前回の北海道の続きを、やっとアップ。
珍しく体調を崩したり、PCの不具合があったりと、予期せぬ
ことが重なってしまった。
しかし、考えてみれば予期せぬことが起こるのは当たり前。
予期しているつもりになっている、というよりは、漠然と
同じような日がやってくるだろうと思っている自分がオカシイ。
ということで、釣リ場近くに現れたキタキツネとの予期せぬ
出会いの写真から続けたい。
実際に野生のキタキツネに会えるとは思っていなかった。
M氏の話によると、このキツネくんはケガをしていて、
狩りができないらしいんだ、とのこと。
そこで、釣り場に人が入ると、魚を分けてもらおうと
どこからともなくやって来るらしい。
のせて、と。
なかなかのご馳走ではないか。
M氏は釣った魚は殆ど川へ戻し、
キツネくんにこうして少し置いて帰るのが習慣だ。
遠くでしっかりと我々の様子を伺っていたキツネくん。
やってきた!
ずいぶん痩せている。
あっ!私たちを意識
しながらも、しっかり魚をくわえた。
よかったなあ、と一同、ほっとする。
と、走る、走る!
安全な場所へ
運んでいくのだろう。
落とすなよ~!
人間に少なからず依存して生きていかねばならないせいか、
このキツネの表情はどこか街の野良猫に似ている。
哀しい、胸が痛むような表情だ。
今の瞬間を生きる彼らは、どんなことがあっても自殺など
しない。できない。
ひたすら生きようとするのだ。
それが人間から見ると、哀しいのだ。
エゾシカ。
こちらも走る、走る!
彼らは走れなければ
生きていけないんだものなあ。
おっと、こちらを見ている。
あの黒い眼に私たちはどんな
ふうに映っているんだろう。
ところで、今回、熊との予期せぬ
出会いはなかったが、
M氏は3度ばかり熊と遭遇したそうだ。
しかもバッタリ、至近距離でお見合いしたこともあるらしい。
そういう場合どうするのか、と聞くと、
絶対、逃げないこと。
逃げると追いかけるのが動物。背中を見せるなどトンデモナイ!
目を離してはいけない。
じっと睨んだまま立っているべし。
いやあ、それはすごい度胸だなあ、と感心したのだが、
M氏の場合、逃げるもなにも、金縛りのようになって動けなく
なり、目も見開いたままになってしまった…のが良かったらしい。
しばらくの間睨みあって、(というか、M氏は固まっていただけ)、
熊は去っていったそうだ。
固まっているとは知らず、熊のほうは「オヌシ、ヤルナ!」
と誤解したんだね。
いやいや、私は大型犬に追われた経験があるから、獣相手の
その恐怖感は分かりすぎるほどわかる。
あのマッタナシの容赦なさかげんといったら!
動物の辞書に『容赦』という文字はない、と肝に銘じたものだ。
ましてや熊との予期せぬ出会いなど…
ああ、なくてヨカッタ!
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おことわり:走るキツネとエゾシカの
写真は、同行したカメラマン
K氏が撮影したものです。