この写真は「シエラ飛行学校」から届いた
入学許可証と案内パンフレット。
シエラ(SIERRA)は名門の飛行学校で、訓練が
厳しいことやプロのパイロットを多く輩出している
ことで知られていた。
(金さえとれば…といういい加減な学校もあった
ので、私は慎重に選んだ)
↑はシエラのホームページ。検索して映像を見
た時は懐かしかったなあ。
学費やら寮(学校が契約しているアパートメント)
の費用(200万円くらいだったか)を払い込み、
さて、まずは両親から説得開始。
当然、①危ない②免許を取ってどうするんだ?
③仕事はどうする?の3点セットでつめよられる。
①は統計的には車の事故の方が多い、と説得。
だいたい私は高校生の時に交通事故で命拾い
をしているので、妙に説得力がある。
親にしたら「こいつは日本で車に乗っていたって
たしかに危ない。」と納得(?)したらしい。
②は免許を取る過程に意味がある、と説得。
自分を試して自信をつけたい!などと前向き
に生きる姿勢をアピール。
③は夏休みと貯めこんだ有給休暇で大丈夫!
と説得。(これはまっかなウソ)
結局、両親は「どうせ言い出したらきかない
ヤツだ」といういつものパターンで折れた。
お次は職場の上司…。
夏季休暇と有給休暇合わせて2週間と少し
しかないのに、免許取得には最短でも
3ヶ月はかかるので、操縦免許を取ってくる
とは口が裂けても言わず、ひとりでアメリカを
見てきたいので長めに休暇をください!
と願い出た。
日頃の行いが良かった私に上司は寛大で、
「そうか、いい経験になるだろう。アメリカの
デザインの現場もしっかり見てきなさい!」
と3週間近い休暇を認め、激励までしてくれた。
かくして、私は意気揚々と夢に向けて旅立った。
初めて乗る飛行機、初めての海外、初めての
留学…と初めてづくしの私が、格安航空チケット
を手に羽田空港に立ったのは27歳の夏だった。
(エッ?3週間の休暇でどうするか!?って、
そんなこと、ナントカナルサ!)