デザイナーの色メガネ

写真付きで日記や趣味を書く

夏空の下

2006-07-31 23:50:00 | 日常の中の物語

_190

やっと梅雨が明けたようだ…。

朝の陽射しが気持ちよい、しかも爽やか。

夏の花紅蜀葵もぐんぐん伸びて、もう少しで

花芽がつきそうだ。

最近、この葉を棲家としているかわいい

蜘蛛がいる。

なぜかてっぺんの葉にいつも憩っている。

もともと巣を張らないタイプの蜘蛛なのか、

「ここでいいや!」という怠け者なのか…。

朝に夕に庭に下りるたびにこの蜘蛛と目が

合うので、「やあ!」と挨拶をしている。

紅蜀葵は虫たちに人気で、真っ赤な花が咲く

と必ずアゲハ蝶がやってくる。

オトシブミも葉をくるくる巻いているし、

蜻蛉もよくやってくる。

たまに定点観察をしていると、活き活きと

した虫の世界に感嘆させられる。

_196 さて、家の中では…、

家猫クーがダレていた。

新聞の束の上に

のしかかって

「ふえ~、夏でんな~~」という面持ち。

この後ろ姿。この尻の広がり具合。

うちでは『ポルシェ・ターボ スタイル』と呼んで

いるが、馬力はない。


書の力

2006-07-30 14:00:00 | デザインあれこれ

Sikitiyasi

以前、美味しい和食の店でご紹介した

『四季八寸』のロゴマークです。

この毛筆は経堂に住んでいらっしゃる書道家

の牧 宣子先生に書いていただいた。

牧先生は現代書道の至宝といわれた女流

かなの第一人者、熊谷恒子先生を師とされる

かなの書道家。

ロゴマーク制作では時々お世話になっている。

Sikitiyasi_1

『かな』を得意とされている

先生に無理を言って、

漢字をお願いしたが、

先生はいやな顔ひとつされずに書いてくだ

さった。

それだけでなく、店名や店のコンセプトに

あった字をイメージされて、筆の硬さや材質

にまでこだわっていろいろ試してくださった。

本当にありがたいことだった。

八寸のご主人は何枚もの『四季八寸』の字を

部屋中に貼って眺め、この字に決定された。

それからロゴに仕上げ、カラーを決め、展開

していくのが私の仕事。

写真は名刺、オープンチラシ、カードに展開

したもので、他にのれん、前掛け、電飾看板、

箸袋などに展開した。

あれから10年。店とともにロゴにも年季が

入ってきたようで、制作者としては嬉しい。

_159_1 写真は鬼灯の飾りもの。

実を採った鬼灯を重曹で

煮るのだそうだ。

この涼しげな鬼灯と

料理の小さな折りが

10周年の記念として来店されたお客様に

手渡されていた。

静かで心のこもった記念日だった。


夏菓子的こころ

2006-07-28 03:30:00 | お茶時間

_075

自家製 『キウイのきんとん』

「ブログ人の写真集で和菓子特集だよ」と

言うと、「私の自信作をアップしてよ!」と

妻が取り出だしましたるこの写真。

抹茶の香りとキウイのほのかな酸味が

なんともシャレている『キウイのきんとん』

家庭でできる和菓子をテーマに活躍されて

いる金塚晴子さんのレシピだとか。

妻は4、5年前だったかなあ、和菓子教室に

せっせと通っていたかと思うと、最近では

頼まれて作ったりもしているようだ。

(大丈夫なんだろうか?)

金塚さんの和菓子のファンだとかで、本を

購入して試しに作ったり、アレンジしたり

しているが、試食をさせてもらえるのは

なかなか嬉しい。

_006

左写真は『梅しそもち』

我が家では人気抜群

で息子たちも大好きだ。

やはり和菓子作り好きの友達に教わった

レシピだとか言っていた。

柔らかいこしあんを包むこれまた柔らかい

生地に梅の香りがほのかにして、おへそには

梅干というなかなかのシロモノ。

青紫蘇でくるんでいただくと、爽やかな風味が

広がって夏を愛でたくなる菓子だ。

まあ我が家の和菓子はともかく、和菓子を

育んだこの国のセンスはたいしたものだと

思っている。

自然にたいする畏敬と親しみがなければ、

作れるはずのない芸術品だ。

私達の感性のどこかに、そんなDNAが

息づいているはずだと…信じたい!

(かなり薄まってしまっていそうな現実だが)

昨日妻は、また頼まれたとか言って『錦玉』

を作っていた。

透き通った錦玉の中に蜜柑が並び、青楓を

添えた涼しげなものだった。

余分はなかったのか、私及び息子たちの

口には入っていない!


風りん、りん…

2006-07-25 22:10:00 | 日常の中の物語

_183_1 梅雨明け

を待って

出そうと

思っていた

『風鈴』。

薄日が射し

た午後、

もう、待ち

きれずに

軒に吊した。

手描き江戸ふうりん。風鈴屋さんがその場

で絵や名前を描いてくれる。

手前が黒い金魚5匹、向こうが赤い金魚

3匹が描いてある。

黒い金魚5匹の風鈴は、なにやら縁起もの

だと言われて買った。

『風水』だったかな?(私はこういう方面に

詳しくないが…)

5匹の黒い金魚と水を部屋に置いておくと、

商売繁盛…だったかなあ、

とにかく現世利益には間違いない。

3年は吊るしているが、たいして効果はない

が、まあそんなものだろう、と思う。

「現世しかない、死んだら終わり」と考えると、

人は現世利益に血まなこになるだろう。

「なんだか別の世界もありそう…」または

「あの世はある!」と考えると、現世利益が

チャチに見えてくるから不思議なものだ。

どう考えてみるかは個人の立場や好みや

モロモロの因果があるだろうが、どちらが

人にとって本当の意味で幸せだろうか。

私は別の世界があってほしいと思っている。

そして、その世界は現世と表裏一体だと

おもしろいなあ、とも思っている。

いや別に、夏だからといって幽霊に会って

涼しくなりたいわけじゃないけれど、現世は

魂の鍛錬場だとしておいた方が私にとって

シアワセだ…ということかな。

別の世界(まあ、あの世ともいえる)にまで

目標があった方が優雅じゃないかなあ。

あ~あ、それにしても…

せっかく吊るした風鈴が、チリとも鳴らない!

極楽のあまり風が吹いてこないかなあ~。


10年の艶

2006-07-23 17:00:00 | 日常の中の物語

_177

以前、このブログで紹介した四季八寸

(経堂駅前の料理屋)が21日にめでたく

開店10周年を迎えた。

昨晩はご主人が祝いの膳を用意してくれた。

上の写真は店内のカウンター。

左が刺身を切ったり、盛り付けなどを行う

板場。その壁の後ろが調理場になっている。

土壁もカウンターも皮張りの椅子も、10年

の艶で輝いていた。

_175 記念に料理の写真を

撮らせていただいたので

一挙公開!致します。

_155 ・湯葉豆腐

毎日でも食べたい

奥ふか~い味わい。

_157 ・刺身盛り合わせ

昆布〆の鯛、青海苔

をまぶした鮪、甘海老、

そして目にも涼しい鬼灯の飾り。

_161 ・海の幸の葛寄せ

アワビ、雲丹、蟹が

冷たくとろける、絶品。

_164 ・マナガツオの揚げ物

西京味噌でいただく。

左は無花果の黒糖煮。

_167 ・スズキの椀物

柚子の香が立ち

のぼる。

ジュンサイのつるりとした食感がいい。

_168 ・じゃがいも饅頭

人気の定番料理。

中には鴨肉が…。

_170 ・賀茂茄子田楽。

香ばしい茄子は

皮まで美味い。

_172 ・鯛茶漬け

ファンがいっぱい

の名物茶漬け。

以上に黒胡麻の葛ようかんがコース。

_173 ・鯛の柚あん焼き

これはまかない料理

で、おまけ。

(スゴイおまけに感謝、感激!)

夜遅くまでご主人とさまざまなことを話した。

毎日の市場での仕入れはもちろんのこと、

休日も新しい料理の創作や、自然の中での

発見に時間を費やしているそうだ。

悩みながらの10年だったと思うが、その志は

揺るがない。たいした人だと思った。

学ばせていただいた記念日だった。

ありがとう、ご馳走さまでした!

※四季八寸は原則予約が必要です。(昼も)

もし、いらっしゃる方があるようでしたら、

よろしくお願い致します。