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縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

海からみたジオパークイベント・・・行政主催の「ジオカヤック」成功

2022年06月20日 07時14分35秒 | 糸魚川自慢

カヌーのうえから海底が透けてみえると、お花畑のうえを飛んでいるように感じることがある。

カヌーを怖がる初心者なら、そんな光景をみせてあげるといい。
 
「この浮かんでいる海藻はホンダワラで、縄文時代はこれで塩を作っていたんだよ」とか、「ほら、あそこの岩にカニがいる!その下にフグの子供が泳いでるよ」とガイドすると、恐怖心より好奇心が優先するようになる。
最初はカヌーを怖がっていた女の子を二人艇の前に乗せて、10分もすると「うわーい!きもちいい~!」と言ってくれ、カヌーをおりるころには私が漕がなくてもまっすぐ進めるようになっていた。
 
はじめて自転車に乗れた時に実感した、道がつづく限りどこまでも行けるのだと、一気に行動範囲が広がった開放感。これはカヌーも同じで、このように素直に喜んでもらえると嬉しい。
これまで海からみるジオパークを個人的にやってきたが、香取学芸員とであったことで、10年目にして行政主催で「ジオカヤック」として結実した。
今回から木造セイリングカヌー(手前から2隻目)も導入。元ラフティング日本代表選手だった香取学芸員は、安定性・操作性・速度と申し分ないと気に入ってくれて、ガイドや撮影用に使っていた。
 
来月開催のカヌーイベントは外海を4キロ漕ぐので、伴走船としてどうかと試しに二人で漕いで弁天浜の湾内を出て、木浦漁港を越えてすぐの「とっとこ岩」まで往復してみたら、随伴したシーカヤックより早かった。流石の横山晃設計だ。
 
転覆する恐れがない丸木舟なら、もっと沖にでて北アルプスを望むこともできる。
 
この風景は、5,000年前に各地にヒスイを運んだ先祖と同じ手段で眺めていることになるから、単なるカヌーイベントをこえて、ヒトとヒスイの物語に想いをはせることになり、アウトドア遊び・地質学・民俗学・考古学と分野横断的なイベントになる。
 
しかし個人では金と労力の個人負担が大変過ぎて、現在は休眠状態。願わくば行政や民間団体も交えて、再開したいもんだ。
 
 
 
 

海から観るジオパークのイベント・・・ジオカヤック予行練習

2022年06月12日 10時48分44秒 | 糸魚川自慢
フォッサマグナミュージアム学芸員の香取さんは、学生時代にラフティング日本代表であったことから、私はラ王と呼んでいる。
 
そのラ王が、糸魚川では稀有な行政主催の海イベントを企画した。
 
第一弾が、来週開催される海から観るジオパークイベント「ジオカヤック」で、すでに定員オーバーだそうだ。
不測の事態に備えて、能生B&Gが協力してリハーサル。
黒いカヤックは池亀会長で、赤いカヤックは初カヌーの女性。
 
ちなみにB&Gとは、日本財団の助成によって誕生した海遊びの市民団体で、ブルー&グリーンの略称。
ラ王は私の木造セイリングカヌーが気に入ったようだ。
 
外海でも安定性がよく、レスポンス抜群、漕いでも速いのは、天才ヨットデザイナーの横山晃の設計だからで、初心者を乗せての弁天岩1周も危なげなかった。
ツアーの先導と殿は、B&G会員が浮沈構造のロウボートを漕いでレスキューを兼ね、セイリングカヌーのラ王がガイドする方針に決定したが、B&G事務局のダイスケさんが、ロウボートを漕いだことがないというので特訓。
 
あとは当日の天候次第だ。
 
小雨や多少の風波があっても、弁天浜の湾内なら大丈夫!きっとうまくいく。
 
 
 
 

糸魚川の民家に謎の縄文土器・・・ほんとに勝坂式土器?

2022年06月09日 06時33分26秒 | 糸魚川自慢
建材屋さんの支払いに普段は通らない道をバイクで走っていたら、ショーウインドウのある不思議な民家に縄文土器らしきものが展示されているではないか。
細長い深鉢形状にもしや大木式?とバイクを引き返したら、関東の中期の勝坂式土器と説明が書いてあった。
 
観察すると隆帯文様が東北の大木式に似ていているし、勝坂式にしては東北の円筒土器のように細長く、不思議な面白い土器だが、大木式か加曾利式っぽいが、本当に勝坂式土器なんだろうか?
 
主が縄文土器好きなのか、それとも好事家なのかは不明。
 
糸魚川には縄文談義できる友人がいないので、時間ができたら勇気をだして聞いてみようではないか。オラは古物も好きだし、縄文土器談義したいもんだ。火焔型土器は聖火を燃やす特別な土器なのである!なんてトンデモ説を唱える人なら沢山いるけどネ( ´艸`)
 
 
 
 

海、船、塩、そしてヒスイ・・・糸魚川産の「弁天塩」

2022年06月03日 07時02分49秒 | 糸魚川自慢
工房改装で材木の端材が沢山でたので、薪としていかが?とSNSに投稿した。
何件か欲しいと言ってくれる人がいて、真っ先に引取りに来てくれたのが高校美術部の後輩の滝君。
 
滝君は糸魚川駅ビルで居酒屋「多喜」の経営者で、以前から料理用の塩は、自宅前の弁天浜の海水を煮詰めて作っていて評判だった。
最近、塩の製造販売の許可をとったので、工房完成後にはぬなかわヒスイ工房でも売ってくださいというので、是非もない。
 
私の父方の先祖には、戦に敗れて上杉謙信を頼って越後に落ちてきた坂東武者がいて、江戸時代にはヒスイ海岸あたりに塩田を持ち、最盛期には3隻の船をつかって北前貿易で財をなしたそうだから、工房で塩を販売すると先祖も喜ぶだろう。ちなみに上杉謙信が甲斐に送ったとされる「義の塩」は、糸魚川産を含む越後の塩のことで、越中では能登産の塩の交易は妨害したと伝えられている。
 
しかも弁天浜は、私の海遊びの拠点だ。なぜだかヒスイにも海を感じる。
 
子供の頃、海の逆巻く波のなかに、白い泡、明るい黄緑、緑色、紺のグラデーションをみて、「オラはここから来た」とでもいうような胸が張り裂けそうな懐かしさを感じ、「この中に還りたい」と切望したことがあり、ヒスイを見ていても同じ感覚が蘇ってくる。
 
そういえば子供のころから北斎と横尾忠則が好きで、とくに北斎の「神奈川沖浪裏」にも同じ感覚を感じていたが、「弁天塩」のパッケージに使われているのは、滝君も何かを感じていたのだろうか。
 
なんの縁だか、「神奈川沖浪裏」のアングルの近くの借家を紹介されて住んでいたこともあったな。ある不思議な人から、北条政子に仕えた鎌倉武士時代に私が住んでいたから導かれたのですヨ、と言われたこともある。
 
海、船、塩、そしてヒスイ。工房改装の後には、ぬなかわヒスイ工房もまた生まれ変わる気がする。
 
 
 

糸魚川でアヤシイ姿の人を見たら「ぬなかわヒスイ工房」のお客さん説・・・大村和生さん新作CD

2022年05月09日 06時48分23秒 | 糸魚川自慢
カズさんことシンガーソングライターの大村和生さんから、新作CDに私の撮った写真を使わせてくれといってきた。
これまで美術雑誌「みずゑ」や「ナイフマガジン」、JTB、有名お笑いタレントのライブで私の写真が使われたが、お金をもらえたのは「みずゑ」だけで、今回も謝礼は物納・・・でもCDは二枚もいらないけど(笑)
 
糸魚川には生息しない長髪ヒゲ男、白装束の集団、ダブダブの服装(うさと服といいます)のアヤシイ人が神社や海、遺跡をうろついていたり、駅前でお別れのハグする人を観たら私の友人・来客であるという噂を聞いた。
 
カズさん一行も天津神社でお参りした時に、知らないオジサンから「おまんら山田さんの友達かね?」と聞かれたそうだ。
 
姿は妖しくとも、みなさん善男善女であります。とりあえず、ぬなかわヒスイ工房は、飲食や宿泊、土産物などで糸魚川観光に貢献しておりますぜね。
 
コロナも落ち着いて来客が徐々に増えてきたし、工房が完成した暁には元に戻ってくれたらいいですな。
 
 

共感こそチカラ・・・フォッサマグナミュージアム学芸員、香取拓馬氏の南極体験講演会

2022年05月01日 08時27分03秒 | 糸魚川自慢
フォッサマグナミュージアム学芸員の香取拓馬さんの南極の講演会を聴いて、海遊びの仲間として面白いばかりでなく、地球物理学方面の情報発信者、行政マンとしても得難い人材ということを確信した。
4月30日に能生の大洞地区公民館で開催された香取拓馬さんの講演会。寒いのに窓が開けられていたし、裸足のお父さんもいたのは、標高100mを超える大洞だからか?ちなみに私が大洞在住の登山家の青田浩さんに香取さんを紹介したことが切っ掛けで講演会が実現した。
 
これまでの糸魚川での学術講演といえば、俯いてボソボソ喋る業務報告といった印象で退屈なことが多かったのだが、その点、香取さんは異色だ。まずよく通る声が心地良い。緩急自在にして硬軟おり混ぜた話術も巧みだ。
 
最も異色なのは業務報告といったノリではなく、南極体験や地質学、鉱物の話を「面白い!」と、聴く者が自然に興味を起こす共感性を持っていることだ。香取さんご自身も共感する人なのだろう。
 
だから聴衆からの質問が多い。会場が公民館というのも双方向の座談会といった趣があって良かった。文化講演会と銘打った大ホールの講演会だと、質問のある方は挙手をお願いします!マイクをどうぞ!となるので、聴衆は委縮してしまってこうはいかんね。これは情報発信の在り方として優れている。
 
聴衆に共感してもらえないと、一方通行の情報発信に終わって届かない、響かないのだから。
 
香取さんは山だけでなく、海から観たジオパーク糸魚川の魅力を発信しようともしている。私も縄文や民俗学的な視点から、遺跡と海から観た糸魚川の魅力を発信してきた。自然と人の歴史が合わさってこそジオパーク糸魚川の魅力。
 
ケツを持とうではないか。
 
 

ヒスイの庭石、屋根の重し石・・・糸魚川の風景

2022年04月14日 06時59分30秒 | 糸魚川自慢

左端のヒスイっぽい白地に青い模様の庭石を、取りにくる方限定で無料で差し上げます!

高さ60㎝、推定重量40キロくらい。子供の頃から親に連れられてヒスイを拾っていたという知人が、大所川ででかいヒスイ原石を拾った!と持ち込んできたもので、拾った場所と石肌から察するとアルビタイトらしい。

フォッサマグナミュージアムができる前はアルビタイトもヒスイとして扱われており、いまでもヒスイとして売る人もいるくらい紛らわしい鉱物で、姿もいいのでシンボル庭石にいかが?

 
真ん中もアルビタイトらしいが、こちらは親父がどこからか貰ってきたもので、右端は文政2年に建てられた後輩の自宅の屋根の重しになっていたものを託されたもの。この二つは歴史遺産として保管(笑)
 
戦後間もないころまではヒスイが屋根の重しに使われていた歴史があっても現物は残っておらず、例え後輩の親御さんから託された屋根の重し石がヒスイでなくても、「ヒトとヒスイの物語」の歴史遺産だと私は考えている。
 
フォッサマグナミュージアムの学芸員に伝えたら、「そうですかぁ、すごいですねぇ」という興味がなさそうな反応。展示したいと言われたら寄贈するのだけどね。
 
工房増築工事前の大仕事が、でかい庭石の移動。不要なものは海に還えしている。
 
 
 

各地で意味がちがうオゾイ・・・糸魚川方言

2022年01月26日 08時12分14秒 | 糸魚川自慢
「おぞい」は糸魚川方言で「みすぼらしい・見劣りする・みっともない」という意味になるが、仕事中に聞き流していたNHKラジオ教養講座で古語の「おぞし」の説明があって由来が判明。
 
https://kobun.weblio.jp/content/%E3%81%8A%E3%81%9E%E3%81%97
 
以前から「悍ましい・おぞましい」の方言化かと思ってはいたが、本来は勝気である・乱暴という意味だそうだ。
 
調べてみたら各地で意味が違い、栃木では子供への褒め言葉で「優れている・かわいい」という意味で使われているらしい。
 
栃木で「おぞいねえ!」と褒められた糸魚川の人、怒ってはいけない(笑)

 


海遊びのプロがやってきた・・・笹川流れカヤックセンターとの交流

2021年10月21日 07時22分07秒 | 糸魚川自慢

新潟の県北「笹川流れカヤックセンター」の飯山さんご夫妻が、糸魚川の海遊びのロケハンにきてくれた。

発達した海岸段丘と強い引き波、盛り上がってすぐ崩れるダンパーな波質に加え、海岸浸食がすすんで石浜が多くなっている現状では、やはり海遊びには能生の弁天浜が最適で、親不知は中級者以上という私と同じ見解。

都会からあえて冬季は営業できない新潟に夫婦で移住した経緯や経営方針などの話も興味深いが、歴史や民俗学にも造詣が深い人なので、長者ヶ原遺跡やジオパークとコラボしたカヤックツアー案や、丸木舟での佐渡海峡往復、能登遠征の話しで意気投合した。
夜は香取学芸員も交えて露天風呂で2時間近く雑談。石浜ではシーカヤックが痛むし、波が高いと出ることも戻ることも難しいのだ。
 
最近は歴史や地学に詳しい年下世代と交流することが多くなって楽しいが、海遊びのプロが訪ねてきたのは初めて。
凪だと弁天浜から小泊漁港を周って「とっとこ岩」に行くことができる。とっとこは糸魚川方言でニワトリのこと。
 
笹川流れは海蝕洞や鍾乳洞をもつ綺麗な海で、素潜り、パドルスポーツと海遊びならなんでもできる楽しい所。
今年は天候不順でキャンセルしたが、来年こそは海蝕洞キャンプとセットで冒険ごっこを実現したい。
 
カヤックを持っていかなくても、「笹川流れカヤックセンター」でレンタルすればいい。ガイド込みで半日で6,000円なのだ。
 
 

 


「くじらびと」を理解するには海に出よう!・・・木造カヌーは気持ちいい?

2021年10月11日 06時22分57秒 | 糸魚川自慢

映画「くじらびと」を観て興奮冷めやらない仲間を海に誘ったら、凪だったので弁天岩の沖に出て奥弁天を周ることができた。

海に出てしまえば陸(おか)とは空気感がまるで違い、浮世のしがらみや約束事、コロナも忘れてしまう。

 
「くじらびと」の理解もより深まるに違いない。
エリちゃんがスマホでロッド・スチュアートの「セイリング」を流してくれたので、漕ぎながら合唱( ´艸`)
 
気持ちがいいのでビートルズの「イン・マイ・ライフ」「アイ・ウィル」「ロッキー・ラクーン」とその時の空気感にぴったりな曲をリクエスト。
 
次回は加山雄三さんの「海、その愛」「旅人」「光進丸」もリクエストしようではないか。
 
セイリング・カヌ-は暫定的にOPデインギー用の浮力体をマジックテープで固定してあるが、1個48リットルの浮力体を2個付けているので、理論上は98キロを浮かべることができる計算。
基準排水量100キロのカヌーだから、転覆しても沈没はしない。
 
穏やかな海況なら下半身を艇体の中に入れるカヤックより、浮沈構造にしたオープンデッキのカナディアンカヌータイプの方が初心者も乗船しやすくリラックスできるメリットは高い。
一般的なポリエチレン艇やFRP艇に乗ったことのある男性が、木造カヌーは何かが違って気持ちいいと言っていた。
 
大人4名で沖に出られる丸木舟「ヌナカワ丸」も、来年は復活の予感がする。