらった。


悩ましい春

2008-04-03 00:55:58 | 日記・エッセイ・コラム

008

朝の玄関前の桜。

まさに扉を開けたらこういう景色だから、春はいいなあ。

しかし春は体が変調をきたすことが多いように思う。

私の今年の変調は「歯」であった。

どうしたかというと、歯の詰物が取れてしまったのだ。

私の唯一治療した歯だ。

その事件を連れ合いに話したところ、

「ええっ?おかしいなあ。あの先生はそんないい加減な詰め方

はされないはずだけど…」と言う。

しかし、確かに取れたんだから…。

早速、次の日に取れた詰物を持参して歯科医院へ。

で、思い出したのだが私はこのブログを始めて間もないころ

歯医者の記事を書いている。

もう3年以上前になるが、あのときは30年ぶりに歯科医院へ

行ったので先生がひどく仰天されたが、今回は先生も別に

驚かれないだろうと安心して行った。

さて、私の歯をご覧になった先生、

「これは取れたんじゃなくて、噛み砕いたんですね。」

(えええ~?なにそれ…)

治療を終えて待合室に戻ると、先生の奥様がにっこりと

笑いながら詳しく説明してくださった。

(この奥様、ものすごく丁寧なのだ)

「Y様(←私)の歯は、とてもお丈夫で、しかもアゴ

またとても頑丈でいらっしゃるので、ご自分の歯を

噛み砕かれておしまいになったのですねえ。ホホホ…」

唖然とする私を尻目に、丁寧に奥様はなおもお続けになる。

「おうらやましいような頑丈な歯とアゴでいらっしゃるのですが、

あまり力を入れて咀嚼されないように、お気をつけいただか

ないと、詰め物をしている歯はちょっと耐え切れない

思うので…」

待合室には当然、歯の弱い方たちが待っているわけだ。

静かな待合室に奥様の声が響き渡っている。

なんか野蛮な男のように見られているんじゃないのか、

と居心地の悪いことといったら…。

「まあ、お大事になさってくださいませ。Y様の年齢でこんなに

丈夫な歯の方は、もうほんとうにお珍しいです。」

「はあ、そうですか…」

「はい、そうでございますよ。本当にお珍しいですよ、ホホホ…」

帰宅した途端にどうだったかと聞かれ、ことの次第をシブシブ

話すと、連れ合いは呆れて笑うばかり。

「昔から、よく噛め!て言われたからなあ。」

と弁解がましく言うと、

「よく噛めって、回数のことでしょ、フツーに考えれば、ハハハ…、

歯を砕くほど強く噛めって教えられたのお?ク~ッククク…」

「……、」

なぜか歯医者にかかると、笑われるハメになる私。

以来、咀嚼するときには気をつけるようにしているのだが、

やんわりと噛む、というのがなんとも気持ちが悪いし、どの程度

Img_7039_2 加減すればいいの

やら悩ましい。

いやほんと、悩ましい

春だわい。