午後、東大本郷キャンパスすぐそばの弥生美術館へ。「ペン画の神様 樺島勝一展 -写真よりリアルな密描画-」を、ようやく観ることができました(なかなか予定が立てられなかったのです)。
あきれる程、上手い。娘さんのために描いたという「合掌造りの家」の絵など、観ていて思わず笑ってしまうほど――「なんでここまで上手いのか」と。
横に、手本にしたとされる写真の載ったグラフ雑誌が並べられているのですが、背負子を背負った人物が描き加えられている以外はそのまんま。家の前に無造作に積み上げられている薪の1本1本に至るまで、正確に描かれています。ここまでこだわる人とは……。
ただ、じっとよく観ると、家の障子の破れ方が、一箇所、少し違うのです。美的観点からいうと、樺島さんが描いた破れ障子の方が美しいといえそうですが。
もうひとつ、強く印象に残ったのは、細密な白黒原画の白い部分が、まるで光を浴びているかのように輝いて見えること。黒や灰色の使い方が巧みだからこそ、白いところも生きるのでしょうね。原画を観ることで納得できたことでした。
4歳の時に絵の魅力にとりつかれ、両親を亡くして、弟を大学に進ませるために苦労した樺島さん。すべて独学で身につけた手法と正確さへのこだわりがよくわかる素晴らしい展示でした。12月23日まで。
その旨をブログに書いた際、森下さんの文章を無断で引用させていただきました。お許し下さいませ。
樺島さんのペン画は異常に凄いですね。